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第10話《姉の異変篇》姉たち

ルミエールside

メディとの話も終わり、お尻丸出し、というか邪魔なので脱いで一息ついていると、ドアがノックされた。

「は〜い!」

「ちょっと話が……」

入ってきたのはリスカル。

「調査の件だよね?聞かせて〜」

「お前……」

「どうしたの?」

「痴女なのか?」

「痴女じゃないし!!」

「だったらなんだ、襲われたいのか?」

「はあ!?何言って……」

そう言って振り返った時、気がついた。

私、下半身裸じゃん。

何やってんだ私!!

「いや、これは!ホントに違くて!!」

慌てて弁明する。

そんな時、目に入ったのは。

「あれれ〜?もしかして興奮してるの〜?」

リスカルの膨らんだ股間だった。

「うるせえ!!可愛い女がそんな格好してたら男なら誰だってこうなるわ!!」

「かわ……!?」

私は赤面する。

そのタイミングで攻守が変わる。

リスカルは私をベッドに押し倒す。

「褒められ慣れてないのか?可愛い王女さんよ?」

「う、うるさい!褒めたって何にも無いよ!!」

「本当に?」

そう言ってリスカルは耳元で囁く。

「何もしないのか?」

なんでみんながみんな、私が耳が弱いこと知ってるの!?

「いや、それは……その……」

「どうなんだ?」

「ちょ、ちょっとだけなら……」

「ダメですよ?」

その冷え切った声にリスカルが硬直する。

「おいおい!私の大事な妹に手を出そうってのか?」

「それはそれは死罪に値しますわね?」

お姉様達の登場である。


─────────────────────


リスカルside

調査の結果を報告しに来た俺が部屋に入ると、そこにはうつ伏せになり、下半身丸出しの戦乙女パンドラがいた。

ヤバい、ムラムラしてきた。

そんなことを思っていると、息子が大きくなっていくのを感じた。

戦乙女パンドラはそんな俺の股間を見て、

「あれれ〜?もしかして興奮してるの〜?」

煽ってきやがった。

クソ!こうなったらヤケクソだ!!

「うるせえ!!可愛い女がそんな格好してたら男なら誰だってこうなるわ!!」

「かわ……!?」

そう、俺はコイツに好意を持っている。

盗賊としてやっていた時も、

「なぁ、リスカル」

「なんだ?」

「王女様達の中だったら誰を一番犯したい?」

仲間からそんな質問をされた。

「そんなのルミエール様一択だろ」

勿論即答だった。

「俺はマロン様だな!」

「なんでだ?」

「貴族の知り合いが言ってたんだけどよ、マロン様って基本的に男勝りな口調だって」

「そうなのか?」

「そんなマロン様が喘いでるの見たくないか?」

「わからんな」

「お前こそなんでルミエール様なんだ?」

「そんなの可愛いし、胸がないし、無垢そうだし!!」

「胸が無いのはプラスなのか?」

「あの貧乳というより無乳のあれがいいんだよ!声も可愛いし、いい声で啼いてくれそうだろ?」

今思えば、なんちゅう下品な会話だったのか。

だが、今はそんなことはどうでもいい。

この機会を逃せば、ダメかもしれない!!

行くしかない!!

俺は戦乙女パンドラをベッドに押し倒す。

因みに俺が戦乙女パンドラと呼ぶのは純粋にルミと呼ぶのが照れくさいからだ。

「褒められ慣れてないのか?可愛い王女さんよ?」

「う、うるさい!褒めたって何にも無いよ!!」

「本当に?」

そう言って俺は戦乙女パンドラ耳元で囁く。

「何もしないのか?」

その言葉に戦乙女パンドラは涙目になる。

どうやらカーニャの耳が弱いという情報は正しかったようだ。

「いや、それは……その……」

「どうなんだ?」

「ちょ、ちょっとだけなら……」

その宣言が聞けた瞬間、心の中でガッツポーズした。

完全勝利のお知らせだ!

これで……ようやく……!!

そう思った時だった。

「ダメですよ?」

その冷え切った声に俺の体は硬直する。

完全勝利から絶望への急降下だ。

この瞬間、俺は生きた心地がしなかった。

「おいおい!私の大事な妹に手を出そうってのか?」

「それはそれは死罪に値しますわね?」

戦乙女パンドラの姉達の声だった。

「えっと……」

「お姉様〜!!」

俺が必死に言い訳を考えている間に、戦乙女パンドラはベッドから姉たちの方へ向かう。

「リスカルに襲われるところだった〜!」

そう言ってテイル王女に抱きつく。

あの野郎……!!

