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ドイツ

 ドイツ

 デンマークのお隣の国。

 第二次世界大戦後、首都ベルリンが東西に分けられたベルリンの壁が有名。

 あと「ドイツの科学力は世界一ィィィィ」でも有名ですね。


~*~*~


 デンマークにポンプメーカーの工場見学に行ったみぱぱを含んだおっさん達約十人は、デンマークを後にしてドイツへやってきました。

 デンマークで呆然となったみぱぱは(詳しくはデンマーク編をお読みください)いつの間にかベルリンに来ていました。


 あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


 ポルナレフさんは使いやすいですが、使いすぎると飽きるので、ここでは封印。

 さて、ドイツに連れてこられたみぱぱの目的は二つ。

 目的の一つ目はベルリンの壁を見ること。

 実は、みぱぱの高校時代は理系の上、社会は「地理」を選択。なので、あまり歴史に詳しくありません。

 それでも、テレビで見たベルリンの壁崩壊は衝撃的でした。

 まずはチェックポイント・チャーリーへ行きます。

 チェックポイント・チャーリーとはチャーリーズエンジェルが集まる場所ではありません。東西ベルリンの元国境検問所です。東西分裂時代の象徴……らしいのですが、みぱぱはここに来るまで知りませんでした。

 道路のど真ん中に見た目はプレハブ小屋、そこに大きな写真があるだけです。

 説明を聞いて、その重要性が初めて分かる程度でした。

 次はベルリンの壁、完全に破壊されておらず、残っている一部は観光地になっています。

 壁にはいろいろな落書き? いえいえ、平和の象徴のアートが書かれています。そして、当然のように破壊されたベルリンの壁の一部がアクリル箱に入って、お土産として売っていました。


「お姉さん、これって本物?」

「当たり前よ!うちはこだわりのベルリンの壁職人がコンクリートから手作業で作った本物よ。何だったら職人のサイン入りもあるわよ」

「そうか、じゃあ、安心だ。ひとつもらおう」


 みぱぱはしっかりと本物かどうか確認して、お土産に買って帰りました。

 さて、一通り観光したみぱぱ達はお昼ご飯にすることにしました。

 あるレストランに入り、各々好きな物を頼むことになりました。


「な~にかあるかな? せっかくドイツに来たんだからドイツ料理かな?」

「一応、言っておきますが、今日の夜は本場のドイツ料理の店を予約していますので、お楽しみにしていてください」


 ガイドのおばさんがみんなに忠告してくれました。


「おっと危ない。ダブルドイツ料理っていうのも何だな。せっかくなので、ドイツ料理以外で行こう。お! エスカルゴがある。これで行こう! エスカルゴとガーリックトースト、それにビール!」


 デンマークのカールスバーグも有名ですが、ビールと言えばドイツでしょう。

 本当は黒ビールがいいんでしょうが、みぱぱはコーヒーが飲めないように、黒ビールの焦げ臭い苦みも苦手です。

 普通のビールを頼みます。

 やってきました初エスカルゴ。

 たこ焼き器のような陶器にエスカルゴ。

 ガーリックの匂いが食欲をそそります。

 エスカルゴの食感はカタツムリのようににゅるっとすると思っていましたが、貝でした。

 コリッとした歯ごたえ。

 がっつり効いた熱々のガーリックソースが美味い!

 キンキンに冷えたビールに合う! 昼間っから飲むビール最高!

 ガーリックトーストにのっけても美味い!

 頼んで良かった~。

 ご満悦なみぱぱにガイドのおばさんが声をかけてきます。


「あら~、ドイツでエスカルゴ食べているんですね。ドイツ料理じゃないんですね」


 うぉいっ! 夜はドイツ料理だろう!

 超突っ込みをしたかったが、思いのほかエスカルゴが美味しすぎて、どうでも良くなったみぱぱはお土産を探しに行きます。

 ドイツと言えばクマのぬいぐるみ。

 テディベア。もう一つの目的です。

 イギリスの黄色い間抜けなクマ野郎ではありません。

 意外と高いテディベア。

 しかし、ドイツに来ることなど二度と無いと思ったみぱぱは当時1才になったばかりの娘のためにクマのぬいぐるみを買いました。おそらくテディベアではない。だってテディベア高いんだもの。

 さて、狙っていたお土産もゲットしたみぱぱはガイドから宣言されていたドイツ料理店へ行きました。

 それほど大きくはない店内。

 予約していたため、テーブル三つに分かれて、みんな座るとガイドが説明し始めました。


「せっかくドイツに来たのですから、ドイツ料理を味わっていただこうと、この店にしました。料理はこちらで注文済みですので、楽しんでください」


 さて、ドイツ料理。

 皆さん、どういった物を思い浮かべましたか?

 出てきた料理は三種類。

 マッシュポテト、ボーーーーーーーン。

 ザワークラウト、バーーーーーーーン。

 アイス・バイン、ドーーーーーーーン。

 さて、料理をひとつひとつ説明します。

 マッシュポテト、ジャガイモを潰した奴。クリームかって言うくらいなめらかに潰されたジャガイモ。

 ザワークラウト、キャベツの酢漬け。酸味が利いていてさっぱりして箸休め。

 アイス・バイン、豚足。ゆでた豚足。味はマスタードなどで、自分で付けてねと言うスタイル。

 どれもデカい! アイス・バインは20センチくらいでかさ。マッシュポテトもザワークラウトも付け合わせって言う量じゃない。アホじゃないのかドイツ人! これ、一皿が二人分じゃないのかっていう大きさ。

 ざわざわ。

 相変わらずカイジの周りのようにざわつくおじさんたち。そのうちの一人がガイドに聞きました。


「あのー、お金出すので、別の物注文してもいいですか?」

「え!」


 驚くガイドのおばさん。


「これで、足りないですか!?」


 そうじゃない! そうじゃないんだよおばさん。量が足りないんじゃないんだよ。と言うよりもみんなこれは絶対食べきらないと判断したんだよ。そして確実に飽きるから、ソーセージなどのビールのつまみが欲しいんだよ。

 同じ日本人なのにみんなの気持ちが伝わらないガイドのおばさん。

 諦めてみぱぱは食事を始めましたが、案の定、ジャガイモの味、酸っぱいキャベツ、皮とゼラチンの淡泊な豚足。初めの一口二口で飽きてくる。

 ビールは美味しい。美味しいんだけど、食事が……。

 お腹だけはいっぱいになった、初めての本場のドイツ料理を食べて、みぱぱ達は帰国しました。


 その約十年後、みぱぱ兄が家族でドイツに三年ほど住むことになろうとは思いもよりませんでした。

 インスタで流れて来る料理は美味しそう。ビールも美味しそう。オクトーバーフェスタ楽しそうでした!

 ちくしょう。そういうのを経験したかったんだよ~。

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