さてさて? 地下牢に入れられた私。
か弱いのに……どうしてこんな目に合わなくちゃいけないの。
ま、か弱い私に暗殺出来ない、暗殺者さんが居るけども?
3人くらいは居るわね、物掛けに隠れたり、天井から狙っていたり。
「あら?」
ふむ、足音が聞こえるわね、どうやら私を殺せたかの確認かしら?
どんな反応をするか楽しみ楽しみ。
「王よ、街中で異世界転移、転移を叫んでいる不届きな輩が居まして、先程捕らえました」
「ふむ、どの様な経緯でその様な事を言ったのか」
あらあら? 賢明そうな王様ね、対して大臣は……
ああ……典型的なやつだわ、絶対コイツ悪い奴だろ。
だって顔が悪いし態度がデカそうだし。
まあ、相手の……いや、王様はこう……半信半疑?
なんていうか、話を聞きたいって感じ?
対して大臣は……あらあら? 何で死んでいないと思っている。
いう事は大臣は黒幕の一人ね、他にも居るのかしら?
ま、成り行きに身をまかせましょう。
「あらあら、身分の高い方かと思います、私はセイント・メッスルン」
「私はカミッニの王、ハナース・カミカミ・カミッニだ、気軽にハナースでいい」
「あら? ハナース様はラフな方ですのね……あら? そちらの方は気分が優れないのかしら?」
「……い、いや! だ、大丈夫だ」
くっくっくっ……大臣にだけ殺意をむき出しにしてやった。
悪巧みする様な奴だ、頭は回るようだ。
状況を察したようさね? 自分が今下手をすれば殺されると。
さてさて? わるわるな大臣様はどうでるかね?
「さて……メッスルンさん、街中で異世界転生や転移を叫んだと聞いたのですが」
「ああ、信じてもらえるかわかりませんが、私を殺しに来た異世界転生者が居まして、とっちめたらこの国から召喚されたと……私を殺すために」
「んん? 穏やかではありませんな? 何か証拠が?」
「えぇ、私が連れて来た……ああ襲撃してきた男、山田二郎様に聞けばわかるかと」
「……大臣、その男の事は聞いて無いぞ?」
「た、ただいま取り調べ中でございまして」
「ふむ……メッスルンさん、事実確認が出来るまで貴女を自由にするわけにはいかない、異世界召喚は各国で禁止されているんだ」
ほう? やはり国の王様だ、私の話にも耳を傾けた。
そして可能性として私がこの世界の人間ではない、とも考えたさね?
こんな人が世界での約束、異世界召喚の禁止を破るとは思えない。
いや? 神様が居るような国だ、例外として神様は召喚出来るのか?
どちらにしろ面白くなってきたさね!
「はい、もちろん知っています……申し訳ございません、私も輩に襲われて撃退をして気が動転していて……問題の男はカミッニの国で語っていて、どういう事だと思い、安易な行動をしてしまいました」
「そうか……すまないが事が事なのだ、しばらくは牢屋で大人しててもらう」
「ええわかっています、本当だったら国際問題ですもの」
「せめて不自由無い様に配慮をしよう」
「ありがとうございます」
おお、しばらくは牢屋生活か。
まあ分身を置いてきたから、カオスにもバレないだろ。
いや、バレるかな? ま、いいか、牢屋ってあまり経験無いし。
「サンタニール!」
「ハッ!」
あら? 女性の騎士さんね? 高度な転移魔法、側近の護衛さんね?
凛々しい顔立ち、あらあら? これは私の実力を測られたわね。
ふふ、一瞬だけ顔をゆがませたわね。
「この者を監視していろ、身の回りの世話も頼んだぞ」
「ハッ! お任せ下さいませ!」
サンタニールさんが一例すると、王様達は去っていた。
多分山田二郎様を問い詰めに言ったのかしら?
ま、私はゆっくりとしましょうか。
「……貴女、名前は?」
「セイント・メッスルン、貴女は?」
「私はサンタニール・ゴッドナイト」
「サンタニールさんでいいかしら?」
「ああ、私はセイントでいいか?」
「ええ、好きになさって」
「……お前、何者だ?」
あらあら? そんな殺意をむき出しにしないで?
仲良くしましょ? 仲良しの秘訣はお話。
ガールズトークってやささね。
「わかった、私は噓は言わないわ、貴女の実力なら噓か本当かはわかるでしょう」
で、それから私は噓偽り無く語ったわ。
この世界に召喚された経緯から今までね。
流石国王の側近だけあるわね、変なチャチャを入れない。
スムーズに話せるわ、やっぱり強者はこうじゃないと。
「なるほど……ではこの間の謎の神は貴女の知り合いが起こしたと」
「ええ、私を恨むならどうぞ? あなた達から見れば、カオスの所業を見逃した事になるからね」
「……正直言って私も命は惜しい、目をつぶった方がいいだろう」
「あら、私はお話が出来る人とはちゃんと話すわよ? 話が通じない人にはイラつくだけで」
「それは貴女の要求を飲まないとダメなのでは?」
「あら? それじゃあお話をしましょう? 仲良しの秘訣はお話だから」
「……まあそうだが」
さてはて、サンタニールさんと楽しい楽しいお話よ。
ふふ、ちゃんと女性とお話するのは久しぶりね。
あ、牢屋のご飯て何がでるのかしら?