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第十八話 あらあら投獄された

 とりあえず私は、山田二郎様の首根っこを掴み、カミッニの王都までやってきた。

 ふむふむ、まあよくある神々しい雰囲気さね。

 さ、とりあえず山田二郎様の上司にお話を付けましょうか。

 くっくっくっ……私もスイッチが入った。

 あ、何でカミッニの王都を知っているとかは無しね。

 本当に強い奴は、言葉では


 こうなったら、とことんイキリ散らしに行きましょう。


「さて、このままお城に謁見しにいきましょうか」

「……」


 そうそう、山田二郎様は今もお口にチャックよ?

 何でって? そりゃうるさいから。

 そうそう、今回の異世界巡りは行き当たりばったり。

 最初私はそんな方針だったさね。


 後ろでカオスの行動を見ていたけど、やっぱりつまらなかった。

 ふーむ、私も頭が可笑しいんだろうな。

 ま、どうでもいいか、今回のこの山田二郎様の事。


 まとめると、まず私に恨みを持っている。

 コイツは別世界に居た異世界転移者だ。

 何で恨んでいるかは……

 多分、私が結果的に山田二郎様を邪魔したからでしょ?

 ハーレムとか? ま、別にいいか。

 今重要なのは私の機嫌をそこねた事。

 そして、今の私は……げっへっへ!


 たまらねぇ! 異世界誘拐犯……いや?

 異世界いちゃもん犯とでもいおうか?

 とりあえず……私に行動させる理由をくれた王様にはお礼を言わないとな。


 ま、難しい事は無い、私はイキリ散らしたいだけだ。


「あら?」


 一人で考え事しながら、山田二郎様の首根っこ掴んで歩いていたら……

 何か警備員の方々に囲まれていますわ!

 あらやだ! 怖いですわ、私が何をしたしたというのです!

 何時の間にか王都に入っていて、 


「聞いているのか!? その男性を離しなさい!」

「あらあらごめんなさい、この男が私を殺しに来たの、で、お話を聞いたら? こちらの国が異世界転移させたと」

「何を馬鹿な! 異世界転移、異世界転生は国家条約で禁止されている!」

「あらあら? じゃあこの男は噓をついていたのね? でも確かにそうね、話が通じなかった――」

「この騒ぎは何だ!」


 あらあら? お城の方から何か人が来たわね?

 ふむふむ、どうやら山田二郎様を回収しに来たのかしら?

 それとも処分に? ま、城に行けるからそれでいいか。


「この女性が男性を引き連れていたので」

「む?」


 あらあら? そんなに熱い視線を投げないでよ。

 城の関係者なら、この山田二郎様の事は少なからずわかっているはず。

 異世界転移者じゃなくとも、客人としては話が通っているかも?

 さ、どう出る? お城から来た人?

 ま、考えている事はわかっているわよ?

 私を城で拘束するつもりね? 上等。


「城で事実を聞く」

「ハッ!」


 あらあらまあまあ、今度は城の兵士達に囲まれたてしまったわ?

 大変よ大変、このまま私は無実の罪で投獄されるのね?

 ま、面白いじゃない? 私には実力があるから言えるけど。


「おとなしくしろ、お前を拘束する」

「おとなしくしてるじゃない」

「ならその男性を離せ」

「はいはい」


 手を離したすると山田二郎様は、情けなく四つ足で走る様に隊長さんの影に隠れた。

 そんな怖い事していないのに、まったく……最強なんでしょ?

 このくらいで取り乱さないでよ、山田二郎様?

 ってこの人は隊長さんでいいのかしら?


 なんて考えていると、私は城の牢屋に入れられた。

 あれよあれよと入れられてしまったわ。 

 ああ! 私はこれからどうなってしまうのかしら!?

 はぁ……この国の人間も話を聞かないのか?

 ま、私は不審者だから仕方ないか。

 さてはて、どうなることやら。


「え……誰も来ないじゃん」


 数十分したけど、来ないじゃん。

 こういう時ってさ、直ぐにお偉いさんが来てさ。

 偉そうな事を言ってさ、不利な事を言ってくるじゃん?

 はぁ……いやまあ……何があったかの話し合い?

 ふむ、まあ異世界転移をした事がバレる可能性を考えているのか。


 そもそも国が召喚したとしても、例えば○○派みたいな?

 そんな派閥があるかもしれないね。


「んで、暗殺者さん? ちゃんと私を殺せる様に頑張ってね?」


 実はさっきから物掛けっていうか、魔法で姿を消しているんだけどさ。

 うん、本人達は頑張っているんだよ? 流石国の暗殺者。

 いやいや、神様信仰する国が暗殺者て。

 今はそれはいいか、じゃ、おばちゃんがアドバイスをしてあげようかね。


「でももしあんた達が私を殺す行動をしたら、この国を滅ぼす、つまりこの国の命運はアンタ達にかかっている」


 ま、こんな事を言っても本当とは思わないだろう。

 あれ? 私もけっこうヤバい事を言ってるね。

 ま、いっか、暗殺者の方々は殺し合いの世界に居る。

 私の言っている事が本当とは理解出来ているだろう。


「お、私の実力がわかったかな? アドバイスとしては、さっさと足を洗いなさい? どんな忠義や脅しがあるかは知らないけど?」


 さ、これからどうなるか、牢屋の中で待たせてもらおうか。

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