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第十一話 対応が早いわね? でもどうするの?

 とりあえず私達は、食事を済ませて酒場を出た。

 ふむ……どうせカオスは気付いているだろう。

 酒場で私達……いや、カオスにお客様だ。


「どうするカオス、多分お前にお客様だぞ?」

「ふむ、人通りの少ない所に行くか」

「えぇ? 襲ってくださいと言ってるものだろう?」

「えぇ……暴れるのかよ」

「さあ? それは相手の出方次第だ」

「巻き込まれるのかよ」

「まあそういうな、美味しい物おごってやるから」

「そんなので釣れる歳じゃないんだけど」

「そう言わないでくれよ」

「はいはい、わかったわかった」


 で、とりあえず裏通りに来たけど……まさか襲撃なんて――


「……」

「……」

「……」

「……」


 えぇぇえええぇぇぇえええぇぇぇえ!?

 噓でしょ!? 白昼堂々!? 異世界かよ!

 ああ……異世界だったか。

 んで……自分達の実力に自信を持っているタイプか。

 そして殺されそうになると自決するやつ?

 だっていかにもローブで身を隠して、暗部ですって感じだ。


「お、そうかそうか、カミッニの神様も対応が早い」


 あら? カオスが何か自分だけで納得している。

 待って待って、私にちゃんと説明して。


「カオス、ちゃんと説明しなさいよ」

「いやなに簡単だよ、こいつらはカミッニの神様の使いだろうさ、いや、国の使いと行った方がいいか」

「ふむ、アンタの悪事がバレたという事ね? 優秀じゃない」

「は? 優秀? あんな神をのさばらせておいて?」


 あらあら、カオスが怒っちゃた?

 本気に近いオーラってか殺意を出しているわね?


「セイント、本当にこいつらが優秀だと思うか?」

「優秀なんじゃないの?」

「はっ! 本当に優秀なら……事件が起きる前に対象しろよ」

「いやいや、それは言い過ぎじゃないかね?」

「簡単に言えばよ、例えば……山賊を放置してさ、その山賊が取り返しのつかない実力が付いて、慌てて対応しているに過ぎない、だったら最初から山賊を殺すなり釘を刺せば良かった」

「あーなるほど?」


 つまりカオスの言いたい事は、問題になるような奴を放置していたのが問題と。

 あーまあそうかな? 例えに乗るなら……国全体からみれば山賊なんて雑魚。

 だが格下の相手が自分と同じ位の戦力になったら……か。

 うーむ、言い分はわかるがカオス、今回はお前が悪い。

 って、何で国の使いの人達は何もしないんさね?

 攻撃でも何でもすればいいのに?


「簡単だセイント、俺が脅威だからだ」

「そういう時って自爆特攻じゃないの?」

「俺の本気を見て自分達では敵わないと気付いた、いや……国で全力で戦っても勝てないと察したのだろうさ」

「なら逃げれば?」

「俺は逃がすつもりはない、ついでに、自爆しようが俺が再生や蘇生で生き返らせてやる」

「カオス、アンタは何がしたいのさ?」

「んん? 俺に勝てると思った浅はかな連中に圧迫面接」

「はぁ……本当にいい性格してるよ」

「で、どうするアンタら? 俺に攻撃すればカミッニって国と戦争、自滅しようが蘇生してやる」


 ……相手が可哀想になってきた。

 む? よく見たら震えている?

 カオスの力に怯えたとか?


「おそらくだが、こいつらは口に含んでいた毒薬でも飲んだんだろ? でも死なない、俺が蘇生しているからな」

「その薬って治せるもんなの?」

「この世界の技術では無理だな」

「って、オチはどうするのさ?」

「さあな、さっさと逃げればいいのに」

「アンタさっき逃がさないとか言ってなかったっけ?」

「ああ、面白くないからもういいよ、ホレ、アンタらも国に帰りなさい、んじゃーな」

「……本当に何がしたいんだか」


 とりあえず私達はその場を離れた。

 まあいいか、とりあえず……これからどうするんだ?


「カオス、これからの予定は?」

「冒険者ギルドに行くか」

「あら? お仕事探し?」

「ああ、宿代を稼がないとな」


 ったく、誰のせいなんだか。

 まあしばらくは暇する事も無いでしょう。

 まさにカオス、なんだかんだ言ったけど……楽しみましょう。

 って思わないとやってられんわ。

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