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第六話 はいはい神様、あんよは上手ね?

 とりあえず洞窟の奥まで来たけど。

 何か石像みたいのがあるね。

 あれが神かしら?


「おーい! 神様よ、お喋りしようぜ」

「いやいやカオス、あれは頑張って擬態しているんだから」

「えぇ!? あ、そうかそうか! 石像に擬態しているのか!」

「ほら、さっき襲ってきたのも鎧だったでしょ? 中身のない」

「確かにそうだな」


 あらあら? 巨大な石像が動き出したわね?

 ふむ、まあよくある……石像?

 外見の説明なんてどうでもいいか。


「貴様らは、私にそんな態度をとっていいのか?」

「お、いいね! やっぱり神様はイキリ散らしてないと」

「そうなのか? まあ神様って基本的に威張っているイメージ」

「何をごちゃごちゃと、我の供物となるといい」

「ああ、力が欲しいのか? ほれ」


 む? カオスが右手から、ビームみたいなものを発射した。

 ふむ、それが神様に当たったが……


「ほう、自ら私に力を捧げるとは、素晴らしい力だ」

「カオス、コイツ世間知らずだわ」

「だな、まあセイント、あんよは上手だ」

「ふっ」

「貴様……先程から我を愚弄する――」

「ほれ神様、もっと力を欲しいだろ?」


 カオスは先程のビームをまた神様に当てた。

 ふむ、この神様はアホさね、まあ成り行きを見守りますか。


「ふははははは! 貴様は馬鹿か! 死にたいのか貴様は! いや、命乞いに我に力を与えているのか?」

「んん? いや、神様さんよ、考えてくれよ?」

「はっはっは! 何を考える必要がある!?」

「いやいや、ここ、神様が色々と居る国だろ? それはわかるか?」

「何を言っている! 我は神ぞ!」

「……おい、まずは黙って聞けや」


 あーあ、石像の神様は頭だけになっちゃった。

 まあカオスの強さなら当たり前さね。

 いや、イキリ散らしてどうすんのさ?


「なあ、お前馬鹿だろ? 俺はお前より格段に強いんだ、わかるか? なあ?」

「き、ききき! きさ――」

「おい……黙ってろ雑魚」


 む? これは沈黙魔法か?

 ってカオス、あんよは上手じゃなかったのか?

 直ぐにブチギレたさね、怖い怖い。

 まあ気持ちはわかるか。

 本当の赤ちゃんとか、可愛げがある奴とか。

 そういう人達ならまあ。


「よーしよしよし! やっと人の話を聞く状態になったな!」

「カオス、何がしたいのさ、あんよは上手じゃなかったの?」

「いやー……イキリ散らしてるバカを見ると、つい」

「まあアンタの好きにするといいさね」


 でもこれからどうするさね?

 ああ、イキリ散らすのか。


「さて、神様! これからゆっくりとイキリ散らさせてもらうぜ! アンタは何もわかってなさそうだしな!」

「どういう事さね?」

「あれ? お前も気付いてない?」

「ああ、私は神様とかには、あまり縁が無いから」

「そっかそっか、まあ聞いてくれよ」


 ふむ、カオスの授業がこれから始まるのか。

 ……どんな内容になるんだろうな?

 ま、ちょっと長くなりそうなさね。

 ゆっくりとチャチャ入れながら聞くか。

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