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二十一話 目を覚ましてくださいッッッ!!!

 それを掲げた直樹は祈りを捧げる。


「探せッッ――」


 祈りを捧げられたそれは漆黒の火屋ほやを持つカンテラ。簡素なそれは青白い灯火を宿し、また火屋の上部には円形のくぼみがある。


「補完する」


 その窪みに気が付いたティーガンが、手首から血を出し、その円形の窪みに収める。時止めの秘術を発動させる。


 つまり、


闇路の導灯望みを違えるなッッッ!!!」


 世界の根幹に干渉する幻想具アイテム。それは大輔の“天心眼[界越真眼]”を元に、異世界転移用に作り出された幻想具アイテムの一つ。


 たゆたう望み死者の船明確に示す確かに導くカンテラアイテム。どんな世界だろうが時間だろうが、全てを指し示す灯火。


 闇路やみじ導灯どうとう


 だからこそ、その円形の窪みには本来劣化版黒のオムニス・プラエセンスが入るのだ。精査範囲を今に限定するために。


 カンテラ内の青白い灯火がぶわりと広がり、舞い上がる。かと思えば、収束する。一つの点を指し示すっ!


 そしてそれと同時に、直樹は眼から、鼻から、口から、耳から、血を流しながら、“空転眼”をスパークさせる。


「ッッッッッッッッ!!!!!――」


 脳を万の針で刺されたような破裂する激痛をねじ伏せ、直樹は叫ぶッ。


「来やがれッッ!!」


 闇が迸る。“空転眼”と同調するようにスパークし、異世界とも言えるほど隠蔽され隔離デジールされていた空間の血界と現世を繋ぐ。


 そして――


「クロノアっ!」

「はぁ……はぁ……はぁ」


 紅のクリスタルに封じられた黒髪の美しい少女――クロノアが召喚された。ティーガンが直ぐに駆け寄り、紅のクリスタルに両手を当てる。鮮血の光を迸らせる。


「直樹、すまぬがっ!!」

「分かってるッッ!!」


 ゼーハァーゼーハァーゼーハァと肩で呼吸していた直樹も、滴り落ちる血を袖で拭いながら紅のクリスタルに両手を当て、漆黒の光で包み込んでいく。


 だが、その紅のクリスタルはデジールの『奪う』理そのもの。しかも、クロノアの自己防衛機構による時の理――巻き戻しと複雑に絡み合っているせいで、解除は至難を極める。


 それはサハラ砂漠から一粒の砂金を見つけ出すほど、至難なのだ。


 だから、直接の解除ではなく、クロノアの自己防衛機構による紅いクリスタルの解除の補助に切り替えるが、それでも困難。


「ぬぅぅぅぅぅぅっっっっ!!」

「くそったれッッッ!!」


 ティーガンと直樹がナノの穴に糸を通すが如き精緻せいちで繊細なそれを行う。まるで那由多なゆた彼方かなた先を掴む想いで、歯を食いしばり極限に集中する。


 その時。


