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第十二話 とりあえずギルドで仕事を探すのね?

 何か襲撃者が来たけど撃退……した。

 まあほとんど相手にならなかったけど。


「で、カオス? これからどうするさね?」

「ん? そりゃもちろんギルドで仕事探しだろ」

「閉鎖云々があるから、うまい仕事は狙われるね」

「まあ辛い仕事でも俺達なら楽だろ? 例えば山奥への薬草配達とかな?」

「確かに私達なら荒稼ぎ出来るわね?」


 移動なんて私達にとっては楽勝だ。


「で、それを気に食わない奴らが現れる、そいつらを食い物にする」

「……本当にアンタ、悪魔だよねぇ」

「ん? ああ言ってなかったか?」

「何を?」

「俺はイキリ散らしをイキリ散らす神、まあ悪魔だが……『イキイキイッキリン』様に仕えている」

「ふむ」


 はっはーん、これは名前を笑ってはいけないタイプね?

 神に人間の常識なぞ通じない、まあ神や悪魔の名前を笑う奴は居ないだろう。

 経験上名前笑って無事だった奴は居ない、そりゃそうだ。

 誰だって名前いじられたら嫌だろう。


 権力者の名前は、影口でもしない方がいい。

 相手は人知を超えているんだからね。


「ありゃ? お前は笑わんか」

「当たり前でしょ? 変な名前とは思わないわよ、それよりも悪魔に仕えていたのね」

「ああ、イキイキイッキリン様も元は大天使らしいのだが」

「それどこのルシファーよ、てかその悪魔様ってどんな効果があるの?」

「効果? ああ、加護か?」

「そうそう」

「イキリ散らのに特効が出来る」

「ふーむ」

「お、我が神の力は必要か?」

「いらないよ、悪魔や神は頼らん、完全って訳にゃーいかないかもしれんがね」


 神や悪魔ってさ、対価要求するさね。

 まあこれは人間社会でもそうか。

 さてはて、そんな事よりもギルドで仕事探しさね。


 んで早速ついたんだが……ふむ、やはり依頼の取り合いか。

 ふっふっふ、本当に有能な奴は仕事を選ばないのだよ。

 まあ時と場合によるか。


「んじゃテキトーに見繕ってくる」

「はいはい、待ってるよ」


 さてさて、どんな依頼を持ってくるんだか。

 って本当に依頼を取り合っている奴らはうるさいねぇ。

 仕事無くなるよ? まあ私達は構わないけどさ。


「おいっす、ただいまー」

「いや、早いね」

「そりゃそうだ、山奥の薬とか日曜日を届ける仕事だ」

「それにしたって早いでしょ」

「これみたいな実入りが少ないのは残ってたぞ?」

「ふむ」

「ま、さっさと済ませようぜ」

「え? 今から?」

「当たり前だ、山奥の村だぜ? まだ余裕はあるらしいが、何かあってからじゃ遅いだろ、まあ治安もいいらしいが」

「それじゃ……って、お届けの荷物は?」

「ああ、道具屋だ」

「それじゃ行きましょう」


 私達はギルドを去った、なんかまだ依頼の取り合いをしているけど。

 選り好み出来るのは平穏な時だけよ、ただの封鎖でこの騒ぎ。

 本格的に何かあったらこの街は大混乱かしら?

 ま、それも私には関係無いさね。

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