長谷川は何時も通り荒野原とレアスナタを遊びにゲートへとやってきた。
受付を済ませてプレイルームへ。
「荒野原さんがロビーで軽く顔合わせすると言ってたが……まあ行けばわかるか」
シートベルトとゴーグルを装着して何時もの謎ポーズをする。
「いざ! レアスナタの世界へ!」
長谷川はゴーグル越しに見えるスタートボタンを押した。
辺りは薄汚い風景から徐々に変化していって、この瞬間長谷川から縁へとなる瞬間だ。
そして何時ものウサミミジャージ姿でロビーへとやってきた縁。
待ち合わせ場所の謎の白い石で出来たオブジェクトを目指す。
スファーリア、色鳥、見慣れない女性が談笑をしていた。
その女性き長く美しい黒髪にきりっとした目、白い着物をゴスロリっぽくした服装、お尻の上らへんに刀を二本クロスさせ固定している。
「こんにちは、遅れたか?」
「おう縁、こんちゃ~」
「こっちでもこんにちは縁君」
「む、君が噂の兎か」
「おいおい椰重、ちゃんと自己紹介しないと」
「ああ、そうだな」
椰重は一歩前に出た。
「私のこのキャラクターの名前は『桜野椰重』だ、しゅ……失礼、スファーリア先生とリアルで仲良くして頂いているそうで、彼女が貴方に迷惑はかけていませんか?」
「……」
「どうしたよ縁」
「いや、この大和撫子さんはお前のリアル妻になる人だよな?」
「そうだけど?」
「お前みたいな奴に引っかかって可哀想に」
「失礼だなお前、それよりもお前も自己紹介したらどうだ」
「えっと縁といいます、色鳥がお世話になっております」
「うむ、お世話している」
「縁! 親かお前は!? そして椰重! 合ってるだろうけど返しとしてどうよ! ええい! それよりもロールの打ち合わせだ打ち合わせ!」
色鳥は少々大げさな身振り手振りをしている。
「んじゃ気を取り直して、スファーリアさんから聞いたんだが今回は色鳥達が考えたとか?」
「ああ、簡単に言えば色んなシナリオをまとめたんだ」
「お前昔からそういう事進んでやってたよな、まとめ役っていうかさ」
「ま、性分だな、でな? この前グリオードのシナリオをしただろ? その報酬を貰いに行く所から開始してほしいんだ、開始場所はグリオードの宮殿前で頼む、ジンさんが案内してくれる手筈になっている」
「了解した、で、そのシナリオを進めていけばスファーリアさんや桜野さんとのシナリオに絡むと」
「ああそうだ」
「なるほどな、皆さんよろしくお願いいたします」
「よろしくな~」
「よろしくお願いいたします」
「よろしく頼む」
4人は深々と頭を下げる。
「では先生、我々の方は開始いたしましょう」
「そうだね、それじゃあ縁君また後で」
スファーリアと椰重はエフェクト無しで消えた。
「縁、数十秒たってたら来てくれ」
「了解した」
「開始を告げる鐘よ! 我に役目を与えたまえ!」
色鳥はベルを鳴らして何かに召喚されるように消えた。
「俺のログインする時もこんな感じに……いやいや、俺のは見られてないからいいか」
縁は近くの時計を見て時間を確認する。
「んじゃ、グリオードの宮殿に行きますか」
メニューを開いてフレンドのグリオードを選び、合流を押してそのまま消えた。