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第118話 混乱

電脳娘々は邪気を追いかけ、

三番街の方までやってきた。

痕跡を追っていく。

三番街も、がらくた横丁に行かれると厄介だ。

あそこは入り組んでいて、さらに、とりつくものがたくさんある。

そして、電脳娘々が痕跡のログを洗っていると、

がらくた横丁の方から大きな声が上がった。

厄介なことになっているらしい。


鎖師の鎖が鎖師を雁字搦めにする。

鎖師の手足になる輝く鎖だけは難を逃れているらしく、

鎖を解こうとする。

ガキン!と、音がすると、

衝撃に耐えられなくなって、

鎖から黒い不定形の邪気が飛び出す。


「行ったぞ!」

と、声がする。

「どっちだ!」

「螺子師の店の方だ!」


そして、邪気は螺子師の店に置いてある螺子にとりつき、

螺子の調子をおかしくしようとする。

螺子師は電動のインパクトで螺子に対応する。

「くそっ!螺子頭はなめたくないんだよな…」

と、螺子師は舌打ちする。

螺子師が必死になっていると、

邪気はまた出ていった。


「このぉ!」

と、迫力なく捕まえようとしたのは、合成屋だ。

捕まえようとしたが、

合成屋はすべってこけた。

その合成屋をひょいと飛び越えて、

薬師が邪気を追っていく。


邪気は玩具屋のぬいぐるみにとりつき、

玩具屋のおもちゃを、あちこち蹴飛ばしていた。

「やめなさい!」

と、玩具屋が制する。

しかし、ぬいぐるみを邪険にできず戸惑っていた。


「そこか!」

と、声を上げたのは電脳娘々だ。

走って、玩具屋にやってくる。

しかし、邪気は電脳娘々を認めると、

すごいスピードで逃げ去ってしまった。

「ちぃっ!」

と、電脳娘々は舌打ちすると、

ゴミゴミしたがらくた横丁をあとにした。


あとには、普段よりももっとゴミゴミしたがらくた横丁と、

住人達の溜息が残った。

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