泣くふりをしてこっちを見てほくそ笑んできた。

今度ガチでぶち犯してやろうか……

言い訳は全く思い浮かばず。

ワンチャン流れでいけないかと思い。

「一緒にどうだ?」

一番最悪な選択肢を取った。

「死ね!」

マロン王女からは股間を蹴り上げられ、テイル王女には腹パンされ、カルマ王女にはアッパーを食らった。

「ありがと〜!」

呑気にそんなことを言った戦乙女パンドラにテイル王女が言い放つ。

「貴方も悪い思いますよ?」

「えっ?」

戦乙女パンドラの勝ち誇った表情が絶望に変わった。

「どうやらお仕置きが必要なようですね?」

「えっ、ちょっ、まっ」

「拒否権はねえよ」

そう言ってマロン王女は手刀で戦乙女パンドラを気絶させた。

恐ろしく速い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね!

そんなこと言ってる場合じゃねえよ!

「お前ら、何する気だ?」

「ルミエールも寝ていることだし言いましょう。」

「私たちは……」

「お前の代わりにルミエールの喘ぎ声を聞いてくる。」

自分のこと言えないのはわかってる。

でもただ一つ言わせてくれ。

───コイツら、変態じゃねえか!!


─────────────────────


ルミエールside

私の姉様達は優しい。

私の事を好いてくれるし、発明だって褒めてくれる。

お母様と違って何かやらかしてもお仕置きなんてされた事なかった。

なのに、今回初めてお仕置き発言が出た。

何をされるか分からなくて、恐怖に震えていた。

そのせいで頭から一つのことが抜けていた。

────姉達はエロ全開の脳みそをしている事を。

「────っん、う〜ん……」

私が目を覚ますと全裸にされ、懲罰室にいた。

「おっ!目が覚めたか?」

「よかったです!」

「ええ、そうですね!」

私の目の前にいるのは姉様達。

何故かニヤニヤしている。

「な、何する気ですか?」

「別に?何もしないわよ?」

「じゃあなんで裸に……」

そしてその真意はすぐにわかった。

体が……熱い……!!

それにアソコがムズムズする……!!

「もしかして……!!」

「効果が表れるのが意外と早かったな……」

「そうよ?メディから貰ったのです!」

「媚薬を!」

最悪だ……

メディ仕事早すぎでしょ!!