「貴様らァァァッッッッ!!!」


 リシカが雪の防御を突破し、直樹たちへと突っ込んでくる。なりふり構わず直樹たち――正確にはクロノアを奪還しようとする。


 片腕をスパークさせ、炎へと変える。


 そう、リシカは吸血鬼ヴァンパイアであるのに炎を扱う権能を持つ。だからこそ、真祖として今まで生き残っていたのだ。


 そして高熱のブレードの片腕が、直樹たちを覆っている結界を切り裂こうとした瞬間。


「貴女の相手は私ですよ」

「クッ。小娘が邪魔をするなァァァッッ!!」


 音を超えた速度で雪が割り込む。


 だが、音を超えた。雪の覚醒姿はまだ、直樹の黒装束のように音速への対策が備わっていない。


 つまり、雪の両足は折れている。肋骨も、腕も。酷い痣があちこちにでき、ところどころが凍てついている。


 それでも雪はニィッと嗤い、硬化させた桜の花弁で覆った腕――つまり、桜の小手でそれを受け止める。


 同時に≪想伝≫でリシカの思考を読み取り、刹那早く、


「さぁ、一時の死闘ダンスを楽しみましょうッ!」

「ッッァアア゛ア゛ア゛!!」


 常時体の周りに舞わせていた桜の花弁を爆発させ、自分もろ共リシカを吹き飛ばす。結界から遠ざけ、また残した桜の花弁で更に重ねるように結界を張る。


 魔力などうに空なのに。混沌の妄執ロイエヘクサや己の体力そのものから無理やり引き出しているのに。


 体の節々が折れえぐれ潰れ血に染まった雪は、だが自分の回復よりも直樹たちの防御を優先したのだ。


 極限の集中の最中さなか、直樹はそれを感じ取った。


 だから、


「飲めッ! 思わず掴んでしまうほどのもんがあるんだろっ! ありったけ飲みやがれッ!!」

「……分かったのじゃっ!!」


 クロノアを召喚するのに力をほぼ使った直樹より、ティーガンの方が可能性がある。ティーガン一人に賭ける。


 だから、直樹はティーガンに首を差し出した。


 ティーガンは一瞬逡巡したものの、戦い傷つく雪を見て、すぐさま首に噛みつく。なにかに耐えるように眉を八の字にしながら、吸血する。


「うぅぅぅうんんんっっっっ!!」

「ぁ、やべ」


 ティーガンがなまめかしく声を漏らし、致死量ギリギリまで血を失った直樹喘いだ直後。


 ゴウッ!! と鮮血の極光が天を貫き、世界を染め上げる。紅いクリスタルに閉じ込められているクロノアはもちろん、直樹や雪をも包み込む。


「戻ってくるのじゃっ!」


 願いと祈りと……そして耐えるような悲しみと苦しみを綯い交ぜにした唸りをとどろかせ、鮮血の極光は晴れた。


「……ぅん……」


 ハラリ、ハラハラリとクロノアを覆っていた紅いクリスタルがゆっくり・・・・と空中へと溶けていく。クロノアの自己防衛機構――時の巻き戻しにより解除が可能になったのだ。


