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第八話 うわ!?村の人達が襲ってきたぞ!?どういう事だ!byカオス

 私達は洞窟の入り口まで戻って来た。

 ふむ、出入口はふさがれているね。


「おらぁ!」


 あーあ、蹴破ったよ。

 これ人集まってくるんじゃないか?


「カオス、何で蹴ったんだよ」

「ん? そりゃ出入口が無いからさ」

「ほら……人がわらわらやってきたじゃないか」


 あーあーあーあ。

 何か凄い顔の人達が来たね?


「き! 貴様ら! 何故生きている!」

「へ? いや、生きているからでしょ」

「村長さんの言いたい事は、そういう事じゃないさね」

「はっはっは、あの程度の神に俺が殺されるとでも? 安心しろ村長さん『中にいる奴』をちゃんと依頼……あ、殺してないや」

「どういう事だ!」

「もういい! 『ウラギラール』様の供物になれ!」


 少年がナイフで突撃してきたね。

 あらあら? ナイフの使い方がしっかりとしている。

 何人も殺してきてるねアレは。


「お、いいぞ少年! 急所だ!」

「はっ!? な、何で生きているんだよ!」

「ん? いやいや、頭使って考えろ……っても子供にゃ無理か」


 あらあらカオス? 胸にナイフ刺さって言うセリフじゃないわね。


「あのな? お前が拝んでいる神より強いだよ俺は」

「う! 噓だ!」

「うんうん、現実は受け入れられないよな? で、聞くけどさ」


 あらあら、カオスが本気で殺す顔を子供にしたよ。

 まあこの世界の……ってか大陸か、倫理感とか法律とかは関係ない。

 そんな物で今の状況は覆せない。

 簡単さね、力でどうこうするしかない。

 暴力で解決しようとしたのは……そっちだ。


「お前、自分が殺される可能性は考えたか?」

「ひっ!」

「はっはっは、大丈夫大丈夫、殺しはしないよ、ほら返す」

「あ……あ……」


 カオスは、自分の胸に刺さったナイフを子供に返した。

 ふむ、子供はもう恐怖で震えているね。

 あらあら、村の人達も固まっちゃった。


「おいおい、落ち着いてくれよ? ふむ……村長さん、細かい事を言うと俺はあの神を殺しちゃいない」

「は? こ、殺してはいない?」

「そうそう、俺はあのイキリ散らしの神様にさ、力を分け与えたんだよ」

「ち、力? 何を言っているんだ?」

「んん? いや、お前達の目的は、あの神を強くする事だろう? んで、自分達の生活を良くしたてんだよな? 金、酒、男、女、都合のいい召使い、いろいろ欲望があるようだな?」

「……」


 あらあら、村の人達がそっぽを向いた。

 まあ普通の人間てか、クズの願いなんてそんなものか。


「だから俺がお前さん達の手伝いをしようとね、嬉しいだろう?」

「なっ!? 手伝い!?」

「そうそう手伝い、数時間後にお前達の神は復活する、パワーアップしてな? 何が起こるか想像出来るか? この国の神と戦える……くらい?」


 お、村長の顔が変わったね?

 ふむ、クズはクズでも人をまとめている立場。

 理解した顔をしている、村の人達は首を傾げているが。

 さてはて、どうする?


「……ま、待て! そんな事をしたら! 国を相手にする事になる!」

「お、流石村長、わかる?」

「そ、村長、どういう事ですか?」

「何で国と戦う事に?」


 ふむ、村の人達が困惑しているね?

 さて、村長さんはこの状況をちゃんと説明出来るかな? 


「ま、まず……こいつらの言っている事が本当だと……いや、おそらくは本当だろう、そして……ウラギラール様は間違いなく調子に乗る!」

「え? ウラギラール様が?」

「そんな感じの神ではないよな?」

「お前達の前ではそうだろう、信者だからな……何時だったか、強力な魔術師を捧げた時だ、ウラギラール様は調子に乗る発言をした」

「いやいや村長、力が増えたら喜ぶんじゃないか?」

「その時は良かったが、今回はその力が問題なんだ! いきなりこの国を治めている神に喧嘩を吹っかけてみろ! 私達は終わりだ!」


 ふーむ、いまいち伝わってないね。

 まあ村長さんの説明も間違ってないんだけど。

 シンプルに言えばいいのに。


「村長さん、もっと短くハッキリと言ってやれよ? 『力に溺れたウラギラール様は、間違いなく国の神に喧嘩売る! その争いに私達も巻き込まれる!』ってさ?」


 おお、カオスがハッキリと言ったね、うんうん分かり易い。

 やっぱり短い言葉で伝えるって大事さね。

 お、村の人達に伝わったらしいね。

 カオスの言った事を言い換えれば、神と一緒に戦って革命を起こそう!

 だからね、そりゃ嫌だろう? 楽して儲けたいと考えていた奴らは。


「そ、村長! 俺は戦争に巻き込まれるのはごめんだ!」

「そうだ! 死ぬならお前だけにしろ!」

「だはははははははは! ぐはははははははは!」


 あらあらあら? カオスが大爆笑しているね?


「いやいやいや、あんたらあの神の加護……いや、呪い……いや、祝福と言っておこうか? それがある限り、裏切れないよ? ま、大人しく国と喧嘩してくれ」


 あーあーあーあーあ、カオスの一声で、取っ組み合いの喧嘩が始まったよ?

 ま、楽しめたからいいか、ふむ、カオスも満足しているようだ。


「カオス、次は何処に行くのさ」

「ふーむ、武力国家の『ブキッサ』を目指すか」

「んじゃ行きましょう」

「ああ、直ぐに国境を越えよう、もちろん合法的にな?」

「え? 通行書とかは?」

「関所で発行してるとさ」

「何時の間にそんな情報を?」

「船の中で聞いた」


 私達は阿鼻叫喚のダマッス村を出た。

 裏切りなんてしないで、仲良くクーデターを成功させてくれ?

 お前達の願いを叶えられるさね?

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