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第31話《農業の国篇》この国の恒例行事

ルミエールside

街へと繰り出した私達は絶賛色んな出店に行っていた。

「これ、二つください!」

「はいよ!」

ある程度の注文を終えた私達は広場にある席に座る。

この世界の食文化に関しては前世とほとんど変わらないようで、米にパン、麺類、粉物など豊富だ。

ここまで前世と一緒となると、可能性として私以外にも転生者がいる、もしくはいたということだ。

どう考えても米なんて中世ヨーロッパの世界観で出てくるわけがない。

とすると何者かが伝えた可能性がある。

他の国から伝わった可能性はないのか。

答えはNOだ。

なぜならこの世界には日本のような国はおろか、このアグリ農国を超えるほどの農業や食事の国はない。

となれば、伝えたのは個人の可能性が高い。

「ルミ様?」

そんなことを考えているとリファが心配そうな声で私の顔を覗き込んでいた。

「どうしたの?」

「楽しくなかったですか?」

私はリファの問いに首を横に振る。

考え事に夢中で表情が怖くなっていたらしい。

「ううん!そんなことないよ!」

「そうですか?」

「うん!ちょっと考え事してただけ!」

「また一人で考え事ですか……」

内容を話してくれなかったのが不満なのか、若干いじける。

「い、いや、でも確証のないことで心配させたくないし?」

「まぁ、いいですよ?どうせルミ様のことです。人には言えないような重大な秘密でも抱えているのでしょう?」

「リファ……」

何でわかっちゃうかな!?

ホントに私のこと好きだね!?

そんなことが口から出かけたが、言わなかった。

言ってしまえば数十倍で返ってくるだろうと思ったから。

Sモードのリファはなかなかにすごい。

私の弱点という弱点を責めてくる。

しかもびっくりするくらい上手い。

ガチで喘ぐだけの存在に成り下がるくらいには上手い。

ホントによくない。

勿論、私が嫌がるようなことは一切しない。

むしろ悦ぶところを丁寧にそれでいて激しく責め立ててくる。

どっちが師匠かわからんくらいには。

なんで私の周囲はSしかいないのだろう。

まあ、全然問題ないんだけど。

「ルミ様、あーん」

そんなことを考えていると目の前のリファが自分の使ったであろうフォークでタルトを刺し、私の目の前に向けていた。

っていうかこの子わかってる!?

関節キッスだよ!?

「どうしたんですか?」

リファは真顔で言う。

この子知っててやってるの!?

どっち!?

直接キスした後にこんなことで意識するのは初心なのはわかってるよ!?

でも、でもさぁ……!!

あーんとの組み合わせはダメでしょ!?

「食べないんですか?」

「た、食べます……あ、あーん」

私は若干頬を赤らめながら食べる。

それを見た周囲は。

「きゃ〜!初心ね〜!」

「イチャイチャしやがって!!いいぞもっとやれ」

「あの二人、お似合いよね〜!」

「どこまでいったんだろ?」

「あ〜あ、3Pして〜!」

「百合に挟まる男はぶっ殺す!」

など様々な反応を示していた。

も〜……公開処刑じゃん……

「もしかして見られて恥ずかしいんですか?」

「そうだよ!」

私は机をバンと叩き、リファに顔を寄せる。

「そうですか」

そう言うとリファは私に近づく。

「え!?ちょっ、まっ!人が見てる!」

「見せつけてやりましょうよ」

そう言った後、リファの唇と私の唇は重なった。

「んむっ!?」

それから数秒してリファは唇を離す。

「甘くて美味しかったです」

そう言ってリファはいたずらっ子のように笑いながら、自分の唇を舐めた。

「な、なな、な……!!」

私は顔を真っ赤にする。

恥ずかしい!!

でもそれ以上にリファが色っぽすぎる!!

なんなの!?真昼間から誘ってんの!?

「では、行きましょうか」

食べ終わった私達は席を立った。

ゴミを捨てた後、私はリファに手を引かれて、人目につかない路地裏に引き摺り込まれた。


─────────────────────


路地裏に連れ込まれた私は、リファによって壁際に追い詰められていた。

「な、なに!?」

「ルミ様、今ムラムラしていますよね?」

「!?」

そ、そんな雰囲気出してないはずなのに!

「すっごくそういう雰囲気出してますよ?」

隠せてないじゃん私!!