 だからこそ。


「ググリアハラベ、カラグラレ、ユラレフェッォット。……永久とわに眠るのじゃ」

「白桃、ありがとうな」

「雪って呼んで下さい」


 クロノアの自己防衛機構の巻き戻しの力に少し当てられ、僅かばかり回復した魔力をふり絞り、直樹は“空転眼”を発動。


 ティーガンと共に転移し、血に染まりボロボロに傷ついた雪を抱きしめ、なけなしの魔力をふり絞って治癒していく。雪は少し照れたようにそっぽを向く。


 と、同時にティーガンが不意打ちと言わんばかりに三体の吸血鬼ヴァンパイアを封印する。


 リシカも含め、残り十二体。


「ア゛ア゛ア゛ァァァッッッッ! 力が、力がァァッッ!! デジール様から授かったこのちか――」

わめくな、小娘」


 錯乱したリシカを日傘で打ち飛ばしたティーガンは、ゴスロリスカートをぶわりと浮かしながら跳ぶ。


「おい、てぃーが――」


 だが、そのティーガンの表情は……無だった。決壊したなにかが無情に全てを押し流し、ティーガンを無情に染め上げていた。


 思わず直樹が静止しようとするが、


「……<禁鬼きんき解放>」


 小さな呟くと共に、ティーガンは鬼と成る。


 暴走。


 額から二本の黒の角が伸び、犬歯が黒く染まる。鮮血の瞳からは血涙が溢れ、けれど滴り落ちることなく顔を覆っていく。いかつく、されど悲しい外骨格となる。


 黒の蝙蝠翼や両手両足、日傘に血の渦が纏わりつき、やがて硬化する。こちらも外骨格となる。


 鮮血のスパークをほとばしらせたティーガンは、朽ちることなく悠久の時を生きるティーガンをして、命を削るそれを、制御不可能なそれをふるう。


「朽ちるのじゃ」


 音も光さえも置き去りにする速度で動いたティーガンが、二匹の吸血鬼ヴァンパイアに触れる。


 一言呟く。


 それだけで。


「再生しないだとッッッッ!!」

「なんだそれはッッッ!!」


 吸血鬼ヴァンパイア朽ちていく・・・・・。再生することなく、肉体も魂魄も崩壊していく。


 そして、


「ジェーペヴヴィエェラ、ンンウウィラアマラ。……永久とわに眠るのじゃ」


 朽ち果てる寸前で、封印された。


 残り十体。


 全ての吸血鬼ヴァンパイアが恐れ戦く。慄然りつぜんする。真祖であるリシカでさえ。


「不甲斐ない。ヘッフフヘフフ。……永久とわに眠るのじゃ」


 ポツリと呟かれたティーガンのそれは、とても悔しさと怒りに滲み溢れていた。


 だが、吸血鬼ヴァンパイアにそんな事は関係ない。


 だって、その一言の間に一体の吸血鬼ヴァンパイアが封印されたのだから。


 残り九体。


「なにが始祖じゃ。なにが守護者じゃ」


 それは千年以上もの間、吸血鬼ヴァンパイアという脅威から人類を守ってきた守護者ティーガンの吐露。


 数週間近く血力を枯渇し続けたのにも関わらず、雪を吸血するまで死の苦痛が霞むくらいの吸血衝動に耐えてきた理性ティーガンの暴走。


 雪を見縊みくびっていたのは直樹だけではない。ティーガンもだ。


 雪の戦いを見て、≪想伝≫から零れる戦意を感じて、ティーガンはまざまざと思ったのだ。


 死力を尽くしていなかった、と。


 そして行き過ぎた理性暴走した自責が導き出す。勘違いした。


 死ぬ事前提でやれば、今回の騒動だって、いやそもそもここ千年以上のも戦いをする必要すらなかった、と。


 だからこそ、めた。めた。めてしまった。


「死ぬことを怖れた甘ったれが」


 吐き捨てるようにそう言ったティーガンは、自らの体すら消し飛ばして衝撃波をふるう。


 もう死ぬことすら怖れない。


 もう、死への恐怖わがままで戦いを引き延ばしたり、誰かを吸血したり、そして傷つけることはしない。


 雪があんな姿になってるのを、もう見たく――


 全て自分が――


「ヴィーヴェェズン、ゥリットセーヴェル、ルーィジェーオパック。……永久とわに眠るのじゃ」


 そんな悲しき想いの中、三体の吸血鬼ヴァンパイアが封印される。


 残り六――


「メーゥギュッゲン、フェギュガッレカタ、オクスヘーフトラクト。……永久とわに眠るのじゃ」


 いや、三体。


 僅かの間に九体のも吸血鬼ヴァンパイアを封印したティーガンの下半身は反動で消え去る。


 が、再生はしない。そんなことなどどうでもいいのだ。


