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第十三話 物資をお届け

 私とカオスは道具屋に向かって、カオスが山奥の村に届ける日用品とかを受け取った。

 カオスがリアカーを持ってきたのは予想外だった。

 いや、まあ……山奥の村だからしょうがないのか。


「……ねぇ、これ多くない?」

「はっはっは、リアカーとはねぇ」

「……そりゃ誰もしないわ」

「普段誰がしてるのよ」

「ああ、しびれを切らした山奥の村の人達が来るらしい」

「ふーむ……まあいいか、で、その目的地は?」

「普通に行くと3日かかるとさ」

「え? 荷物を持ってだと?」

「普通なら一週間だな、リアカーだし、賊や魔物もいるしな」

「あーそりゃそうか」


 まあ普通ならそうか……む? 報酬を聞いてなかったな。


「カオス、手間賃は?」

「ああ……分かりやすく言えば……宿屋1日分だな」

「……割に合わない」

「そりゃそうだろう、だから誰も受けなかった」

「ま、そんなの言ってられるのも、余裕がある時」

「そうそう、戦争が本格的になったら、収入ある仕事を取り合って殺し合いになる」

「そこまで行く?」

「本当にヤバくなったらな、一般人が狂人になるくらい」

「そんな世界はいやだねぇ」

「ま、他の世界の事言ったって仕方ない、さっさと行こうぜ」

「転移でもするの?」

「バレないようにな」

「それもそうね」


 転移魔法は禁忌だったり、未開発だったり面倒くさいからね。

 見られない事にこした事は無い、ちなみに今までもコッソリとしていた。

 もしくは高速移動の魔法とかね、で、私達は街の外へ出た。

 あ、なんで場所を知っているかなんてヤボさね。


「ってそう言えば山奥の村の名前は?」

「『オクムラーン』っていうらしい」

「ふーん、まあ届けに行きましょうか」

「ああ」


 んで、私達は移転魔法で私達はオクムラーンの手前まで来た。

 なるほど、リアカーで登れる様にはなっているけど……

 これは時間が時間がかかるね、なんつーか、とりあえず舗装はしているって感じ?

 まあとりあえず村に行ってみようか。


 ふむ、村はよくある田舎だね、木造で畑があって。

 おや? 男性の老人がこちらに気付いたね?


「旅のお方、オクムラーンに何か用ですかな?」

「ああ、依頼で日用品その他もろもろ届けに来た」

「おお! 本当にありがとうございます! 受け取りの書類を制作します! ああ! これから山を下ると夜になります、危ないですから泊まっていってください!」

「セイント、ご厚意を受け取ろうか」

「ふむ、まあさうそね」


 ふむ、ここはいい村だ、俗世から離れているのもあるが……悪しき人間が居ない。

 村の人達がわらわらと集まってきたが、村長さんが警戒してないからか、皆好意的だ。

 こういう人達は助けるに限る、何か問題をかかえているようだ。


「こんな村なので、空き家しかありませんが……」

「いえ、お世話になるんで気にしないでください」

「村長、あの空き家はホコリだらけだぞ? 物資を持って来た客人をんな所に」

「あぁ……そうだった」

「いえ掃除は自分達でやりますよ、宿を貸してくれるんです、それくらいきしますよ」

「いえいえ、そういう訳には……」

「まあまあそういわず」


 カオスも相手がいい人なら、いい人になるんだよな。

 まあそりゃ私もそうさね、人として当たり前だ。

 さて、今日は大掃除になりそうだ、ま、掃除は好きな方さね。

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