とりあえず洞窟の奥まで来たけど。
何か石像みたいのがあるね。
あれが神かしら?
「おーい! 神様よ、お喋りしようぜ」
「いやいやカオス、あれは頑張って擬態しているんだから」
「えぇ!? あ、そうかそうか! 石像に擬態しているのか!」
「ほら、さっき襲ってきたのも鎧だったでしょ? 中身のない」
「確かにそうだな」
あらあら? 巨大な石像が動き出したわね?
ふむ、まあよくある……石像?
外見の説明なんてどうでもいいか。
「貴様らは、私にそんな態度をとっていいのか?」
「お、いいね! やっぱり神様はイキリ散らしてないと」
「そうなのか? まあ神様って基本的に威張っているイメージ」
「何をごちゃごちゃと、我の供物となるといい」
「ああ、力が欲しいのか? ほれ」
む? カオスが右手から、ビームみたいなものを発射した。
ふむ、それが神様に当たったが……
「ほう、自ら私に力を捧げるとは、素晴らしい力だ」
「カオス、コイツ世間知らずだわ」
「だな、まあセイント、あんよは上手だ」
「ふっ」
「貴様……先程から我を愚弄する――」
「ほれ神様、もっと力を欲しいだろ?」
カオスは先程のビームをまた神様に当てた。
ふむ、この神様はアホさね、まあ成り行きを見守りますか。
「ふははははは! 貴様は馬鹿か! 死にたいのか貴様は! いや、命乞いに我に力を与えているのか?」
「んん? いや、神様さんよ、考えてくれよ?」
「はっはっは! 何を考える必要がある!?」
「いやいや、ここ、神様が色々と居る国だろ? それはわかるか?」
「何を言っている! 我は神ぞ!」
「……おい、まずは黙って聞けや」
あーあ、石像の神様は頭だけになっちゃった。
まあカオスの強さなら当たり前さね。
いや、イキリ散らしてどうすんのさ?
「なあ、お前馬鹿だろ? 俺はお前より格段に強いんだ、わかるか? なあ?」
「き、ききき! きさ――」
「おい……黙ってろ雑魚」
む? これは沈黙魔法か?
ってカオス、あんよは上手じゃなかったのか?
直ぐにブチギレたさね、怖い怖い。
まあ気持ちはわかるか。
本当の赤ちゃんとか、可愛げがある奴とか。
そういう人達ならまあ。
「よーしよしよし! やっと人の話を聞く状態になったな!」
「カオス、何がしたいのさ、あんよは上手じゃなかったの?」
「いやー……イキリ散らしてるバカを見ると、つい」
「まあアンタの好きにするといいさね」
でもこれからどうするさね?
ああ、イキリ散らすのか。
「さて、神様! これからゆっくりとイキリ散らさせてもらうぜ! アンタは何もわかってなさそうだしな!」
「どういう事さね?」
「あれ? お前も気付いてない?」
「ああ、私は神様とかには、あまり縁が無いから」
「そっかそっか、まあ聞いてくれよ」
ふむ、カオスの授業がこれから始まるのか。
……どんな内容になるんだろうな?
ま、ちょっと長くなりそうなさね。
ゆっくりとチャチャ入れながら聞くか。