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SS13.バタフライピー


 またエルダニアの近くのエクシス森林を探索していたところ、珍しいものを見つけた。


「バタフライピーか、ふむ」


 鑑定結果にはそうあった。

 草というか、花ビラを採って集める。

 なんなのかは実は知っている。

 いそいそと収穫して持って帰った。


「なになに、またエドちゃん何かするの?」

「エド君、いけない顔してるよ?」

「実はだね、諸君。バタフライピーというものを見つけてきたんだ」

「「へー」」


 なんなのか分からないという顔を二人ともする。


「なにみゃう?」


 みゃうみゃうことシエルもちょっと遅れて、やはり不思議そうな顔をしていた。


「これ、ハーブティーなんだけど」

「変な臭いなのは、私はちょっとだよぉ、エドぉ」

「わわっ、ハーブティー」


 ミーニャがちょっと渋い顔を作った。

 一部のハーブティーはミーニャにはお気に召さないらしい。大人向けの匂いがするんだよね。


「これはそう言うのじゃないから大丈夫」

「へぇ」


 さっそくグラスを準備してきて、お茶を入れる。

 紫色のハーブティーが出来た。


「これ紫色だろ?」

「うん!」

「そうね」

「みゃうん」


 みんな肯定してくれる。


「ここにレモンを入れると……」

「わわわっ、すごい、エド!」

「さすがエド君、これ面白いですね」

「みゃうみゃう、なんでにゃああ」


 色がピンク色に変色していったのだ。

 日本でも、紫キャベツとかで色が変わるのは知っていると思う。

 リトマス試験紙とかBTB溶液とかと原理は同じ……らしい。


「すごい、すごい!」


 すごいばっかり言い続けるミーニャに苦笑しつつ、みんなに配る。


「どれどれ」


 ゴクリ。

 砂糖をお湯に溶かしたシロップをこれに注いでから飲んだ。

 レモンのさっぱりとした味がするハーブティーの味がする。

 甘味と酸味の調和が素晴らしい。


「美味しいよ! エドちゃん」

「私はかなり好きですよ、さすがです」

「面白いみゃう」


 こういうのを領主館ホテルで出しても面白いかもしれない。

 さて、もうすぐエレノア様もきてトライエに行かないと。

 まだまだ、知らないことが沢山ある。

 冒険は続くのだ。

 別に敵を倒して歩くだけが冒険じゃないのだ。

 学校生活だってそれなりに楽しいだろう。

 続く!


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