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第五話 ま、予想通りさね、洞窟に閉じ込められた

 私達はダマッスまでやってきた。

 まあよくある村だな、説明する必要はないだろう。

 ふむ、この村はどういった手段で、私達を歓迎してくれるんだ?


「すみませんがあなた方は?」


 おうおうおうおう、村長らしい方が出迎えてくれたぜ?

 てめぇ見てわかった、この村は生贄をささげている系だな?

 上手いこと誘導して、神か悪魔かは知らないが、それの生贄にするんだ。


「失礼、俺達はギルドの依頼を見てここに来たんだ、魔物に困っているとか」

「は! はい! 私はこの村の村長をしています、実は近くの洞窟に魔物の住み家が見つかりまして」


 うわぁ、うさんくさい演技だな。

 それにお前半笑いさね? 騙すならしっかりとしてくれ。


「それはいけない、村長、早速案内してくれ、報酬は依頼書通りでいい」

「ありがとうございます! 早速案内します!」


 うわぁ……カオスがキラキライケメンムーブしてる。

 気持ち悪いなぁ、コイツのこういう所凄いよな。

 まあ……私も人の事いえないか。


 てか村人も悪い顔してるしな。

 おいおい、子供までなんて顔をしているんだ。

 はっはっは、そんなに悪い顔をするなよ?

 イキリ散らしたくなるだろ?

 ま、とりあえずその洞窟ってのに行こうさね?


「この洞窟でございます」

「ここか、魔物の規模は?」

「小型が少々……正直把握していません、申し訳ございません」

「いえ大丈夫、確認しますが……『中にいる奴』を倒せばいいんですよね?」

「ええ、そうでございます」

「わかった」


 あーあ、魔物とは言ってないよ、ま、この中に居るのは裏切りの神かな?

 ふっ、この程度の神に遅れをとらんよ? 考えてみてくれよ。

 国全体を牛耳る神じゃなくて、村でふんぞり返っている神さね?

 さ、どうせ閉じ込められるんだ、さっさと進もう。


「セイント行くぞ」

「ええ」


 あらあらあら? カオスはいい顔をしているね。

 私もか? この世界の神がどの程度か見る機会だ。

 あらあらあら? 洞窟に入ると入口は消えてしまったわ!


「ぬはははははは! 馬鹿な冒険者め! 罠――」

「セイント、奥に進んでみるぞ?」

「もちろん、てか村長の高笑いに付き合ってあげないの?」

「そんなのより奥に居る奴だよ、イキリ散らしセンサーが警報をならしている」

「あらあら? 警報? 危険って事かしら?」

「ああ、イキリ散らし警報だ」


 ふふ、さて、どんなイキリ散らしが見れるかしら?

 ま、どうせたいした神ではないでしょ。


「我ら――」

「セイント、さっきから襲ってくる、この鎧だけの奴らはなんだ?」


 うむ、説明する必要はない、神の下僕か何かが、先程からちょっかいをかけてくる。

 気にするだけ無駄だ、相手にするだけ無駄だ。

 私達に勝てると思ってるのが、もう弱い。


「さあ? 神の使者って奴じゃない?」

「えぇ? 使者ってのは強いんだぜ? この俺の様に」

「まあ確かに、こんな小さい洞窟でイキリ散らしている神だ、何か事情があるのだろう」

「はっはーん、なるほどな、お前のおかげで、ちと考えが変わった」

「んん? どういう事?」

「神様も上下関係はしっかりとしているからな、ここの神は小さい所から、頑張ろうとしているのかもしれない」

「あーなるほどな」


 確かに、私も一番最初は試行錯誤してたな。

 うむ、初心忘れるべからず、これはここの神に謝らなければ。

 うんうん、誰でも最初はあるからな。

 あんよは上手ってやつだ。


「よし、ここに居る神がどんなのかみようか?」

「そうさね、これは楽しみさ」


 うんうん、今回は寛容に事を進めよう。

 まあ、今日はカオスのターンさね。

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