 上半身だけでも封印は可能。どうせ死ぬ身。


 ならこのまま。


 そう思ったティーガンは――


「目を覚ましてくださいッッッ!!!」

「ッッッ!!!」


 覚醒姿が解け、血まみどろの制服姿となった雪に平手打ちされる。


「ユ――」

「死を怖れないッ? 他人を思いるアナタが何を言ってるんですかっ!? そもそもアナタは何故『人』になりたいッ!?」

「え、あ、ぅ」


 上半身だけのティーガンの胸倉を掴み、叱る。


「命を尊ぶからではないんですかッ!? 儚く弱い命を精一杯生きるその生き方に憧れていたからこそじゃないんですかっ!?」


 それは不老であり、ほぼ死ぬことのないティーガン――いや、始祖たちだからこそ抱いた憧憬。


 老いたい。限られた短い命を燃やし尽くしたい。


 足りない時間に嘆き苦しむ人間にとってはた迷惑なその憧れは、されどやはり真理の一つだ。決して否定してはならぬ憧れだ。


 天から地。地から天の差はあれど、炎を操れぬ身で炎を操りたいと、飛べぬ身で空を飛びたいと、老いる身で老いたくないと。


 人間はできぬ身でできぬ事を望んだのだ。


 故に、老いぬ身で老いたいと願うことと何処に違いがあるのだろうか。


「なら、命を粗末にしないでくださいッ!! 死ぬのが怖ろしくないなんて言わないでくださいッ!」

「ゆ、ユキ」


 千年以上にもわたる心労もあったのだろう。数週間も吸血衝動を必死に抑えてきたのもあるだろう。直樹という心強すぎる存在がいたのもあるのだろう。クロノアが助けられたのもあるのだろう。


 ティーガンの心は弱り、自身の我儘憧れを否定したのだ。


 雪はその黒の瞳に涙を溜めて、ティーガンに縋りつく。


「死なないでください。私を永遠に連れていくんじゃないんですか? 一生守るんじゃないんですかっ?」

「違うんじゃ、雪。ちが――」

「だいたい、ティーガンさんもですが、直樹さんも直樹さんですっ!」

「カハッ」


 雪は、今が好機と言わんばかりに滅殺しようとしてきた吸血鬼ヴァンパイア一体を殴り飛ばしながら、直樹をキッと睨む。


「え、俺?」

「ぶべらっ!」


 突然矛先が自分に向き、直樹は慌てる。と、同時にもう一体の吸血鬼ヴァンパイアを蹴り飛ばす。


 リシカは動かない。いや、先ほどのティーガンの怖ろしさに動こうと思っても足が動かないのだ。


 真祖であり力があるからこそ、先ほどのティーガンの怖ろしさをより鮮明に理解できてしまったのだ。


「自分を軽んじすぎなんですッ! ティーガンさんも直樹さんも、その強さは確かなのに、軽んじすぎなんですっ! 口先ではうそぶいても、最後には自己犠牲が入ってるんですっ! 背負いすぎなんですよっ!」

「てぃ、ティーガンは兎も角、俺はそんなことないぞっ! だってミラとノアを残し――」

「嘘ですっ! 私の≪想伝≫ちからを見縊らないで下さいっ!」

「うっ」


 直樹は言葉に詰まる。


 確かに限りなく小さかったが、それでも確かにそんな考えを持っていたのは確かだ。過酷な異世界で生き延びて大切な人たちができたからこそ、頭の片隅にそんな考えがあったのだ。


 それは否定できない。


 だが、言われっぱなしなのもしゃくに障る。


「だったら、お前のだってそうじゃねぇかっ! 人の事言えんのかっ?」

「言えますっ! だいたい、私は自分が傷つけばいいなんて想っていませんっ!」


 子供じみた直樹の反論を雪が一蹴する。


「なんなら、今すぐここで私の想い全てをぶつけてもいいんですよっ!」

「ああ、どん――」


 勢いに任せて頷こうとした瞬間、直樹は、やべっ! と自制の心を取り戻す。嫌な予感というか、絶対に戻れないところまで引きずり込まれそうだったからだ。


「あ、いや、それは間に合ってるっす。ああ、うん、大丈夫だ。お前はそんな考えなんてもってないもんな。ああ」

「チッ」


 そんな二人のやり取りにティーガンは力なく微笑んだ。同時に纏っていた悲しい血の外骨格がハラリハラリと消え去り、消滅していた下半身が再生していく。


「すまぬ」

「こういう時はありがとうですよ」

「では、ありがとうじゃ」


 ティーガンが雪の手を借りて立ち上がり、微笑む。雪も微笑む。


(あれ、この場に俺必要か? なんか、二人の世界が……)


