さてはて、行方不明事件を解決しに、国に行ったのはいいんだけど。
いつもの事だけど、初心者狩りしていたパーティーは私達に押し付けて、酒池肉林だとさ。
ま、いいか、そっちの方がありがたい、私の邪魔されても困るし。
私達は依頼を出した、村や町の代表者と会った。
そこでわかったよ、何故人が居なくなったのかをね。
まず、その国のトップが変わったらしい。
そして宣言したらしい『奴隷制度を廃止する』と、まずは王都を強制的にしたらしい。
んー正義感溢れてていいね、どう考えても異世界転生……いや、転移者じゃないか。
だって、この世界の常識知ってたら、変えようとしても、時間をかけるだろ?
ただね、元居た世界の奴隷と、この世界の奴隷って同じ意味なのかね?
私のお世話した島国、そこには奴隷の身分の人が居たのよ。
おっと、話はちゃんと理解して最後まで聞くんだ。
そもそもこの世界の職業なのだよ、奴隷って。
まあ、私も自分の世界の価値観の奴隷があるから、ぱっと見良いイメージは無い。
こっちの世界のふたを開けてみれば……召使いって感じかな?
死ぬまで身の回りのお世話をする、ただしその代わり主人は、衣食住はちゃんとする。
結婚するのならば主人が金を出す、その身分が嫌なら自分自身を主人から買う。
とりあえず、まったくないとは言えないけど、悪いイメージの奴隷って無いのよ。
てか考えてみなよ、権力者が奴隷に死ぬまで、強制労働ってバカじゃないか?
食べ物をあまり与えず? 身なりは汚く? 普通に考えて無理だろ。
病気とか、それこそ死なれたら面倒くさいのに。
あ、そいや、私のやっていたゲームにも奴隷はあったけど。
髪の毛は男女問わず丸刈りにされ、強制労働。
ただし、時間はしっかりと決められていて、牢屋だけど衣食住がある。
怪我をしたら即効でNPCが治療してくれる、ある意味で普通進めるより楽だった。
さて……長々と説明したけど、これは私の管轄ではないな。
私はあくまでも、異世界誘拐犯に中指を立てる。
今回で言えば、その異世界転移者を呼んだ者だな。
いや……このパターンは転移者が悪いからハズレだな。
ああ……今私達はその転移者の国に殴り込み仕掛けるんだけどさ。
村と町の代表者、てか今まで行方不明に困ってた人達は、良く調べたと思うよ。
もうここまで言えばわかるだろ?
奴隷じゃなくなった者達の補充に、他の町や村から人を誘拐してくんだよ。
どうしてそうなったか? 王様が後先考えてない転移者だからだろ?
奴隷居なくなったら、奴隷の仕事だれがやるんだよって事。
王様が主導じゃなくとも、わるーい人達が誘拐を考えて、それに対して需要がある。
抜け道だったり、色々とあるんだろうさ。
んじゃ、気合いの入っているカオスの言葉を聞くかね。
さっきから笑顔だ。
「カオス、これから王様に殴り込みに行くのに、凄く笑顔だな」
「そういう君は不機嫌そうだね!」
「いや……これ召喚者が悪いってか、転移者が悪いだろ趣味じゃない……てかお前楽しそうだな」
「だって! 無自覚お馬鹿ドヤ顔経済変えました転移者だよ!? 絶対に経済系のチート貰ってないし、おそらくは15歳くらいと見た!」
「まあ、お前が言うならそうなんだろうさ」
「だって! チート貰ってるならまだしも、考えてみてよ! 勉強もしてない人間が王様なんて出来るはずないじゃん! もうこの国は壊れている! その事実を知らずに崩壊させるのも面白いが、いやー依頼で復讐を頼まれたからには仕方ないよな!」
「……そうだな」
まあ今回私は、後ろで大人しく見てるか。