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第2話

 充電で、エネルギーが頭に回って来たのかふと思い出した問題がある。

 俺の部屋には大量のカップ麺、そして冷蔵庫には少量の食料。そして俺は食事を摂れない。

 早急にそれらを誰かにあげるか、処分しなければいけない。しかし、前者の場合俺はこの姿を晒さなくてはならない。誰なら見せられるだろうか。数少ない友人は誰も俺の容姿を気にするタイプではないが、何処か抵抗感がある。しかしそれでは事が進まないので、思い切って友人の一人に連絡を取ることにした。

『カップ麺買いすぎてヤバいから引き取ってくんね?』

 しばらく待つと、相手から返信が来た。

『いいよ、何時に家行けば良い?今日は残業しないように頑張るよ』

『何時でも。今日は一日家に居るから』

 『了解!』という犬のスタンプが送られてきたところで、一度会話を打ち切った。そうだった。こいつは社畜なのだった。よく働けるな、と思いつつも直立不動の235に声をかける。

「やることがないなら、休んでていいんだぞ」

 すると、間髪入れずに答えが返ってきた。

「マスターの動向を観察することが仕事です。なのでいつでも傍に居ます」

「そうかよ」

 まるでストーカーだな、という思いは胸に秘めておくことにした。口に出したところで235が傷つくとも思えないが、何か許せなかった。

 やることもないので、二度寝でもしようかと思い目を閉じる。しかし思い浮かぶのはこうなった経緯に対する疑問符ばかりで一向に眠れない。そもそもアンドロイドは眠れるのだろうか。

「235、俺たちは眠れるのか?」

「いいえ。スリープボタンはありますが、外部の人間に押してもらわなければ作動しません」

 どうやら、一人で眠ることは出来ない様だった。仕方がないので眠ることを諦め、スマホゲームを始めた。実家からの仕送りの大半をこのゲームに溶かすくらいにはガチ勢というもので、一日数時間はプレイしているだろう。今日は来客があるが、彼が来るのは夜遅い時間になってからなので問題ない。俺は存分にゲームを楽しむことにした。

 ゲームの中には、様々な美少女が登場する。その中でも俺が気に入っているのは、『マリー』という青髪の少女だ。瞳の色は左右で異なり、左目が黄緑色、右目が茶色である。その瞳の中に描かれている渦巻き模様も愛らしい。理想的な美少女だ。声も可愛いし。

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