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第十二話 テンプレート異世界転生や転移者に質問です、ステータス依存症ですか?

 さてはて、敵国との戦争が始まったさね。

 っても今回は防衛戦さ、つまりは守ればいいんだけど。

 敵国兵士には全滅してもらおう、これは戦争、殺し合いなんだよ。

 私の今居る国を最高の悪の国にしてやる。

 そうすれば、他国は正義を振りかざして異世界転生、転移をするだろう。


 ふっ、無論別世界から被害者が出でしまう。

 望む者以外は私が元の世界に返す。

 まあとりあえず今回の防衛戦、味方の人達もちゃんと活躍してくれるでしょう。

 しなかったら、私の魔法で、敵国の庶民を殺す魔法をかけましたから。


 難しい事はありません、楽しくなりそうって事だけ! うひゃひゃひゃひゃ!


「……なあ、お楽しみ考察の所悪いんだが」

「どうしたのさね? カオス」

「……少数精鋭すぎないか?」

「あんたにもいい思いしたいだろ? それに邪魔が入ると冷めるだろ?」

「まあそりゃな?」


 今私とカオスは、別動隊として相手の本陣にコッソリと移動している。

 2人で本陣の敵を殺すだけさね、どうせ異世界転生とか転移した奴が居るんだろう。

 居なかったら大暴れして呼び寄せる、さ、どうなるかね。


「お、本陣からかなり離れた場所にイキリ散らしレーダーに反応あり」

「カオス、いつも思うがなんだそれ」

「お遊びだよ」

「そうかい」


 ああ、説明する必要もないだろうさ。

 私達は敵を殺した、しばらくして男がやって来た。

 その男を見るとカオスは深いため息をする。


「あー典型的な転移者だよ、こいつ」

「ま、私は管轄外だから見学でも――」


 お、転移者君が爆発魔法で攻撃してきたぞ、うんうん、その姿勢はとても大事だ。

 ま、私に効いてればの話だけどさね……あ! やられたフリでもしとくか! よし、倒れよう!

 ほら、創作物でよくあるじゃん、物語を見やすくするために人数少なくするやつ。

 よし、私が内心実況してやろう、まずは死んだフリだ。

 む、カオスと一瞬目が合った、私の考えを見切ったようだ。

 さ、好きに暴れるといいさ。


「やれやれ、何で俺が働かなきゃいけないんだ、今回は簡単な――」

「やれやれ、チート貰ってイキリ散らしている異世界転生や転移は、気持ちわるいな? だって常識的に考えてくれよ、創作物だったらいいけどさ、実際にそんなの居たら気持ち悪くないか? それにお前ってステータス見て判断してそうだよな」


 ふむ、これは異世界転生や転移だけの話ではない。

 創作物だからの美しさってあると思う。

 例えば恋愛ものでさね? クリスマスで街中でキスした主人公達が居たとしよう。

 それが駅前のツリーでキラキラとした、イルミネーションの前だったらどうする?

 そりゃ創作物だったら、主人公達にスポットが当たってるから、甘酸っぱいだろうさ。

 だけど、現実だと周囲の目ってのがあるだろ? それだよそれ。


 カオスも言ってたけど、貰った力でイキリ散らすって、現実では当たり前の様に嫌われるだろって話。


「はっ! お前も異世界――」

「俺は実は神様の使いみたいなもんでね、身の丈知らねぇイキリ散らし異世界転生、転移をわからせるって使命があるんだよ」


 え? それは初耳だ、私と同じで好き勝手してるんじゃ無かったのか?


「当たり前に考えてくれよ? イキリ散らしって、それまでの努力と比例しないか? 他人から与えられたものでイキリ散らしって時点で痛い、あー親が金持ちの小学生とか中学生がイキリ散らしとかな」

「うるせぇよ!」

「ほらそうやって人の話を聞かずに攻撃をする、余裕が無いのか?」

「ど、どうしてだ! ステータ――」

「はぁ……ステータスステータス、異世界転移者さん、ここはゲームの世界じゃないんだわ」


 カオスが呆れた顔をしているな。

 そりゃゲームの世界ならそれが全てだろうさね。

 ああ、ゲーム世界に転移とか転生したとかもあるけど。

 あれって、ゲームじゃなくてちゃんと『現実』なんだよな。

 創作物の転移者とか転生者が、ゲーム世界とか言ってるけど。

 ……ま、今はその話はいいか。


「ああ! お前って学校の通知表とか、テストの点数で全て判断する奴? じゃないとステータスに依存しないよな? お! 今考えたんだが! 『ステータス依存症』って造語がゴロがよくないか!?」

「て! てめぇ!」

「だから、お前の攻撃は効かないんだわ、理解しろよ」

「な! 何でだ! 最強のチートじゃ無かったのか!?」

「はぁ……チートって本来の意味はズルだったり、不正だったか? 創作物だと持ち上げられるけどさ……ああ、こういえばいいか、対戦ゲームでチート使ってる奴って叩かれるだろ? ま、そんな説教はいいか、ほらほら、大好きなステータスオープンで能力確認でもすれば? さっきも言ったけど、目安でしやないぞ?」


 うんうん、カオスがとても生き生きとしている、私の管轄外だが、そのイキリ散らし高揚感はわかるぜ。

 そして相手が子供の様にかんしゃくをおこしそうだ、高校生くらいって大人から見たらまだまだ。

 そしてあの男は創作物から出て来たんですか? ってくらいのテンプレート異世界転移者だ。

 まあステータスオープンに、かなりの反応してたしな。

 てか、怒りながら何か確認している、カオスのステータスだろうか? まあ見てみたい。


「……俺を怒らせやがって」

「で? 怒っていても状況は変わらんが?」

「死ね」


 あら? カオスが倒れてしまったわ。

 ……死んだフリなんて趣味が悪いわね~?

 ふーむ、この世界の異世界転生や転移は質が低いわね。

 ああ……何事もそうだけど、流行ると便乗して低品質な物が溢れる。

 リーズナブルってのは話が別ね。


 異世界転生や転移が多いから、質が悪くなるんじゃないかしら?

 ま、今はそんな事はどうでもいいかしら。

 あらあら、男は凄く勝ち誇って何か喋っているわね。

 面白くない会話はシャットする魔法で快適。

 ……罵倒長くない? 何か5分くらい? 優越感とかカオスに何か色々と言っているんだけど。


「……さて、もうごっこ遊びはいいかな?」


 お、カオスが立ち上がったわね、さてはてお遊びはここまで。

 どんな結末かはお楽しみね? 私が納得する結末じゃなくてもいい。

 傍観、見てる者は感想を言ってもいい。

 その昔、私の事情を知っている友人に言った事がある。

 私が異世界でしている事を言ったら、正義感を振りかざしてね?

 ああ、これってネットで好き勝手言っている奴にも当てはまるかな?


 気に食わないなら、お前が異世界転生や転移をして、問題を解決しろよと。

 色々とごちゃごちゃ言うけど、吐き出すなよ、書き込むなよ。

 だから私は……友達少なくなったんだろうな~

 ああ……今部屋には家政婦として雇った元姫様が居るけど。

 雇い主と雇われた人って関係だし……あれ? な、涙が。 


 ま、まあとりあえず! まあつまりは! カオスの結果にどうこう本人に言うつもりはない。

 心の中なら自由さね、さ、結末を見せてもらいましょうか?

 異世界転生や転移者に、中指を立てるカオス・イバルータさん?

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