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第三話 前説 ロビー実装していたお知らせ

 あゆみから貰った割引券の期限が今日までという事で長谷川、荒野原、山本の3人はレアスナタをプレイしに行く事にした。

 長谷川と荒野原は店の片付けをして山本は一度自宅に帰り後でゲーム内で合流する事に。

 片付けが終わると長谷川と荒野原はあゆさから今日の売り上げボーナスとして5万円の入った封筒を受け取り、2人は歩いてゲートへと向かう事にした。


「本当にボーナス貰った」

「荒野原さんは何使いたい?」

「特に欲しい物は今は無いかな、欲しい物出来た時に直ぐに買えるように貯金」

「なるほど」

「長谷川君は?」

「レアスナタに消えるだろう」

「なんか虚無に消えるだろうみたいな言い方ね」

「実際給料のほとんどが消えていっている」

「生活は大丈夫?」

「流石にそこは大丈夫、生活費やらなんやら差し引いて余ったお金でやりくりしてるから」

「それならよかった、あ、そうだこの移動時間を時間を利用して私のキャラクターを説明しよう」

「お、いいね、キャラ紹介の文字や動画もいいがやっぱりプレイヤーからの言葉が一番だな」

「じゃあ早速」


 荒野原は意気揚々とスマホを取り出して『レアスナタアプリ』と書かれたアプリをタッチして起動する。

 アプリを操作していた荒野原は目を見開き大きな声をだした!


「あ……ああ!?」

「ど、どうしたん!? そんな大声出して?」

「今アプリ開いてお知らせみたんだけど、今日午前中から森山ボックスの生放送開始でしょ?」

「ああ今の時間も放送中だね」

「本日の昼12時からロビー解放したんだって!」

「はぁ!? マジかよ! 油断してた! いつも通り情報とプレイ配信の放送だと思ってたのに爆弾持ってきやがったか!」

「おっ、ロビー機能をまとめてるフレンドのコメントがある」

「気になる気になる」

「ちょっと読むから待ってて」

「ああ」


 指でスマホを操作してざっと書かれているフレンドのコメントを見る。


「まずログインの時にロビーかフレンドか公式集会所を選択、デフォルトはロビーらしいよ」

「ふむ」

「で、ロビーには色々なオブジェクトがあってそれにジャンプ出来てフレンドにもジャンプ出来る」

「かなり広いって言うからなそれはありがたい」

「オブジェクトの近くにはシナリオカウンターなるものがあるらしい」

「おお、なんだそれは」

「これは前からあったシナリオ関係だね、募集したり途中参加したり」

「前はプレイヤーとか運営が用意した集会場みたいな場所でやり取りしてたからな、規模がちょっと違うくらいか?」

「そうだね……おお? 公式の集会場がロール可能になったみたい」

「前は出来なかったからな、ってことはロールしながらシナリオ選択出来るって事か」

「うん、情報見る限りそうだね」

「なるほどなるほど、RPGとかの酒場で掲示板から依頼を探すって感じか」

「どうする? ロビー開放されちゃったけども」

「間違いなくロビーに行くと今日はそれで終わってしまいそうで怖い」

「んじゃ集会所に行く感じ?」

「そうしようか……っと、そうだ荒野原さんのキャラクターを知りたかったんだよ」

「当初の目的はそれだったね、はい、これが私のキャラクター」


 スマホを操作した後長谷川に渡した。

 画面には吸い込まれそうな黒く光の無い瞳、魔女をイメージした時によくある帽子にローブ、スカートその全てが黒い色の服装。

 服装のあちらこちらに楽譜に使われる記号が白い色で散りばめられていて。

 大きな欠けていないトライアングルに座り、トライアングルを叩く棒を肩に担いでいた。


 長谷川はその画面を見た時、一目惚れしたかのような顔をしている。


「……」

「黙ってしまった、どうしたの?」

「ああいや、可愛いと思った」

「ほほ~? それはお目が高い、惚れるなよ? 高いぞ」

「あ、惚れるは置いといて今思ったけど縁とスファーリアの関係どうしよう」

「面倒くさいからそこは友達でいいじゃん」

「設定予習しとけばよかった、スファーリアのここは知っとけって設定はある?」

「戦闘科の学校の先生って事とトライアングルで奏でる『絶滅演奏術』かな?」

「言葉に出したいセリフランキングにのってそうな言葉だ」

「まあなんとかなるよ、集会所は何処にする?」

「酒場にしよう、軽く飲みに来たって感じで」

「んじゃそうしようか、後はノリで進めよう」

「ああ」


 2人はロビー実装にテンションを上げて急いでゲートへと向かった。

 受付を済ませてプレイルームに入り準備をする長谷川。


「えっと集会所の酒場を選択っと、さっきの説明だと集会所ログインと共にロール開始って感じでいいんだよな……じゃあいくぜ! レアスナタの世界へ!」


 メニューを操作して、いつもとは少し違う画面のUIに胸を躍らせながらログインボタンを押した。

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