 雪とティーガンの背後に満開の百合を見た直樹は、業が深い。


 まぁ兎も角、それは置いておいて。


「では、残り三体を封印するかのっ!」

「はいっ!」

「ッ、貴様らァッ!」

れ者がァァッッ」


 雪とティーガンが飛び出す。二人とも力をほぼ使い切ったため、先ほどのような速度も膂力もないが、されど言い知れぬ怖ろしさがある。


 二体の吸血鬼ヴァンパイアが自らに生じた恐怖を誤魔化すように、叫ぶ。


「俺を忘れては困るのだが」

「ッ!」

「なっ!」


 ここまで大して戦ってこなかった直樹は、見せ場が必要だっ! と考え、虚脱感と熱烈な睡魔の誘いを断る。


 隠形で背後を取った直樹は、幻斬と血斬をクルクルリと廻し、吸血鬼ヴァンパイア二体の首を刎ね、四肢を切断し、そして残り滓ほどしかない魔力を消費して燃やす。


 燃える。再生する。


 完全に再生した直後。


「どうぞ怨んで下さい」

「クッ」

「ガッ」


 雪がどうにか作り出した二枚の花弁をそれぞれに突き刺し、〝怨伝〟を発動。意識を一瞬だけ奪い去り、


「ヂューデラッタヘ、ユーグリスデアラヂュアラ。……永久とわに眠るのじゃ」


 封印された。


 残り一体――リシカ。


「終わりです」

「終わりじゃ」

「あ゛ぁ、あ゛ぁ、ア゛ア゛ア゛ァァァッッッ!!」


 雪とティーガンが一歩一歩歩みを進める。


 そしてリシカは、デジールとの繋がりを全く感じられなくなったリシカは、絶望する。恐怖した。


 だから。


「ほら、そんなに叫ぶと嫌われるぞ?」

「直樹さん、シャラップです」

「……うっす」


 リシカは直樹に羽交い絞めにされ、ダッと踏み込んだ雪に顔を殴られる。恐怖を増幅することに偏りを置いた〝怨伝〟を注ぎ、意識を忘失させる。


「次会うときは、『人』として」


 クルリと開いた日傘を差し、少女のように清らかに微笑んだティーガンは片腕を血に変成する。


 伸ばし、直樹に羽交い絞めされていたリシカを包み込む。直樹は離脱する。


 そして。


「リシカリスバルクスフェルンドアリステシカ。……永久とわに眠るのじゃ」


 封印された。


「デジール゛ザマ゛ァァァァァァァッッッッッッーーーーーーー!!!!!」


 かのように思えた。





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公開可能情報

幻想具アイテム・闇路の導灯:シンプルな構造で、漆黒の火屋と決して消えない青白い灯火をもったカンテラ。火屋の四辺の屋根の一つに、円形の窪みがある。

          異世界転移を可能にするために作り出された幻想具アイテムの一つ。大輔の“天心眼[界越真眼]”を元に作り出されており、その能力は“天心眼[界越真眼]”と同じく、望んだものを探し使用者に教える。

          ただし、“天心眼[界越真眼]”の様に時間指定ができないため、それを補完するために劣化版黒のオムニス・プラエセンスがある。円形の窪みに嵌める。

          昔、直樹と大輔の師匠が亡くなった際、霧に包まれた川の中、小舟にのった師匠が青白い灯火のカンテラをしるべとして幽世へと行く姿を二人は見た。その時の印象や想い等々がとても強かったため、大輔の“想像付与”が反応しやすく、その造形にした。

<禁鬼解放>:吸血鬼ヴァンパイアという生命自体を消費して膨大なエネルギーを生み出すティーガンしか使えない血法。使えば使うほど吸血鬼ヴァンパイアとしての力を失い、最終的に存在が世界から消える。ただただ肉体や魂が消滅するのではなく、存在したという事実すらも消滅してしまう。


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