目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報
第二話 へー理解できる異世界転移者に会えるとは、あ、船の時間だ

 何か知らんけど、異世界あるあるを見る事になった。

 で、今の状況は奴隷を庇う、異世界転生者か転移者の登場って訳だ。


「何だぁ!? てめぇ!」

「まさか奴隷を助けるとでも言うなよ? 合法なんだぜ!?」


 ああ……そいやこの国って奴隷制度あったな。

 まあ、そんな酷い扱いではないはずなんだ。

 この世界の奴隷制度は……いや待てよ。

 制度がしっかりとしていても、悪い事する奴はするか。 

 どちらにしろ、国が認めた『合法』なんだよな。


「その奴隷を買う、それなら文句はあるまい?」

「なんだ客かよ、脅かせやがって」


 ふむふむ、あの若者はありがちな、転移者とか転生者ではないようだ。


『お! すげぇ! 普通の転生者とか転移者なら、まずぶん殴るのに!? なんて物分かりが良いんだ!』

『あのなカオス、聞こえないとは言え、そんなにはしゃぐな』

『馬鹿野郎! 常識ある転生者とか転移者って居ないんだぜ? どいつもこいつも奴隷制度反対! それは素晴らしいがな? 異世界の奴隷制度をちゃんと調べねーんだよ! 前の世界の常識をペラペラと語りだしやがる! 異世界を壊すな! 侵略者が!』

『はいはい、落ち着いて、てかあの若者は転生者なの? 転移者?』

『ああ、俺のイキリ散らしセンサーによると、転移者だな』

『ふむふむ』


 む? あの若者がこちらを見た? ほう? 私達の存在に気付いたか。

 やるじゃないか、私の魔法を見破るとはね?

 ふむ、転生者君は奴隷商人と商談をしているようだな。

 ……それもまとまったようだ。

 ほうほう、転移者君の従者っぽいのが現れたね、話の続きをするようだ。


 ふむ、従者は奴隷商人と少女と共にこの場所を離れたね。

 ふむふむ、私の方を見ている、これはバレてるね?


「……復讐の魔女、まさかここで会えるとは」

「あらあらあら? 私をご存知とは?」


 私は、自分達にかかっていた魔法をといた。

 ふむ、何処の誰かは知らないけど、誰さね?


「当たり前だ、異世界を破壊して回る魔女、名前だけは知っている」

「で、どうする? 私を始末でもするの?」

「まあ待てセイント、彼は理解がある転移者だ、イキリ散らさず、奴隷を国のルールに乗っ取り助けただろう?」

「そうだ復讐の魔女、俺は一度、そこの男にボコボコにやられている」

「んん? 俺とも面識があったのか? まあ俺はイキリ散らす奴らをボコボコにするのが趣味だからな」


 いや、この間神の使命とか言ってただろお前。


「俺はチートを貰って異世界転移をして、奴隷制度に異を唱えて好き勝手した」

「ふむふむ、それで?」

「結果的に、俺は国一つ……いや、大陸一つ滅ぼしてしまった、奴隷で経済が成り立っている場所だったんだ」


 ほーう? 何処の世界かは知らないが、まあそういう世界もあるだろうさね。

 大陸って事は、その世界全体を壊すには至らなかったのか。


「ああ! 思い出した! やけに正義感語っている奴だったか! 奴隷制度はいけないんだ! 奴隷制度は廃止するべきだ!」

「いやそれ、大抵の異世界転生や転移者が言ってないか?」

「彼は凄かったんだよ、従わない者を正義の刃でボコボコにしていたから」

「ああ……俺は彼の言う通り、イキリ散らしていたんだ」

「んで俺が疑問に思った事を、ボコボコにした後言っただけだ」

「何て言ったのさね?」

「その常識は、この世界では正しいのか? 正しかったとして、足並みを急に変えると世界はどうなる? とね、まあそんな事を言った記憶があるよ、もっと長く言ったかな?」

「ふむ」


 なるほどな、現地人からしたら、侵略者が奴隷制度を廃止しろ、従わなければ殺す、そんな所さね。

 んでカオスにボコボコやられたと、ふーむ。

 あれ? 何でこの世界に居るんだ? 今更ながら。


「ん? 何でこの世界にいるさね? その世界はどうしたのさ?」

「今も時々顔を出していますよ、私が今しているのは異世界転移をして奴隷の救済、その世界のルールに則って奴隷を助ける事、また、時間をかけて私の考えを訴えています」

「おお!? 至極まともに異世界転生者になったな!」

「貴方にボコボコにされたおかげですよ」

「そっかー、まあ頑張れよ! あ! セイント! 船が出る時間だ! 新たなイキリ散らしが幕を開けるぜ!」

「はいはい、それじゃ行こうか」


 ふーん、奴隷を救済する異世界転移者か。

 聞く感じボコボコにされてからは、やり方を変えた感じか。

 まあ私の邪魔をする感じではなかったな。

 さてはて、今度は船旅が、どうなる事やら。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?