だが、そのクソみたいな性格はぶち殺したい。
ふむ……何となく思い出してきたぞ?
「何となくだが、お前の事を思い出したよ」
そう、コイツはよくある異世界転移者だ。
異世界誘拐犯共に召喚された。
もちろんクラスメイトと共に異世界へ。
最初はオドオドしてしてたんだよ。
ああ、クラスメイトにいじめられていた系さね?
で、後はテンプレートさね、言うまでもない。
「そうそう、お前はいじめられっ子だったね?」
「そんな奴らはもう居ない! 俺の方が強かったからだ!」
「まあそれはもういいか、で、覚悟はいいか? あ、名前なんだっけ? 転移者君でいい?」
「山田二郎様だ! お――」
ちちんぷいぷい、ほほいのほい。
さ、山田二郎様の右腕は吹き飛ばしました。
風で斬った、これ以上の説明はいらないでしょ。
「どうした? 説明が必要か? 山田二郎様?」
「て、てめ――」
「ごめんなさい、許してください」
今度は右足をないないにしてやった。
ま、消滅ってやつさね。
どうしたんだろう? 優秀なのに反応しない?
あらあら? 手加減した方がいいかしら?
「あら? どうしたした? 反撃したらどうです?」
「き、貴様! 何をした!?」
「何を? 説明が必要なの? 山田二郎様?」
まったく、山田二郎様も困ったものね?
私に恨みをはらすんじゃなかったのかしら?
本当に大丈夫? あらあらまあまあ?
ま、今の山田二郎様には何がおきているのか?
それはとても簡単、私が言動以外を操っている。
で、お人形遊び……いや、お人形遊びは子供に失礼ね。
ゴミをリサイクルするように加工している最中よ。
ま、血を流しても痛がっていたないも、私の力。
本当優秀なお方ね?
ふむ、これはどういう事か直接乗り込みましょうか。
カミッニの王都に……ね。
いや待てよ? やはりカオスが大暴れしたから……
ま、今はいいか……
ダメだ、怒りで考えが少々めちゃくちゃだ。
落ち着こう、やる事は?
この山田二郎様を召喚した奴らの所に行く。
理由は?
私に危害を加えたから、また他国の一般市民に何かしようとしたから。
よし、イキリ散らしに行こう。
「聞いているのか! 俺に何をした! 黙ってるな!」
「ん? これからなにをするか? お前を召喚した国に殴り込みに行こうとね」
「な! 何を馬鹿な事を!」
「はっはっは! 情けない情けない! もうお前黙ってろ」
「!?」
よしよし、やっと静かになった。
あらあら? 近くに居た暗部の人達が居ないわ?
カミッニの首都に帰ったのかしら?
んじゃ、まずは山田二郎様を治療して。
ちちんぷいぷいほほいのほい。
よしよし、五体満足の元通り。
……あ、怪我させといた方が良かったか?
こう、助けました感を出してさ。
ま、カミッニの首都にちょいとお出かけするか。