黒い光に包まれてロビーに戻ってきた、縁、絆、スファーリア。
「兄貴、姉貴、おつー」
「お疲れ様」
「おつかれー」
3人はそれぞれ軽く挨拶の仕草をする。
「姉貴、どうだった? 絆の神器は」
「この間、神器が有れば負けないって言ってたけど、納得した」
「あ、そうだ、この後はまた2人で飲みに行くの?」
「行くなら絆ちゃんも一緒ね」
「行くー! 姉貴の隣に座る!」
絆はスファーリアに抱き着いた!
「縁君、今日も飲みながら反省会ね」
「筋トレはしてないのか?」
「飲みに行くだろうと思ってしてない」
「用意周到だな」
3人はログアウトをして帰り支度をする。
そして何時もの居酒屋に向かい、何時もの席に通される。
頼んだ料理や飲み物が来て、本格的な反省会が始まった。
「絆ちゃんの神器がロボットだとは思わなかった」
「ああ違う違う、あくまで旦那のキャラクターが、絆の神器よ」
「なるほど、ロボットは旦那さんの力なのね」
「そうそう」
「で、あの少々露出の多い巫女さんは何?」
「荒野原さん、何故俺を見る」
「あれはプレイヤーが旦那の妹で、キャラクター的には絆の巫女だねー」
「絆ちゃんの? 縁君の巫女居ないの?」
「ああ、居ない」
「何で?」
「血塗られた神のお世話してくれる――」
「よし! 私がやろう!」
「え!?」
長谷川は予想外の言葉に、箸で取ろうとしたから揚げをみそ汁に落としてしまった。
「風月が巫女になってあげよう、だから自分を卑下する言葉を使うな!」
「え? お、おう? あ、ありがとう?」
「むむむ! 兄貴、姉貴! 一瞬ピンときましたわ!」
「ど、どしたよあゆさ?」
「姉貴、もとい風月が巫女をするなら神社が襲撃されたってどう?」
「話がぶっ飛び過ぎて見えないな」
「簡単よ兄貴、神社が襲撃される、やはり無人はダメだって流れ」
「なるほど」
「てか風月の強さの設定を生かすなら、巫女になった後だとこの手は使えないよ」
「確かに」
「そして、神社が壊される事で風月と縁が怒り爆発!」
「……ああ! 風月は『素敵な出会いをします、見ていて下さい』ってお願いしたんだったな」
「おっ、風月の願い覚えててくれたのだね?」
「ああ、ちゃんとお祈りしてたからな、印象に残った」
「これは面白くなりそうだね! 兄貴! 姉貴! ちょいと私にシナリオを任せてくれないかい?」
「ああ、それはいいけど斬銀さんにも話通しておけよ? 建てたの斬銀さんって設定なんだからな」
「へ~あれ建てたの斬銀君なんだ」
「ぐっふぉ!」
あゆさは慌てて口を塞いだ!
「どうした妹よ」
「斬銀君て、あの見た目で斬銀君! ぐはははは!」
「制服とか着せてみる? 一日体験入学」
「あ! それは絆ちゃん的にもやってみたい!」
「いいね、ちょっと待って、スマホでうちの学園の制服の画像を見せる」
「うひゃ! キタコレ!」
「……」
長谷川はみそ汁に落ちてしまったから揚げを食べる。
本当の姉妹の様に、楽しそう喋る2人を見て自分も笑った。
まだまだ反省会は終わらなそうだ。