「どうします?ここでヤってしまいます?」

「えっ」

それって野外プレイってこと……?

そう考えた時、ゾクゾクした。

あ、やっぱり私、Mなんだなと思った。

そして私は頷いた。

「では……」

そう言ってリファは私の唇を塞ぎ、そして舌を口内に入れて犯してくる。

「んんっ…… んぁ♡んっ♡」

気持ちいい

たったそれだけに頭を支配されていく。

それと同時に、触られていないにも関わらずパンツがぐしょぐしょになっているのがわかった。

「パンツ、びしょびしょですよ?」

「わ、わかってるって……」

私は赤面しながら言う。

「じゃあパンツ要りませんね」

「えっ」

リファのその言葉を処理するのに少し時間がかかった。

私がその言葉を処理している間に、リファは私のパンツを奪い去っていた。

「ちょっ!そういうことじゃ……!」

そう、この子は今から私にノーパンで過ごせと言っているのだ。

「では」

そう言ってリファは私の下の口に指を入れてくる。

「さっさとイっちゃいましょう」

「ちょっ…… ♡んっ…… ♡まっ…… ♡あっ…… ♡」

私の制止を無視して私の脳みそを快楽で支配してくる。

「んっ、⋯んぁ♡はぁっ⋯⋯、ん♡イ、イク…… ♡」

私の腰はびくんと波打った。

「はぁはぁ…… ♡」

私はイった後、強烈な尿意に襲われた。

「リ、リファ!パ、パンツ返して……!」

私はモジモジしながら言った。

「もしかして、トイレに行きたいんですか?」

リファの言葉に私は頷く。

するとリファはニヤリと笑う。

嫌な予感がする……

「返しませんよ?」

「なんで!?」

「そこですればいいじゃないですか?」

「嫌だよ!?」

「ちなみにここは通しません」

完全に行く手を阻まれる。

こうなった以上、リファは絶対に動かない。

どうやら私に選択は一つしかないようだ。

野宿する時にもするけど、これは恥ずかしい……

でも、もう限界なんだよね……

仕方ない……

私はリファに背中を向け、スカートを捲り、その場にしゃがみ込む。

するとチョロチョロと私の股間から黄金色の液体が地面にシミを作っていく。

しかし、それを背後からリファにガン見されていた。

「み、見ないで……」

「お断りします」

「なんでぇ……」

「非常に無様で愉快だからです」

コ、コイツぅ……!!

しかし、私の意思に反しておしっこは止まらない。

チョロチョロと音を立てて、流れ続ける。

それから少しして、ようやく止まった。

「終わりましたか?まだヒクヒクしてますけど」

「実況しないで!!」

私は思わず叫んだ。

結局、パンツは返してもらえず、ノーパンで祭りを回ることになった。


─────────────────────


その後も私達は祭りを楽しんでいた。

私がノーパンであることを忘れるくらいには。

「楽しんでるみたいですね」

「そりゃそうよ!」

「自分がパンツを履いていないこと、忘れてません?」

リファの言葉でハッと気付き、スカートを抑える。

「そんなにしたらスカートにシミが出来ちゃいますよ?」

その言葉に思わず手を離してしまう。

その瞬間、風が吹き、スカートが捲り上がった。

今それはヤバい!!

私は全力でスカートを抑える。

そして周囲を見る。

「おい、今……」

「気のせいだろ!そうじゃなきゃ、王女様は痴女ってことになるから!」

どうやら私がノーパンであったとバレた人にはバレたらしい。

恥ずかしすぎる……!!!

