さてはて、カオスのイキリ散らしが始まるか。
今の状況は石像の神様が、頭だけの状態で転がっているね。
「さ、神様、お前がどれだけヤバい状況か、説明してやるよ」
「……」
あらあら? 神様は何か言いたげだけど。
世間知らずの神様は、睨む今年から出来ないわね。
この場合の世間知らずとは、私達の強さを感知できない事さね。
さてさて? カオスは何を話すのかしら?
「あのな神様? おそらくだが、ここは色々な神様が居る国なんだろ?」
「カオス、何を考えている?」
「ああ簡単だ、この神様を王都に居る神位に強くする」
「んん? 強くしてどうする」
「この国の神より強くなってもらおうとな?」
「あらあら、どうして?」
「多分だが、国が崇めている神様が絶対に1位だろ?」
「そりゃ信仰心は1位だろうさね」
「そこで……崇めている神より、強い神が現れたらどうなるかな?」
「ふ~む」
つまりカオスがやろうとしているのは、ライバルの神を作ろうとしている?
どう事が進むかわからないけど、タダじゃすまないだろ。
国が混乱するんじゃないか?
「ねえ、国が壊れるんじゃない?」
「ああ安心しろ、ここを治めてる神様はちゃんとした神様だ」
「ふむ、私にはわからないけど……とりあえず何がしたいさね?」
「ああ、力だけの厄介な神様を仕立て上げる」
「んん?」
もうちょっと分かり易い例えが欲しいさね。
「どういう事さね? やって何が意味がある?」
「例えて言うなら大優良企業に、大型クソ新人重役が赴任してきたら、だな」
「ああ……そりゃ大変だ」
「そうそう、この国の神様達には申し訳ないけどさ、このあんよは上手の神様に、教えてもらいたくてね? 実力とか常識とかね」
「いや無理だろ、私達の実力の差もわからない奴さね?」
「まあまあ、目の前の神様にチャンスをやろうと思ってね」
「んん? チャンス?」
「回りくどい言い方になったか、一声で言おう」
「最初からそうしてくれ」
まったく、最初からそうしてくれ。
時々回りくどい……ああ、イキリ散らしの本質か。
ふむ、私も気を付けなければならない。
いや、出来る気がしないな。
「この神は強くなりたいんだよな?」
「まあ多分そうさね?」
「だったら俺が強くしてやろうって訳さ! 後の事は知らん」
「まあ話はわかったけど、アンタ神を強く出来たんだね、今更だけど」
「ふっ、俺はイキリ散らしをイキリ散らかす、そんな神の使者だぜ?」
「……つまりマッチポンプ?」
「ああ、その一声で良かったか」
「まあ、もう好きにしてくれ」
何かさっきから、中身の無い会話をしているな。
いや、これは喋れない神からしたら恐怖なのか?
例えば、この状況で『りんご』ってワードを使ったとしよう。
会話内容がりんごは美味い。
だだそれだけなのに、こう隠語に聞こえたりするのかも?
実際はどうかはわからない。
たださっきイキリ散らしていた神からは、何も感じない。
まあ意識はあるようだが。
そんなのいいか、これからどうするんだ?
「で、これからどうするさね?」
「これから数時間後に、この神を元通りする」
「ふむ」
「パワーアップしたコイツは、イキリ散らかしてくれるだろう」
「ふむ?」
「俺達はその間に、さっさと他国に逃げる」
「いやいや、この国を混乱にさせるのかい」
「さあ? 俺は依頼……あ、依頼は倒せだったか、まあいいか! 俺に見つかったのが運の尽きだ」
「……まあ、しばらくお前に付き合うと言ったからな、好きにしなさい」
んでまあその後は、神様に何か力を分け与えていたよ。
数時間後には元気を取り戻すとか、何か行動があっちこっちに行ってる気がする。
まあいいさね、とりあえず村に戻ろうか。