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第九話 通行料?ほいほい払いますとも

 さてはて、ブキッサとカミッニの関所に来たね。

 ふむ、まあ特に何もない関所だな。

 受付をサッサとして通行しよう。


「冒険者2人だ」

「ブキッサにはどの様なご用意で?」

「もちろんいい武器防具を見る為さ、リーズナブルな価格でも、その価格帯なら間違いなくいい物と聞いた」

「ええ、冒険者の方々にも好評ですよ、身分証明書をお願い致します」

「おい、セイント、ギルドカードだせ」

「ほいほい」


 ギルドカードを出して、通行料金払ったら……

 あっさりと通れた、え? こういう時って何かあるんじゃないの?

 とりあえず関所を通ってか


「カオス、私はビックリしている」

「何を?」

「こういう時ってひと悶着あるもんじゃない?」

「あのな、創作物の見すぎだ」

「そう?」

「リアルな事を言うとだ、例えば凶悪犯が包丁買ったとして、売った店が悪いか?」

「あー何となく言いたい事はわかる、でもつまらないじゃない」

「えぇ……俺は厄介事は嫌だぞ?」

「え? アンタあれだけの事をやっといて!?」

「こらこら、誰が聞いてるかわからないんだから」

「あらごめんなさい」

「ま、とりあえず次の町か村かは知らんが、進むぞー」


 あらあらまあまあ? あ、これはアレだ!

 自分が起こした後始末や厄介事は好きだけど。

 他人が起こしたのは嫌うタイプか?

 まあ……普通はそうか?


 で、しばらく歩いていたんだけど。


「げっへっへっへ! ここを通るには通行料が必要だぜ?」

「大人しく金目の物を置いて行きな!」


 なんだなんだ? 典型的な盗賊は?

 めんどくさいなぁ、カオスに任せるか。


「めんどくさいなーほら」


 ふむ、カオスは金か宝石かなんか入った小袋を投げた。

 盗賊は中身を確認する、あらまあニヤリとしちゃって。


「はっはっは、おめぇは通してやろう、だがそっちは――」

「ちちんぷいぷい」


 あらあら? 私に何か言いかけた盗賊がダイヤモンドになったわね?

 ……この世界にダイヤモンドってあるのかしら?

 あっても名前が違うとかね。


「お! おい! どうなったんだ!」

「あら? 通行料が欲しかったんでしょ? 良かったわね? その宝石を売れば遊んで暮らせるかもね?」

「ふっ! ふざけるな!」

「冷静になりなさい? 貴方もそうなりたい? 悪党なんだから」

「くっ! くううぅぅぅ!」


 お、雑魚じゃないね?

 雑魚ならこらえるなんてしないし。

 ま、どうでもいいか。


「カオス、さっさと行きましょう」

「ああ、このまま進むと街があるようだ」

「どんな街なんだい?」

「名前は……忘れた」

「ま、行けばわかるでしょ?」


 さてはて、過剰な通行料を手に入れた盗賊さんはどうなるかしら?

 まあいいか、武器の国というけれど……私を楽しませてくれるかしら。 

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