私とカオスは道具屋に向かって、カオスが山奥の村に届ける日用品とかを受け取った。
カオスがリアカーを持ってきたのは予想外だった。
いや、まあ……山奥の村だからしょうがないのか。
「……ねぇ、これ多くない?」
「はっはっは、リアカーとはねぇ」
「……そりゃ誰もしないわ」
「普段誰がしてるのよ」
「ああ、しびれを切らした山奥の村の人達が来るらしい」
「ふーむ……まあいいか、で、その目的地は?」
「普通に行くと3日かかるとさ」
「え? 荷物を持ってだと?」
「普通なら一週間だな、リアカーだし、賊や魔物もいるしな」
「あーそりゃそうか」
まあ普通ならそうか……む? 報酬を聞いてなかったな。
「カオス、手間賃は?」
「ああ……分かりやすく言えば……宿屋1日分だな」
「……割に合わない」
「そりゃそうだろう、だから誰も受けなかった」
「ま、そんなの言ってられるのも、余裕がある時」
「そうそう、戦争が本格的になったら、収入ある仕事を取り合って殺し合いになる」
「そこまで行く?」
「本当にヤバくなったらな、一般人が狂人になるくらい」
「そんな世界はいやだねぇ」
「ま、他の世界の事言ったって仕方ない、さっさと行こうぜ」
「転移でもするの?」
「バレないようにな」
「それもそうね」
転移魔法は禁忌だったり、未開発だったり面倒くさいからね。
見られない事にこした事は無い、ちなみに今までもコッソリとしていた。
もしくは高速移動の魔法とかね、で、私達は街の外へ出た。
あ、なんで場所を知っているかなんてヤボさね。
「ってそう言えば山奥の村の名前は?」
「『オクムラーン』っていうらしい」
「ふーん、まあ届けに行きましょうか」
「ああ」
んで、私達は移転魔法で私達はオクムラーンの手前まで来た。
なるほど、リアカーで登れる様にはなっているけど……
これは時間が時間がかかるね、なんつーか、とりあえず舗装はしているって感じ?
まあとりあえず村に行ってみようか。
ふむ、村はよくある田舎だね、木造で畑があって。
おや? 男性の老人がこちらに気付いたね?
「旅のお方、オクムラーンに何か用ですかな?」
「ああ、依頼で日用品その他もろもろ届けに来た」
「おお! 本当にありがとうございます! 受け取りの書類を制作します! ああ! これから山を下ると夜になります、危ないですから泊まっていってください!」
「セイント、ご厚意を受け取ろうか」
「ふむ、まあさうそね」
ふむ、ここはいい村だ、俗世から離れているのもあるが……悪しき人間が居ない。
村の人達がわらわらと集まってきたが、村長さんが警戒してないからか、皆好意的だ。
こういう人達は助けるに限る、何か問題をかかえているようだ。
「こんな村なので、空き家しかありませんが……」
「いえ、お世話になるんで気にしないでください」
「村長、あの空き家はホコリだらけだぞ? 物資を持って来た客人をんな所に」
「あぁ……そうだった」
「いえ掃除は自分達でやりますよ、宿を貸してくれるんです、それくらいきしますよ」
「いえいえ、そういう訳には……」
「まあまあそういわず」
カオスも相手がいい人なら、いい人になるんだよな。
まあそりゃ私もそうさね、人として当たり前だ。
さて、今日は大掃除になりそうだ、ま、掃除は好きな方さね。