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第一話 演目 神様は可愛く見られたい

 縁と結びは歩いて不死鳥の隠居場所へとやって来た。

 そこは、一軒家に策で囲われていた平原だった。

 そして日光浴をしている大きな鳥が居た。

 真っ赤に燃える炎の様な翼を身にまとい。


「おお、縁じゃないか」

「お久しぶりです」

「おお、隊長さんだよね? すっごい鳥さん」

「はっはっは……この俺をすっごい鳥か、いやまあ確かに凄い鳥なんだけどな」

「ごめんなさい」

「いやいやいいんだよ、俺は正直縁が羨ましい」

「どういう事?」

「時代と言われればそれまでだが、力がある奴はほぼ強制的に上位の神にされたんだよ」

「なるほど」


 力があれば立場のある所に付く、人の世でも同じ事だ。

 縁は身の丈の神、もし自分が神として偉くなったとしたら。

 恋人との時間は格段に減るだろう。

 幸せも司る神が自分を幸せにしないのは間違っている。


「縁はそんな力を持っているのに地上で暮らしている、羨ましい限りだぜ」

「何時も思うんだけど、縁君てどれくらい凄いの?」

「ん? そうだなぁ……伝わるかわからないが俺より少ししただ、実力とかで位を付けるからな」

「うーむ……五段階でいうと?」

「範囲がせめぇなあ、まあ数字の方がいいか、1が凄いとしたら3だな」

「おお、縁君て凄かったんだ」

「正直言って興味がないけど、俺が神である以上ついてまわる」

「お前も大人ななったな、昔は俺は神で偉いんだとか言ってたのに」

「……イキリ散らしていた自分を呪いたい」

「まあまあ縁君、私もそういう時代あったし」


 神でも人の世の者でも、過ぎたる力を持つと同時に心と考え方も鍛えねばならない。

 結局は世間にある程度合わせなければ、住むなど不可能にちかいだろう。


「あ、そうだ、隊長さんの名前教えてください」

「おう、そいやちゃんと名乗ってなかったな、人の世で言うのはどれも偽名だ、俺の本当の名は――」


 生命の神は大きく翼を広げた。

 まさに圧巻、縁とは神の後光が違った。

 それだけ年季の入った神様という事だ。


不死鳳凰神之雨椰子ふしほうおうしんのうやし、生命と不死と椰子やしの実の神だ」

「……椰子の実? ココナッツの事?」

「ああ、ココナッツのだ」

「……なんか可愛い」

「だろう? 最近細々と新しいグッズ化を狙っていてな」

「おお、不死の鳳凰印のココナッツ?」

「いやココナッツ――おっと、雑談は後にして……縁がここに来るとは何があった?」

「実は――」


 縁は先程の出来事を簡単に説明をした。

 そして、今自分が関わっている出来事もそえて。


「ああ、あのばあさんを助けようとしてんのか、で、孫今話題のがエンシェントトゥエルヴと」

「はい」

「おめぇも変わったなぁ、絆が敵対した奴は敵と言ってたのに」

「恥ずかしい限りです」

「でまあ話を戻して、羽をやるのは構わないんだが、お願いがあってな」

「何でしょうか」

「さっきの話にも繋がるんだがな? 俺の新規グッズ化を手伝ってくれ」

「お! ココナッツの神なら……不死鳥のココちゃんとかでぬいぐるみ出すとか?」

「そうそうそういう感じなんだがな? 俺の世話役に止められているんだ」

「何で?」

「威厳がどうの、他の不死鳥の神へのうるせぇのよ、縁だったらわかるかもしれねぇが、俺の所に集まる信仰心が嫌なのよ」

「縁君どゆこと?」

「ああ、不死鳳凰神之雨椰子様は――」

「本名長ったらしいからココちゃんでいいぞ」

「いや、長ったらしいて言わないでくださいよ、威厳を持ってください」

「それ縁君にも言えるんじゃ?」


 結びがジト目で見ると縁はそっぽを向いた。

 位が低いとはいえ神は神、自分の発言がブーメランとは思っているようだ。


「俺は隊長って呼びますね」

「ねえ縁君、ココちゃんに集まる信仰心って?」

「例えば……俺を不老不死にしろとかずっと健康でいさせろとか」

「ああ、生命を司っているから」

「そうそう、他者を想う気持ちなら重い腰を上げるんだがな? どいつもこいつも自分の願いばかりだ」

「ふむふむ、つまりココちゃんはそう言った信仰心以外を集めたいと」

「ああ、んでココナッツは昔からあるんだがな? こう……むさくるしいのよ、不死鳥と鳳凰の神がどうたら」

「あ、それ無駄に高いやつじゃん」

「そう! 俺的には手軽にココナッツを楽しみ、健康でいてもらいたい」

「わかりました、俺の神社でグッズを売りましょう、と言っても肝心の売り物をどうしましょうか?」

「え゛?」


 結びはびっくりして縁の方を見た。 

 二つ返事で決めた事と、神社がそんなグッズを出していいのかと。

 あってもお札やお守り等だろう。


「縁君、神社がんな事していいの?」

「祀られてる俺が良いと言っている」

「絆ちゃんの意見は?」

「ま、のってくれるだろ、それに隊長の神社も面白いぞ?」

「面白い?」

「ああ、御神酒おみきがココナッツなんだ」

「えぇ……お酒じゃないんかい」

「ココナッツの神でもあるしだし、長寿を願うというのもある……ま、神だから意味を無理やり作れるんだがな」

「おお! 縁君と末永く健康でいられる様に努力します!」


 結びはここぞとばかりにココちゃんに向かって祈りを捧げた。

 それを見たココちゃんは楽しそうに笑う、願いはこうあるべきだと。


「そうそう、お前さんみたいな願いが多いといいんだがな……そいやお前達は急いでいるのか?」

「いえ、時間はあります」

「おう、だったらグッズ化の相談させてくれや」

「面白そうだね~こういう時は案外悪ノリがいいよ」

「ふむ」


 こうしてグッズ化の話合いが始まったのだが。

 どうせなら縁と絆の神社が復興した時のお祭りの時に出そう。

 そん感じで話が進んでいた。

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