私は洞窟へと戻った、カオス達は作業中だ。
ふむふむ、まあ復旧作業とかよくわからない。
とりあえず? 順調でなにより。
「カオス、お客様よ?」
「ああん? お客様? 知らねー知らねー俺は復旧作業で忙しいんだ」
「あのなぁ、ちょっとこっちこい」
「んだよ、面倒くさいなぁ」
とりあえず私達は村の人達から離れた。
聞こえていたらまずいからね。
さてはて、このカオスをどうしか説得しないと。
いや面倒くさい。
「あのな? ここの人達に迷惑がかかるだろ?」
「ん? そんな厄介な輩なのか?」
「とりあえず私の首をはねるくらいには」
「え? ほう? 力だけはあるようだな」
「さうさね、で、どうするの?」
「はいはい、行くよ……はいはい、異世界転移を発見、んじゃ行って来るわ」
まったく……カオスにも……ん? 村の方から良くない気配が。
ほう……あのクソどもは村にちょっかいかけると。
ふむ、ここには分身を置いておこう。
よし、とりあえず、今すぐ村へ向かおう。
ほほいのほいと移動してきた私。
ほうほうほうほうほうほうほう!
村から少し離れた所に、あの暗部の人達が居るな?
いや待て……誰の差し金だ? 先ほど会った暗部とは違う。
雰囲気って言うのかな、それが違う。
ま、危害加えるってんなら相手になる。
……私は基本的には異世界誘拐犯に中指を立てるんだが。
今回は見過ごせないね、私の心のケアを邪魔したんだ。
その時背中に激痛が走った、ふむ、どうやら刺されたようだ。
「はっはっは! 空中に居れば大丈夫と思ったか! 魔女め!」
誰かはわからないけど、声をあげるから暗部の方々が気付いたじゃないか。
「魔女? さてはて何かご用意かしら? それにしては挨拶が乱暴さね?」
「やっと見つけたぞ! 俺の世界を滅茶苦茶にしやがって!」
「ん? 私を知ってるの? 覚えてないんだけど」
「相変わらず余裕だな! 魔女! 俺は貴様に復讐する為にこの世界に来た!」
「ふむふむ、本当に思い出せないけど、うざい」
私は背後に居るであろう男を、振り返りながら右手でしばいた。
ったく、刺さっている剣も引き抜いて、投げ返してやった。
あらあら、流石に受け止めるか。
「で、アンタは誰なのさ」
「俺を忘れただと!?」
「んん? 異世界転生か転移した人間だろ? んで、どうせチートでチヤホヤされて、イキリ散らしてたんでしょ?」
「俺は神の慈悲でその力を得た!」
「ふむふむ、それで?」
「俺が偉いんだ!」
「はぁ……そんなネットのまとめに居そうなセリフ吐くなよ、元の世界でネットに引きこもっていろよ」
「この世界の神が俺に復讐のチャンスをくれた! お前がカミッニで好き勝手した結果! 俺が召喚された!」
「えぇ……カミッニの神様も何でこんなアホみたいな奴を……はぁ」
なんか馬鹿らしい、別にいいか私には関係無い。
で、こいつは何がしたいんだ?
まあ私に怨みを持っていたから、この世界に呼ばれたと?
てか、カミッニの神様に呼ばれた?
いやいや、好き勝手したのカオスじゃん。
何で私が火の粉降りかかるんだよ!
「あのさ、カミッニの出来事は私は無関係なんだが?」
「そんなのは知らん! 俺はお前に復讐出来ればいいんだ!」
「はぁ、で、どうするのさ」
「はっはっは! お前がその村を潜伏先にしているのはわかっている!」
「ふむ、違うけどな」
「噓をつくな!」
「は、話が通じない」
や、やべぇ……こいつやべぇよ!
てか私はこんなやべぇ奴忘れるか?
いや、復讐でおかしくなったのか?
めんどくせええぇぇぇぇええぇぇぇえええぇ!
ま、いいか。
「わかった、お前達は私を殺したって事でいいか?」
「そうだ! 私はお前に復讐したいだけ! この世界なぞどうでもいい!」
「おいおい暗部の方々よ? こいつやべぇ事言ってるけどさ、大丈夫なのか? お国柄的に」
あらあら、暗部の方々は何時ものだんまりさね、んじゃ、本気で私もイキリ散らすか。
今回は異世界誘拐犯じゃないが、ここで止めとかないと村に迷惑がかかる。
「じゃあ殺し合いを始めようか? ネットに居そうなイキリ散らしさん?」
じっくりとなぶり殺し……いや、こいつを材料にカミッニに殴り込みをかけるもの面白い。