私は赤面しながらもとりあえず祭りを回った。

すると長蛇の列を見つけた。

「なんだろ、あの列……」

「知らないんですか?」

そう言って声をかけてくれたのは少女だった。

ふと足元を見ると裸足だった。

どういうことだろう……

「この列について知ってるの?」

「当たり前です!この国の人で知らない人はいないと思いますよ?」

「へえ、そうなんだ!」

「はい!この国の恒例行事ですから!」

「恒例行事……」

「足裏に墨を塗って跡を取るんです!で、それをそれぞれの場所にある専用のところに飾るんですよ!」

なるほど……

俗に言う足拓ね……

「リファ、やろうよ!」

「いいですよ。思い出作りですね」

そう言ってリファは私に笑いかけた。

そういうことで私達は列に並ぶ。

リファと話しながら待つこと30分。

「次の人〜!」

「は〜い!」

私は右手を勢いよく挙げて係の人の前に出る。

「では裸足になってください」

言われて私はブーツを脱ぐ。

隣ではリファが靴と靴下を脱ぎ、裸足になる。

「ではここに足をつけてください」

言われて、差し出された墨の入った浅めのトレーに足をつける。

若干冷たいが、気持ちよかった。

「ではこの色紙に足を置いてください」

差し出された色紙に墨のたっぷりついた足を乗せる。

全体重を乗せて、髪に墨がしっかりつくようにする。

隣でも、リファが同じように色紙を踏みしめていた。

やっぱり燃えるよね……!

可愛い子の足裏が汚れてるのって!!

それからゆっくりと足を離すと綺麗にエジプト型の跡がつく。

隣のリファもちゃんと取れたようだ。

「では、そこで足を洗ってください」

「はい!」

私達は靴を持って隣のブースに移動する。

そこで待っていたのは。

「待ってええへへへへへえええへへへへへ!!」

椅子に足を伸ばすように縛り付けられ、足裏をゴシゴシと洗われていた。

マジで……?

私、ノーパンなんですけど……

だが、どうすることも出来ないので大人しく座る。

「では始めますね」

そう言って足指を拘束され、ボディーソープを足に垂らされる。

そして、ブラシを持って私達の足裏を擦り始める。

「あひゃはやははあひゃやひゃははははやっひゃやはっやはっはは!くしゅぐったいいいいひひいひひひひひひいひひひ!あひゃはっややはひゃはひゃっやはっやはははひゃ!」

私が笑い転げる一方、隣は。

「いい感じです。」

マッサージ感覚で受けていた。

ホントになんなの!?

「あひゃはうあはひゃはやはひゃはひゃははややひゃひゃはややは!ギブうふうふふううううふあふはううひゃふうあは!」

「ギブアップなんて無いですからね〜?」

目の前の人はニッコニコでそんなことを言ってきた。

コイツも100%Sだろ!!

そんなことを思いながら15分ほどくすぐられた。

おかげで三回イった。

ノーパンなのでスカートにシミが出来てしまったがなんとか誤魔化した。

どうせバレてるけど。

そんな感じで私とリファのお祭りデートは終わったのだった。


─────────────────────


翌日、私は出立の知らせをするため、城に来ていた。

「わざわざ挨拶とは!」

「一応お世話になったので」

「一応は失礼だよ!?」

「気にするな!俺はそういう誰に対しても公平に物事を言える人間は好きだぞ!」

「ありがとうございます」

「ルミ殿のような我が道をいく人にはピッタリだ!」

「それ褒められてます?」

「リファ!?」

「はっはっはっはっは!やはり君たちは面白い!!」

「そうでしょうか?面白いのはルミ様の頭だけで十分ですが」

「バカにしてる!?」

「昨日、野外で」

「わわわわ〜〜!!」

とんでもないことを暴露しそうになったリファを遮る。

「まあ、また何か当たったら俺を頼るといい!すぐに力になってやろう!!」

「ホントですか!?」

「ああ!本当だとも!この俺は嘘をつかん!!」

「わかりました!ではその時は!」

「それで次はどこに行くつもりだ?」

「一応距離的に《へスマイル》だとは思うんですけど……」

「《へスマイル》か……」

「なんかよくないんですか?私の記憶では笑顔溢れる国だったと思いますけど……」

「ああ。昔はな。だが、ここ最近はきな臭い噂があってな」

「きな臭い噂……?」

「ああ。あくまで噂として聞いて欲しいのだが、今のへスマイルを裏から動かしている者がいるというものだ」

「裏から……それって国乗っ取られてませんか?」

「そうだ。だから行くなら気をつけろ」

「わかりました」

私だって一応王女だ。

万が一、へスマイルを裏から動かしている人間に捕まりでもして人質に取られれば、自国を危機に晒すことになる。

かといって休憩できる次の国はそこしかない。

だから行くしかない。

「じゃあ、行こうか!」

「はい」

私とリファは城のベランダに出る。

そして腰から《シエル》と《量産型シエル》を取り外し、サイズを元に戻す。

「また会いましょう!」

「ああ!またな!」

私たちはアグリ農国から飛び立った。

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