「準備はいいか、エド」
「もちろん。ハリス、行くぞ」
「こい」
「では、えいやぁぁ」
キンキンッ。
俺とハリスの剣が交差する。
ガキンッ。
鍔迫り合いなり、ハリスがニヤリと笑った。
「ハリス、やるな」
「ハーブの合間に鍛えたんでね」
右、左、右と剣を打ち合い、そして右に回り込むとハリスも回転して二人でぐるぐると回りだす。
「おりゃああ」
「なんのっ」
再び剣で打ち合い、拮抗する。
「お前だけに、いい顔させられないからな」
「よくいうよ、ハリスも」
そこへ観戦していたミーニャが両手を振った。
「二人ともがんばえ〜」
ここに来てミーニャの祝福だ。久しぶりだった。
「このっ」
「やああ」
剣同士何回か打ち合う。
俺だけでなくハリスにも祝福が掛かっていて、両者ともに動きが良くなっていた。
キンキンッと剣がぶつかり火花が散る。
「はーい、そこまで〜、今回は引き分けでーす」
ラニアが終了を告げた。
「エド、相変わらずだな」
「ああ、そっちは強くなった」
「ま、まあな」
ハリスが鼻の下をポリポリする。
俺もそしてハリスもスタンピード以来、剣を訓練していた。
前は俺のほうが強かったのに、今では互角だろうか。
まぁハリスのほうが年上なので体格が良く筋肉もついているのが見るからに分かる。
「ままいいんだよ、俺は本来頭脳労働だしな!」
「だよな、文官のくせに強いんだから、呆れるぜ」
ハリスと俺、二人して笑い会う。
さてそろそろ行こう、学校に遅れちまう。