長谷川はバイトを終らせて、荒野原と今日も仲良くレアスナタをしに、ゲートへと向かっていた。
「今日のロール、俺は内容を聞かされていないんだが」
「私も、あゆさちゃんが私達の両親を、ゲーム内で合わせたらしいんだけど」
「ああそうなの? まあ縁の過去云々のロールだろうけども」
「うん、私も詳しくは聞いてないんだけども、私らのお父さんは数十年以上のネット友達らしい」
「んん? どゆこと?」
「あゆさちゃん曰く、私のお父さんは高校生の時から、長谷川君のお父さんが、高校生時代に書いていた同人誌のファンらしい」
「ふむ」
「お互いに、私生活には干渉しないようにしていたらしいよ」
「ほーこれはまた数奇な運命が」
「んでその日は、2人でどんちゃん騒ぎをして親睦を深めたそうな」
「それは楽しそうでなにより」
「ロビーであゆさちゃんが説明してくれるらしいから、少し急ぐ?」
「いや、ゆっくり歩こう、急ぐ気持ちはあるけれど、待ち合わせには十分間に合うし」
「んじゃ、手を繋いごう」
荒野原は有無を言わさずに、長谷川と手を繋いだ。
恥ずかしそうな長谷川の手を引いて、2人はゲートへと向かう。
受付を済ませレアスナタへとログインをして、妹を探す。
「おーい、兄貴に姉貴、こっちこっち~」
「こんばんは絆ちゃん」
「ういっす、我が妹よ」
「こんばんは、早速だけどロールの説明するね?」
「頼む」
「おふたりには過去に行ってもらいます」
「唐突だな」
「結婚式に使う宝石を、過去のお母さまから貰ってきてくださいませ」
「って事は、縁とスファーリアは過去で何かを成し遂げて、その宝石を貰ってくるって感じか?」
「ええ、話が早くて助かりますわ」
「絆ちゃん、皆はもう準備出来てるの?」
「はい、おふたりの準備次第ですわ」
「序盤の入りと目的を教えて」
「はい、絆に呼び出された縁とスファーリアは、過去へと行ける神器の有る場所に呼び出されたる、目的は過去の縁の父を助けるため」
「それさ、絆との会話カットでいいんじゃないか? 始まりは過去からで、絆から聞いたって事にしてさ」
「はい、構いません」
「そこカットするなら、入りが変わるね」
「それなら大丈夫ですわ、過去に行ったら自然に巻き込まれますから」
「おおう、巻き込まれ主人公体質だったか」
「早速開始しよう」
「だな、絆、招待を頼む」
「もう送っておいたよ、行ってらっしゃいな」
「おっ、ありがとう」
「行ってきます」
縁とスファーリアはメニューを操作して消えた。
「さてはて、私も裏方としてお仕事にまわりましてよ」
絆もその場から消えたのだった。