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第十七話 私もカオスをどうこう言えないね

 だが、そのクソみたいな性格はぶち殺したい。

 ふむ……何となく思い出してきたぞ?


「何となくだが、お前の事を思い出したよ」


 そう、コイツはよくある異世界転移者だ。

 異世界誘拐犯共に召喚された。

 もちろんクラスメイトと共に異世界へ。

 最初はオドオドしてしてたんだよ。

 ああ、クラスメイトにいじめられていた系さね?

 で、後はテンプレートさね、言うまでもない。


「そうそう、お前はいじめられっ子だったね?」

「そんな奴らはもう居ない! 俺の方が強かったからだ!」

「まあそれはもういいか、で、覚悟はいいか? あ、名前なんだっけ? 転移者君でいい?」

「山田二郎様だ! お――」


 ちちんぷいぷい、ほほいのほい。

 さ、山田二郎様の右腕は吹き飛ばしました。

 風で斬った、これ以上の説明はいらないでしょ。


「どうした? 説明が必要か? 山田二郎様?」

「て、てめ――」

「ごめんなさい、許してください」


 今度は右足をないないにしてやった。

 ま、消滅ってやつさね。

 どうしたんだろう? 優秀なのに反応しない?

 あらあら? 手加減した方がいいかしら? 


「あら? どうしたした? 反撃したらどうです?」

「き、貴様! 何をした!?」

「何を? 説明が必要なの? 山田二郎様?」


 まったく、山田二郎様も困ったものね?

 私に恨みをはらすんじゃなかったのかしら?

 本当に大丈夫? あらあらまあまあ?

 ま、今の山田二郎様には何がおきているのか? 


 それはとても簡単、私が言動以外を操っている。

 で、お人形遊び……いや、お人形遊びは子供に失礼ね。

 ゴミをリサイクルするように加工している最中よ。

 ま、血を流しても痛がっていたないも、私の力。


 本当優秀なお方ね? 

 ふむ、これはどういう事か直接乗り込みましょうか。

 カミッニの王都に……ね。

 いや待てよ? やはりカオスが大暴れしたから……

 ま、今はいいか……

 ダメだ、怒りで考えが少々めちゃくちゃだ。


 落ち着こう、やる事は?

 この山田二郎様を召喚した奴らの所に行く。

 理由は?

 私に危害を加えたから、また他国の一般市民に何かしようとしたから。


 よし、イキリ散らしに行こう。


「聞いているのか! 俺に何をした! 黙ってるな!」

「ん? これからなにをするか? お前を召喚した国に殴り込みに行こうとね」

「な! 何を馬鹿な事を!」

「はっはっは! 情けない情けない! もうお前黙ってろ」

「!?」


 よしよし、やっと静かになった。

 あらあら? 近くに居た暗部の人達が居ないわ?

 カミッニの首都に帰ったのかしら?

 んじゃ、まずは山田二郎様を治療して。

 ちちんぷいぷいほほいのほい。

 よしよし、五体満足の元通り。


 ……あ、怪我させといた方が良かったか?

 こう、助けました感を出してさ。

 ま、カミッニの首都にちょいとお出かけするか。

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