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一月十八日――壁内某所の建物内でお気に入りの男たちを侍らせ、奉仕させている女がいた。
その女がいる部屋は華美な装飾が施されている。相当な金額を投資しているのが一目で判断できるほどだ。
(彼は上手くやっているかしら)
彼女はソファに腰掛けて優雅に寛ぎながら思考に耽っていた。
彼女の仕事は以外と多い。
資金源、団員、拠点、武器や資材の確保や、セミナー、政財界との交誼など様々な仕事をこなしている。
(次はもう少し大胆なことをさせてみようかしら。その方が面白そうよね)
ロングのスリットスカートを穿いて太股まで大胆に露出し、足を組んで上機嫌に思考を巡らせる。
「紅茶を淹れてちょうだい」
「畏まりました。お嬢様」
側仕えの男性の一人に指示を出す。
男性は慣れた手つきで紅茶を用意する。
「紅茶でございます。お嬢様」
彼女が思考に耽る中、男性が新しい紅茶を丁寧な所作でテーブルに置く。
「ありがとう」
男性に礼を言い、カップを手に取り口をつける。
女が一息吐いたところで
『――姫。今よろしいでしょうか?』
『あら? フランコかしら?』
『はい。フランコです』
『大丈夫よ』
『ありがとうございます』
突然の
『新たな計画を実行予定なので報告の為、
『新たな計画?』
『はい。内容は――』
フランコは計画の詳細を女に説明する。
説明を聞く女は愉快そうにしているが、真剣さも垣間見える表情だ。
『―――以上になります』
『それは面白そうね。
数秒間考え込むと考えが纏まったのか、組んでいた足を組み替えるとフランコに指示を出す。
『その計画を引き続き遂行しなさい』
『畏まりました』
『でも、もし危険を感じたらあなただけでも逃げなさい。最悪、他の者たちは見捨てても構わないわ。私にはあなたが必要よ』
『望外の喜びです。姫を悲しませるようなことは我が命に誓って致しません』
『ふふ。大袈裟ね』
至極真面目な口調で大仰な言い回しをするフランコに、女は微笑みを浮かべる。
冷酷な単語が混ざっているとは思えないようなやり取りだ。
『次帰ってきた時はあなた一人を目一杯愛してあげるわ』
『ありがたき幸せ』
一通りやり取りを済ませて
そして女は側仕えの男たちと夜のお楽しみに励むのであった。