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第十話 異世界誘拐犯を別の世界に送りましょう

 私はお城に戻って早々に呼び出しをくらった。

 この城で異世界人の管理を担当している者だ。

 名前はツカイン・ツブスン。

 異世界人を使いつぶしてきた人物さね。


 今まで何をしてきたかと言うと、異世界人を召喚。

 異世界の知識を取り入れているらしい、ご苦労様だ。

 だが他国もコッソリと同じ事をしているらしい。

 表向きには異世界転移、転生は禁止らしいんだが。

 まあ国の情勢なんてそんなもんだろう、私に興味は無い。

 全ては私がイキリ散らす為に、私が気持ちいい事をしよう。


 んでまあ、他国がこの間宣戦布告してきたらしいのよ。

 で、戦える人物ってか、言う事を聞かせられそうな人物を召喚したのさね。

 そして、あの虫も殺せないような女性が選ばれたと。

 確かに回復系の才能を感じたね、ただ殺し合いには向かないだろうさ。

 その殺し合い、私がひっかきまわしてやるよ。


「アンナ! やっと戻ってき――」

「うるせぇよ、ぴいぴい喋るな」


 私はご丁寧に右腕を切り落としてやった。

 痛みは無いぞ? 凄いだろう。

 あ、血も噴出さない安心魔法さ。


「な!?」

「今まで済まなかったね、さあさあ殺し合いを始めようか、安心しろ? もちろん他国とだよ」

「……貴様! 何者だ!?」

「はぁ? 佐藤あんな、お前達が呼んだ異世界人だけど?」

「私に攻撃出来る時点で貴様はアンナではない! 奴をど――」

「ほほいのほい」


 私はツカインの身体をバラバラにしてさしあげた。

 もちろん死んでないぞ? ここでは殺さない。


「さて、実力の違いがわかったかな? 私は『佐藤あんな』って事でいいね? あ、了承しなかったら、この国滅ぼすから、脅しじゃないよ?」

「何が目的だ!」

「異世界召喚する奴らにイキリ散らす事さ、誘拐犯さん、ああ、今お前さんの態度で国が滅ぶからな?」

「そんな事が出来る訳が――」

「うんちゃらかんちゃら」


 私は国の上空に巨大な大岩を召喚した、無論、このツカインだけに見える様に。

 これは幻想ではないさ、本当に大岩を出した、別の世界で交渉決裂して落とした事もあったね。 

 さて、こいつはどうかな? おっと見えないか、頭を持って見せてやろう。

 窓があって良かった良かった。


「な、何が目的だ!」

「目的? 異世界転移、転生、勝手に召喚する奴らにイキリ散らすためだけに、異世界転移してるだけだよ?」

「狂ってやがる!」

「は? よし、お前を元に戻してやる」


 私はささっとツカインを治してやった。

 そして魔法で正座させた。

 よしよし、イキリ散らしタイムだ!


「いい事を考えた、お前を寿命以外で死なない様にして、精神も壊れないようにして、この国を破壊して、お前のせいにするのもいいな? 異世界転移でもいいぞ?」

「なっ!?」

「お前次第さね、質問だ、あ、ひとつ言っておくと私はこの国の常識、世界の常識は知っているからな? 異世界転生とか転移は置いといて……誘拐っていい事? 悪い事?」

「くっ!」

「よしよし、お前の普段の言動で喋らせてあげよう、ほほいのほい」

「この国の安定、秩序の為に! 異世界から誰を召喚しようが、裁かれない! 異世界からこの世界には来れないからだ! 来れるはずがない! 魔法が無い世界から呼んでいるのだから!」

「なるほど、魔法の無い異世界には対処は出来ないね、だけど私は個人で裁きに来ましたよ? どうします?」

「想定外だ! さっさと元の世界に帰れ! 私達の――」

「ああもういいや、いい事を思いついたからさ」


 私は魔法でツカイン・ツブスンを生成した。

 もちろん本物と瓜二つさね、違う所があれば私に協力的ということさ。


「お前はもう異世界転移か転生しろ、目障りさね」

「や! 止め――」


 さてはて、彼の行方はどこえやら? 異世界転生か転移か知らないけれど、ふふふ。

 それよりも楽しみさね! イキリ散らしタイムが私を高揚させる!


「ひゃひゃひゃ! これから楽しくなるぞ! うむ! まずは身の回りを固めか!」


 このツカインはあくまでも統括らしい。

 で、佐藤あんなに戦闘訓練している奴らが居たようさ。

 よし……今度はそいつらにイキリ散らすか!

 ああ……大岩はそのままにしとこうか、また出すのが面倒くさいしね。

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