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第三話 演目 響かせるかはこれから

 縁達は酒場から魔法陣で太陽の花が管理されている洞窟の前まで転移してきた。

 目の前には関係者以外の立ち入り禁止の立て看板が立っていた。


「到着!」

「しましたわ!」

「うえ!? だ、誰?」


 バンザイするフレビィレンスの横でさっきまで居なかった絆が一緒になってバンザイをしていた。


「いや絆、何故お前がしれっと居るんだ?」

「簡単ですわお兄様、悪い奴らに追いかけられまして転移魔法で逃げようとしたら……運悪くここにきていまいました」

「なるほどな」

「兎のお姉ちゃんの名前は何? 私はフレビィレンスっていうの」

「自己紹介がまだでしたわね」


 絆はしゃがみフレビィレンスと目線を合わせた。


「私は絆、縁お兄様の妹ですわ」

「絆お姉ちゃん、よろしくね」

「よろしくお願いしますわ」


 2人はニコニコしながら握手をした。

 絆は立ち上がり何か企んでいそうな顔で


「で、お兄様? こちらの美しい女性はどなたかしら?」

「私はスファーリア、よろしくね」

「……お兄様と恋仲ですか?」

「違うよ、ただのお友達」


 その返答に絆は深いため息をした後、悲劇のヒロインのポーズをした。


「お兄様に春が来たと思ったのに、私の不幸が原因かしら!」

「絆、失礼な事を言うな」


 縁が鞄からハリセンを取り出し、絆の頭を軽く叩いた!

 スパーンといい音がする。


「痛いですわ! 家庭内暴力ですわ!」


 絆は頬を膨らませながら、縁を両手でポカポカと叩き出した。


「はいはいはい、こんなやり取りしてる場合じゃないだろ? 追手が来るんじゃないか?」

「あらあら、その可能性は考慮してませんでしたわ」

「わざとらしい……スファーリアさん、フレビィレンスと先に洞窟に入っててくれ」

「わかった」


 スファーリアはフレビィレンスの手を握り洞窟へと向かう。


「あ、妹さんのの問答に付け加えるなら……そうなる可能性もあるかも」


 足を止めて振り返るスファーリア。


「ただ縁君が私の心に響くような……素敵な音色を奏でられたらね」


 スファーリアは口元だけ笑い、その言葉を言い終わるとスファーリアはフレビィレンスと共に洞窟へと入っていった。

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