私はお城に戻って早々に呼び出しをくらった。
この城で異世界人の管理を担当している者だ。
名前はツカイン・ツブスン。
異世界人を使いつぶしてきた人物さね。
今まで何をしてきたかと言うと、異世界人を召喚。
異世界の知識を取り入れているらしい、ご苦労様だ。
だが他国もコッソリと同じ事をしているらしい。
表向きには異世界転移、転生は禁止らしいんだが。
まあ国の情勢なんてそんなもんだろう、私に興味は無い。
全ては私がイキリ散らす為に、私が気持ちいい事をしよう。
んでまあ、他国がこの間宣戦布告してきたらしいのよ。
で、戦える人物ってか、言う事を聞かせられそうな人物を召喚したのさね。
そして、あの虫も殺せないような女性が選ばれたと。
確かに回復系の才能を感じたね、ただ殺し合いには向かないだろうさ。
その殺し合い、私がひっかきまわしてやるよ。
「アンナ! やっと戻ってき――」
「うるせぇよ、ぴいぴい喋るな」
私はご丁寧に右腕を切り落としてやった。
痛みは無いぞ? 凄いだろう。
あ、血も噴出さない安心魔法さ。
「な!?」
「今まで済まなかったね、さあさあ殺し合いを始めようか、安心しろ? もちろん他国とだよ」
「……貴様! 何者だ!?」
「はぁ? 佐藤あんな、お前達が呼んだ異世界人だけど?」
「私に攻撃出来る時点で貴様はアンナではない! 奴をど――」
「ほほいのほい」
私はツカインの身体をバラバラにしてさしあげた。
もちろん死んでないぞ? ここでは殺さない。
「さて、実力の違いがわかったかな? 私は『佐藤あんな』って事でいいね? あ、了承しなかったら、この国滅ぼすから、脅しじゃないよ?」
「何が目的だ!」
「異世界召喚する奴らにイキリ散らす事さ、誘拐犯さん、ああ、今お前さんの態度で国が滅ぶからな?」
「そんな事が出来る訳が――」
「うんちゃらかんちゃら」
私は国の上空に巨大な大岩を召喚した、無論、このツカインだけに見える様に。
これは幻想ではないさ、本当に大岩を出した、別の世界で交渉決裂して落とした事もあったね。
さて、こいつはどうかな? おっと見えないか、頭を持って見せてやろう。
窓があって良かった良かった。
「な、何が目的だ!」
「目的? 異世界転移、転生、勝手に召喚する奴らにイキリ散らすためだけに、異世界転移してるだけだよ?」
「狂ってやがる!」
「は? よし、お前を元に戻してやる」
私はささっとツカインを治してやった。
そして魔法で正座させた。
よしよし、イキリ散らしタイムだ!
「いい事を考えた、お前を寿命以外で死なない様にして、精神も壊れないようにして、この国を破壊して、お前のせいにするのもいいな? 異世界転移でもいいぞ?」
「なっ!?」
「お前次第さね、質問だ、あ、ひとつ言っておくと私はこの国の常識、世界の常識は知っているからな? 異世界転生とか転移は置いといて……誘拐っていい事? 悪い事?」
「くっ!」
「よしよし、お前の普段の言動で喋らせてあげよう、ほほいのほい」
「この国の安定、秩序の為に! 異世界から誰を召喚しようが、裁かれない! 異世界からこの世界には来れないからだ! 来れるはずがない! 魔法が無い世界から呼んでいるのだから!」
「なるほど、魔法の無い異世界には対処は出来ないね、だけど私は個人で裁きに来ましたよ? どうします?」
「想定外だ! さっさと元の世界に帰れ! 私達の――」
「ああもういいや、いい事を思いついたからさ」
私は魔法でツカイン・ツブスンを生成した。
もちろん本物と瓜二つさね、違う所があれば私に協力的ということさ。
「お前はもう異世界転移か転生しろ、目障りさね」
「や! 止め――」
さてはて、彼の行方はどこえやら? 異世界転生か転移か知らないけれど、ふふふ。
それよりも楽しみさね! イキリ散らしタイムが私を高揚させる!
「ひゃひゃひゃ! これから楽しくなるぞ! うむ! まずは身の回りを固めか!」
このツカインはあくまでも統括らしい。
で、佐藤あんなに戦闘訓練している奴らが居たようさ。
よし……今度はそいつらにイキリ散らすか!
ああ……大岩はそのままにしとこうか、また出すのが面倒くさいしね。