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第7話 能力確認~ヤればヤるほど強くなる~

 レミィたんの愛をあっさり失ったことに絶望した俺は、1日仕事もせずにふて寝してしまったが、よくよく考えれば当初の目的は、童貞を卒業する事と、レミィたんとエッチをして俺自身の戦闘力を強化する事にあった。

 そういう意味では今回目標は順調に達成しており、何も凹むことはないんだと自分自身を慰める事で俺はなんとか立ち上がり、ひとまず自らの能力を確認する気になった。

「〈ステータス〉」

 トミヒコの記憶を頼りにそんな呪文を唱えてみると、俺のステータスが視界に表示されていく。

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 名前:トミヒコ

 職業:借金取り(+魔法剣士:レミィ)

 筋力 4(+44:レミィ)

 体力 5(+35:レミィ)

 敏捷 3(+55:レミィ)

 知性 14(+5:レミィ)

 精神 9(+52:レミィ)

 魅力 1(+75:レミィ)(+50:色欲の魔剣)

 スキル:

 借金取り1、サバイバル1、体術1

 (+剣術3、火魔法2、ぬいぐるみ3、鑑定1:レミィ)

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 俺のステータスには確かにレミィたんのステータスが見事に加算されており、各ステータスはデフォルトに比べるとどれも大幅な強化が行われていた。レミィたんは騎士棋の一幕からも分かるように知性が低いらしく、知性だけはあまりパワーアップしていなかったが、まあ総じて十分な結果と言えるだろう。

 スキル、というものについて俺はあまり理解していなかったので、トミヒコの記憶を頼りに調べると、これは人間の才能を表す数値らしいという事が分かった。

 才能の数値はマックスで5段階まであり、1で才能あり、2で秀才級、3で天才級、4で人外級、5で魔王級という事になるらしい。

 一般的にみられる範囲では、才能の数値は2でも相当凄い方であり、2つも3段階の才能を持ちさらに2段階の才能も1つ持つレミィたんは、メインヒロインの座に相応しい超絶天才といえる女の子のようである。ぬいぐるみ3というスキルが何を意味するのかは今の所謎だったが。

 また、レミィたんの持っているスキルの中にある鑑定1というスキルは、どうもかなり使い勝手がいいスキルらしく、他人のステータスを覗き見たり、未知のアイテムやスキルの性質を読んだり出来るスゴ技のようだ。

 俺は早速、未知のスキルであるぬいぐるみ3を"鑑定"してみる。

「〈鑑定〉」

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 ぬいぐるみ3:ぬいぐるみを操り、またぬいぐるみから特殊な力を引き出すことができる才能。天才的な才能水準にある。

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 なるほど、レミィたんの部屋にあったたくさんのぬいぐるみは、趣味だけではなく実益も兼ねていたようだった。

 レミィたんは戦いの中でぬいぐるみの力を引き出して戦えるらしい。

 想像するに、かなりいろいろ応用範囲が広そうなスキルで、期待が高まる。

 俺はひとまずこの力をテストすべく、その日は冒険者ギルドに向かい、冒険者登録をしてクエストを受ける事にした。

 まず、各種ショップに寄って、冒険の道具や地図、戦闘用のぬいぐるみ類などを買いあさる。

 ぬいぐるみの持つ特殊な力は、鑑定スキルで見る事が出来たので、買い物は大変捗った。

 火魔法を使うにあたって魔法の杖がいるかとも思ったのだが、どうやら魔剣は魔法の杖としての機能も持っているらしく、そのまま火魔法が使えるらしかったので、魔法の杖は購入せずに済んだ。

 その後、平民街と貴族街の境目の大きなビルに存在する〈冒険者ギルド・ブレイヴ本部〉に向かう。冒険者ギルドは世界中に存在している組織だが、このリンデンにはブレイヴ王国内での本部が存在しているらしく、それでこんな大層なビルが建物となっているらしい。

 ビルに入ると、1階はよく見るファンタジー作品の冒険者ギルドのように酒場が併設されており、左側に酒場のスペース、右側に依頼掲示板閲覧システムらしきものが立ち並び、それぞれ人混みが出来ていた。

 正面奥には、ずらりとカウンターが受付のお姉さんたちと共に並んでいるので、俺は空いている受付の一つに近づくと、お姉さんに話しかける。

「あの、冒険者登録をしたいのですが」

「はい、ステータスを確認させていただきますね」

 お姉さんの指示に従い、左腕を血圧計のような機械にセットすると、自動でステータスを鑑定してくれる機械に、俺のステータスが表示されていく。

「ふむふむ……! 大変強力なステータスをお持ちのようですね! これほどであればひとまずC級からスタートしてもいいでしょう。カードを発行させていただきますね」

 どうやら俺はC級冒険者という地位からスタートする事になるようだ。これがどれほどの凄さなのかは、このゲームの素人である俺にはさっぱり分からなかったが、ひとまず冒険者カードなるものを受け取り、財布の中に仕舞う。

「依頼を受ける際は、この建物にはいって右側の依頼掲示板閲覧システムから依頼の受注ができます。受注したら、受付に来ていただければ、詳しい説明や必要な物資の受け渡しなどを行います。依頼によっては、直接受付を経由せずに依頼に向かって貰っても大丈夫なものもあります。頑張って依頼を達成すれば、昇格していきますので、気合入れて達成していってください!」

 元気のいい受付嬢だな。なんて思いつつ、俺はひとまずの目標として、レミィたんと同じA級冒険者を目指そうと思った。

 世界最強を目指すのであれば、やはり冒険者ランクは最終的には最高位であるS級を目指すことにはなる。

 だが現状まだ一人の女の子としかエッチしていない俺は、A級冒険者であるレミィたんとほぼ同じステータスを持つわけなので、達成できるのはA級の依頼までだろう。

 というか、トミヒコの記憶によれば、S級冒険者というのは、世界に4人しかそもそもいないらしい。

 実質的には、A級冒険者というのが一般的な冒険者ギルドにおける頂点であるようだ。

 であるなら、ひとまずA級冒険者を目指すというのは、まあ妥当な目標であるといえそうである。

 俺はひとまず、C級の依頼の中から、リンデン近くの森林に生息するという「がおがおの討伐」というクエストを受注してみた。

 がおがおというのは、何やらふざけた名前のモンスターだなと思ったが、説明によるとどうやら人狼型のモンスターらしく、名前に似合わず強力な戦闘能力を誇るらしい。

 俺はレミィたんの力の試しも兼ねて、さっそくこのクエストを達成すべく、近くの森林である〈リンデンの森〉に向かった。

 果たして、A級冒険者の力というものがどれほどのものなのか、見せてもらおうじゃないか……!

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