ケアンズから飛行機で移動して、エアーズロックを見に行きます。
波乱のエアーズロック編開幕!
エアーズロックは今はウルルと呼ばれています。ちなみに、みぱぱがエアーズロックを生まれて初めて知ったのは「危険がウォーキング」という漫画に出てくる「カンガルーはおこっています」という歌でした。
ケアンズから移動して、ホテルに一泊して、翌日エアーズロックを見に行く予定ですが、そこでみぱぱは熱を出してしまいました。
あまり旅先で体調を崩す方ではないのですが、結婚式前に珍しく仕事を頑張ったせいか、初めてのプライベート海外旅行で気が緩んだのかわかりませんが、熱が出てしまいました。まあ、熱と言っても高熱ではなく微熱のため、冷えピタを貼って、その上からタオルをはちまき状に巻いて、エアーズロックへ行きます。
「楽しみですね。みぱぱさん」
「そ、そうだね……」
びままさんは何を楽しみにしているのかと言うと、エアーズロックに登るのを楽しみにしています。(現在はエアーズロックは登頂禁止です)
高いところが苦手な上、来る前にインターネットで、年間何名かがエアーズロックから滑り落ちて死んだという記事を見ているみぱぱは、乗り気ではありません。と言うよりも登りたくありません。
「登らなきゃ、だめかな?」
「せっかくここまで来たんですから登りましょうよ」
「う、ううう」
バスに乗った時点で泣きそうなみぱぱに、ガイドの天の声が聞こえます。
「昨夜の雨でエアーズロックは大変滑りやすくなっていますので、登頂は中止となります」
「あら、残念ね」
びままさんはその可愛らしい顔をゆがめて心底、残念そうです。
「そうだね。本当に残念だね」
びままさんとは対照的に満面の笑みで答えます。
コアラの運はここで効いてきた~~~!!! ありがとう、コアラ!!!
エアーズロックにつくと、みぱぱは心からコアラに感謝しました。
つるっつるの巨大な岩の塊に手すりがついているだけで、手を離せば、真っ逆さまに落ちてデザイヤ~♪です。これは普通の日でも滑るんじゃないかと心配になります。
エアーズロックを下から見て、穴になっている所に壁画が描かれています。
さて、エアーズロックから、風の谷に移動します。
風の谷と言えば、そう、ナウシカ。風の谷のナウシカの舞台となっている所らしいです。(違うという話もあります)
「ユパさま!」
「……?」
オタクではない一般人のびままさんは不思議そうな顔でみぱぱを見ます。
「びままさん、風の谷に来たら、こう叫ぶんですよ。ユパさま~~!!」
「そ、そうなんですね……ユパさま~!!」
こうして無垢な一般人をなにも知らないまま、沼に引きずり込むみぱぱでした。
そして、ホテルに戻る途中に雨が降り始めました。バスに乗っているみぱぱたちは、急に真っ黒になって雨が降り始め、雷にびっくりしました。
「皆さん、右手を見てください!!!」
そこは近くで雷が落ちて、その向こう遠くに虹が見えます。
薄暗い空から、鳴り響く雷。遠くにはほんのり明るく虹がかかっています。
虹と雷が同居する不思議な風景。
ガイドさんもびっくりしていました。
「長くガイドをしていますが、こんな風景は初めて見ました」
この風景もコアラの運なのかも知れません。ものすごい風景を見た
そうして、みぱぱとびままさんはシドニーへ移動します。
シドニーではのんびり市内観光をする予定です。
まずは船で川から市内を眺めて、みぱぱは何かを見つけました。
「あの白いキュベレイの肩がいっぱいついているのは?」
「キュレーターですか? どこにいます? そんな人」
びままさんは、みぱぱの言葉に目をこらして人を探します。
「
「ああ、あれはオペラハウスじゃないですか? ほら、ここにも書いていますよ」
びままさんはガイドブックと白い建物を見比べて、みぱぱに説明します。
「それよりも、わたし、アレが気になります」
びままさんが指さした先にはハーバーブリッジ。橋の上で川でも見たいのかと思ったみぱぱ。高所恐怖症のみぱぱでも安全柵のある橋の上程度なら大丈夫です。
「歩道があるんですね」
「いえ、そっちではなくて」
そう言ったみぱぱの目線よりも、もっと上をびままさんは指さしていました。
橋のアーチの部分を登るブリッジクライム。ちょうど豆粒のような人が列をなして登っています。
そこはエアーズロックに勝るとも劣らない高所。みぱぱは途中で泣き叫ぶ自信があります。
「びままさん、初めての海外旅行も終盤で疲れたでしょうから、無理しちゃ駄目ですよ。いま、無理すると帰国してから、疲れが出ますよ」
みぱぱは今まで見せたことがないようなキリリとした顔で、びままさんに言いました。
「そうなんですね。残念ですが、無理はしないでおきます」
びままさんの素直な言葉に、みぱぱは心の中でガッツポーズをしました。
そうして、みぱぱとびままさんは成田空港に到着しました。
「それでは2ヶ月後に」
「はい、2ヶ月後に」
みぱぱはそのまま、関東に残り、びままさんは九州に戻りました。
みぱぱはこれまで九州にいたのですが、結婚を機に東京本社に呼ばれました。当然、びままさんも一緒に関東に来るのですが、びままさんも仕事をしている為、三月いっぱいまでは、九州にいなければなりません。
成田離婚ならぬ、成田別居となったみぱぱでした。