ロックらしいノリと勢いと、登場人物の掘り下げが丁寧に成されている良作です。
音楽性の違いによってバンドを抜けた主人公、涼夏が前のバンドを超えるため仲間集めをするところから物語ははじまります。
彼女はとにかく破天荒で、母を、友を、仲間を振り回し続けるんです。が「自身の音楽」のために動くその様は、振り回されても許してしまうような熱意も感じさせてくれました。
そんな主人公の熱さに「冷めていた」者たちが感化されます。
トラウマを持つ者や諦めている者、寄り添うことも大事ですがときに強引さも必要。そのきっかけを涼夏が与えてくれ、段々と結束力が高まっていく過程は見ていて清々しかったです。
私はドラム奏者の千春の話が一番好きでした。こういう縁の下の力持ちのような存在が好きなんです。
さて、現在最終章を迎えています。全てのバンドメンバーを丁寧に掘り下げましたが、最後に残るは「涼夏」です。
彼女がどうしていくのか、どう変わるのか、更新を楽しみにします。