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第十九話 ああ、王様達は関与していないタイプね

 さてさて? 地下牢に入れられた私。

 か弱いのに……どうしてこんな目に合わなくちゃいけないの。

 ま、か弱い私に暗殺出来ない、暗殺者さんが居るけども?

 3人くらいは居るわね、物掛けに隠れたり、天井から狙っていたり。


「あら?」


 ふむ、足音が聞こえるわね、どうやら私を殺せたかの確認かしら?

 どんな反応をするか楽しみ楽しみ。


「王よ、街中で異世界転移、転移を叫んでいる不届きな輩が居まして、先程捕らえました」

「ふむ、どの様な経緯でその様な事を言ったのか」


 あらあら? 賢明そうな王様ね、対して大臣は……

 ああ……典型的なやつだわ、絶対コイツ悪い奴だろ。

 だって顔が悪いし態度がデカそうだし。

 まあ、相手の……いや、王様はこう……半信半疑?

 なんていうか、話を聞きたいって感じ?


 対して大臣は……あらあら? 何で死んでいないと思っている。

 いう事は大臣は黒幕の一人ね、他にも居るのかしら?

 ま、成り行きに身をまかせましょう。


「あらあら、身分の高い方かと思います、私はセイント・メッスルン」

「私はカミッニの王、ハナース・カミカミ・カミッニだ、気軽にハナースでいい」

「あら? ハナース様はラフな方ですのね……あら? そちらの方は気分が優れないのかしら?」

「……い、いや! だ、大丈夫だ」


 くっくっくっ……大臣にだけ殺意をむき出しにしてやった。

 悪巧みする様な奴だ、頭は回るようだ。

 状況を察したようさね? 自分が今下手をすれば殺されると。

 さてさて? わるわるな大臣様はどうでるかね?


「さて……メッスルンさん、街中で異世界転生や転移を叫んだと聞いたのですが」

「ああ、信じてもらえるかわかりませんが、私を殺しに来た異世界転生者が居まして、とっちめたらこの国から召喚されたと……私を殺すために」

「んん? 穏やかではありませんな? 何か証拠が?」

「えぇ、私が連れて来た……ああ襲撃してきた男、山田二郎様に聞けばわかるかと」

「……大臣、その男の事は聞いて無いぞ?」

「た、ただいま取り調べ中でございまして」

「ふむ……メッスルンさん、事実確認が出来るまで貴女を自由にするわけにはいかない、異世界召喚は各国で禁止されているんだ」


 ほう? やはり国の王様だ、私の話にも耳を傾けた。

 そして可能性として私がこの世界の人間ではない、とも考えたさね?

 こんな人が世界での約束、異世界召喚の禁止を破るとは思えない。

 いや? 神様が居るような国だ、例外として神様は召喚出来るのか?

 どちらにしろ面白くなってきたさね!


「はい、もちろん知っています……申し訳ございません、私も輩に襲われて撃退をして気が動転していて……問題の男はカミッニの国で語っていて、どういう事だと思い、安易な行動をしてしまいました」

「そうか……すまないが事が事なのだ、しばらくは牢屋で大人しててもらう」

「ええわかっています、本当だったら国際問題ですもの」

「せめて不自由無い様に配慮をしよう」

「ありがとうございます」


 おお、しばらくは牢屋生活か。

 まあ分身を置いてきたから、カオスにもバレないだろ。

 いや、バレるかな? ま、いいか、牢屋ってあまり経験無いし。


「サンタニール!」

「ハッ!」


 あら? 女性の騎士さんね? 高度な転移魔法、側近の護衛さんね?

 凛々しい顔立ち、あらあら? これは私の実力を測られたわね。

 ふふ、一瞬だけ顔をゆがませたわね。


「この者を監視していろ、身の回りの世話も頼んだぞ」

「ハッ! お任せ下さいませ!」


 サンタニールさんが一例すると、王様達は去っていた。

 多分山田二郎様を問い詰めに言ったのかしら?

 ま、私はゆっくりとしましょうか。


「……貴女、名前は?」

「セイント・メッスルン、貴女は?」

「私はサンタニール・ゴッドナイト」

「サンタニールさんでいいかしら?」

「ああ、私はセイントでいいか?」

「ええ、好きになさって」

「……お前、何者だ?」


 あらあら? そんな殺意をむき出しにしないで?

 仲良くしましょ? 仲良しの秘訣はお話。

 ガールズトークってやささね。


「わかった、私は噓は言わないわ、貴女の実力なら噓か本当かはわかるでしょう」


 で、それから私は噓偽り無く語ったわ。

 この世界に召喚された経緯から今までね。

 流石国王の側近だけあるわね、変なチャチャを入れない。

 スムーズに話せるわ、やっぱり強者はこうじゃないと。


「なるほど……ではこの間の謎の神は貴女の知り合いが起こしたと」

「ええ、私を恨むならどうぞ? あなた達から見れば、カオスの所業を見逃した事になるからね」

「……正直言って私も命は惜しい、目をつぶった方がいいだろう」

「あら、私はお話が出来る人とはちゃんと話すわよ? 話が通じない人にはイラつくだけで」

「それは貴女の要求を飲まないとダメなのでは?」

「あら? それじゃあお話をしましょう? 仲良しの秘訣はお話だから」

「……まあそうだが」


 さてはて、サンタニールさんと楽しい楽しいお話よ。

 ふふ、ちゃんと女性とお話するのは久しぶりね。

 あ、牢屋のご飯て何がでるのかしら?

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