私達はダマッスまでやってきた。
まあよくある村だな、説明する必要はないだろう。
ふむ、この村はどういった手段で、私達を歓迎してくれるんだ?
「すみませんがあなた方は?」
おうおうおうおう、村長らしい方が出迎えてくれたぜ?
てめぇ見てわかった、この村は生贄をささげている系だな?
上手いこと誘導して、神か悪魔かは知らないが、それの生贄にするんだ。
「失礼、俺達はギルドの依頼を見てここに来たんだ、魔物に困っているとか」
「は! はい! 私はこの村の村長をしています、実は近くの洞窟に魔物の住み家が見つかりまして」
うわぁ、うさんくさい演技だな。
それにお前半笑いさね? 騙すならしっかりとしてくれ。
「それはいけない、村長、早速案内してくれ、報酬は依頼書通りでいい」
「ありがとうございます! 早速案内します!」
うわぁ……カオスがキラキライケメンムーブしてる。
気持ち悪いなぁ、コイツのこういう所凄いよな。
まあ……私も人の事いえないか。
てか村人も悪い顔してるしな。
おいおい、子供までなんて顔をしているんだ。
はっはっは、そんなに悪い顔をするなよ?
イキリ散らしたくなるだろ?
ま、とりあえずその洞窟ってのに行こうさね?
「この洞窟でございます」
「ここか、魔物の規模は?」
「小型が少々……正直把握していません、申し訳ございません」
「いえ大丈夫、確認しますが……『中にいる奴』を倒せばいいんですよね?」
「ええ、そうでございます」
「わかった」
あーあ、魔物とは言ってないよ、ま、この中に居るのは裏切りの神かな?
ふっ、この程度の神に遅れをとらんよ? 考えてみてくれよ。
国全体を牛耳る神じゃなくて、村でふんぞり返っている神さね?
さ、どうせ閉じ込められるんだ、さっさと進もう。
「セイント行くぞ」
「ええ」
あらあらあら? カオスはいい顔をしているね。
私もか? この世界の神がどの程度か見る機会だ。
あらあらあら? 洞窟に入ると入口は消えてしまったわ!
「ぬはははははは! 馬鹿な冒険者め! 罠――」
「セイント、奥に進んでみるぞ?」
「もちろん、てか村長の高笑いに付き合ってあげないの?」
「そんなのより奥に居る奴だよ、イキリ散らしセンサーが警報をならしている」
「あらあら? 警報? 危険って事かしら?」
「ああ、イキリ散らし警報だ」
ふふ、さて、どんなイキリ散らしが見れるかしら?
ま、どうせたいした神ではないでしょ。
「我ら――」
「セイント、さっきから襲ってくる、この鎧だけの奴らはなんだ?」
うむ、説明する必要はない、神の下僕か何かが、先程からちょっかいをかけてくる。
気にするだけ無駄だ、相手にするだけ無駄だ。
私達に勝てると思ってるのが、もう弱い。
「さあ? 神の使者って奴じゃない?」
「えぇ? 使者ってのは強いんだぜ? この俺の様に」
「まあ確かに、こんな小さい洞窟でイキリ散らしている神だ、何か事情があるのだろう」
「はっはーん、なるほどな、お前のおかげで、ちと考えが変わった」
「んん? どういう事?」
「神様も上下関係はしっかりとしているからな、ここの神は小さい所から、頑張ろうとしているのかもしれない」
「あーなるほどな」
確かに、私も一番最初は試行錯誤してたな。
うむ、初心忘れるべからず、これはここの神に謝らなければ。
うんうん、誰でも最初はあるからな。
あんよは上手ってやつだ。
「よし、ここに居る神がどんなのかみようか?」
「そうさね、これは楽しみさ」
うんうん、今回は寛容に事を進めよう。
まあ、今日はカオスのターンさね。