ダメだ……頭の中がポワポワしてきた。

理性が消える前、姉様達の狙いがわかった。

私自ら快楽を求めるように狙ったのだと。

それがわかったと同時、理性が消えた。

私の手はすぐに下の口に伸び、快楽を求め、自ら動き出す。

俗に言うオナニーだ。

「んっ、⋯んぁ♡はぁっ⋯⋯、ん♡」

姉様達に自分が無様に快楽を求めているところを見られている。

それだけで興奮して、濡れてきてしまう。

「んぁ♡んんっ⋯♡恥ずかしい⋯のに…気持ちいいぃ……♡」

私の手はどんどん加速していく。

「はぁっ、んぁ⋯♡んっ、⋯んぅ〜〜♡」

体は熱を帯びていき……

「んぅ〜〜〜♡♡♡」

腰が大きく跳ねる。

「はぁはぁ…… ♡」

そして再び体が疼く。

もう一度手を伸ばそうとした時、マロン姉様に腕を掴まれ、触れられない。

「はぁはぁ…… ♡♡♡」

その間にもドンドン、アソコが疼く。

「離して……ください…… ♡♡♡」

「なんでだ?」

「気持ちよく……なるんです…… ♡♡♡」

「お仕置きだからダメですよ?」

「なんで……さっきまで……♡♡♡」

「さっきまでが特別だったんですよ?」

「それか、無様に懇願しますか?『私は性欲に負けた変態王女です。気持ちよくしてください。好きなようにしてください』と?」

私は今後の事を考えず、懇願した。

「私は性欲に負けた変態王女ですぅ…… ♡♡♡気持ちよくしてくださいぃ…… ♡♡♡好きなようにしてくださいぃ…… ♡♡♡」

その発言に三人はニヤッとした。

「仕方ないですね〜?」

「そんなに言うならな?」

「やってあげますよ!」

そして、お仕置きと称した三人の欲望開放が行われたのだった。

「ふぁぁぁぁ♡♡♡」


─────────────────────


「────はっ!!」

私が気がつくと私の部屋のベッドの上だった。

そして起き上がると、部屋の隅で正座させられている姉様達がいた。

「え?」

「ルミ様、安心してください。この変態三人衆にはきっちり言い聞かせておきますので。」

「「「お前が言うな」」」

私たち姉妹からのツッコミが入った。

「じゃあ私用事あるから行ってくるね!」

「はい。お気をつけて。」

私はアトリエを出て、向かう場所はリスカル探偵事務所。

リスカルが私の部屋に来たには調査の報告をするためだろう。

でも、私のせいで色々酷い目に遭ってしまった。

なのでお詫びも兼ねて、自分で向かうことにした。

「やっほ〜!!」

戦乙女パンドラ!!お前のせいでボコられただろうが!!」

「ごめんね!あの後、私も酷い目に遭ったよ〜……」

「全く……」

おっ、意外とあっさり引いたな……

「なるほど……私の裸を見て満足したから噛みついてこないのか……」

「勝手に納得すんな!!」

「まぁ、そんなことは置いておいて!」

「調査の件だろ?」

「そう!さすがリスカルだね!」

「あぁ。奥に来い」

「うん」

私は言われた通り事務所の奥に入る。

「さて……報告なんだが、お前の読み通り、裏で動いている奴がいた。」

「やっぱり……」

「名前はライアス。とはいっても偽名の可能性も捨てきれない。」

「わかってる」

「このライアスってやつ、色々ヤバいみたいでな」

「ヤバい?」

「あぁ。モンスターやら動物やらで実験しているみたいでな。その中でホワイトヴァイパーの子供を殺したみたいでな。おそらくだが、そいつの臭いを親が覚えてたんだろう。だからこの辺まで出てきた。」

「それがあのホワイトヴァイパー……」

「それともう一つ。ドラゴン騒ぎがあったろ?」

その言葉に頷く。

「その時のドラゴン、それもアイツが絡んでるらしい。」

「どういうこと?」

「アイツ、ドラゴンの卵を奪ったんだ。その卵を追ってこのアルタイルにドラゴンが来たってことだ。」

「じゃあそのライアスっていう人はこのアルタイルのどこかに居るってこと?」

「あぁ。その可能性が高い。それと一つ、気になる情報がある。」

「気になる情報?」

「あぁ、ホワイトヴァイパー以前にもこういったことがあったらしい。そしてこの怪事件が起き始めた三年前、新たにリヴェルベロ家に従者として入った人間が居たんだよ。しかもライアスと同じ、男だ」

「リファのところに?」

「ああ、たまたまかもしれないがな。だが、怪事件の時に国籍を獲得していたのはコイツだけだ。」

それは気になる。

リファに聞きたいけど、リファはそんなに家のことを話したがらなさそうだなぁ……

それのドラゴンから逃げ切れるということは相当な実力者の可能性がある。

《超強化薬》がない以上、戦闘するには分が悪い。

なら、焦らず慎重に行こう。

「リスカル、リヴェルベロ家に侵入できる?」

「当たり前だ」

「さすがリスカル」

「慎重にお願いね」

「ああ。せっかくシャバで生きていけるように計らって貰ったんだ。しくじって死ぬ訳にはいかないからな」

そう言ってリスカルは笑った。

「そうだ!リスカルって変装得意だよね?」

「ああ」

「私に変装を教えて!」

「なんでだ?」

「私、王女でしょ?」

「ああ、“一応”な」

「一応じゃないし!ちゃんと王女だし!王位継承権は破棄してるけど!」

「まぁ、変装技術がないと結構不便だよな」

「そうなんだよね〜!なんかわかんないけどみんな私のこと見かけると話しかけてくるから……」

「民と距離の近い王女ってことでいいんじゃないか?」

「そうとも取れるけど……」

「まあ、そんなことは一旦置いておいて、いいぞ!」

「ほんと!?やった!」

「じゃあまず……」

私はリスカルから変装の技術を教わったのだった。

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