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頭のいいお姉さんと私
茶都うなべ
文芸・その他雑文・エッセイ
2024年07月28日
公開日
1,008文字
完結
とある夏の三連休で出会ったお姉さんたちの話

ボール

 街中にある幼児向けの施設に私たち家族私、母、6歳と8歳の弟と妹を連れてやってきていた。

 中学生のわたしが小さい子らの中に混じって遊ぶのはいささか恥ずかしかったため、2時間後に迎えに行くと言って私は本屋さんを見ていた。

 そして二時間経った今私はボールプールまで弟たちを迎えに来ていた。

「いよっす。楽しんでるか?イテッ」

 ガラガラとカーテンを開けた途端にやってくるボールたち。慌ててボールが外に出ていかないようにカーテンを急いで閉める。

 その間にもボールがポンポンポンドスポンドスとやってくる。

 普通子供のボール遊びってポンポンだよね。ドスって聞いたことある?。小さい頃から野球とかソフトボールの英才教育でも受けてるの。

 くるっと振り返るとそこには一対一でボールの投げ合いをしている高校生のお姉さんと小学校高学年くらいの男の子がいた。

「なにこの状況」

「あっこの子たちのお姉さん?おいでおいで」

 その周りには野球の観戦席のようにぐるっと丸く座る子供たちと高校生。みんなでグミやらなんやら分け合いしながら見ている。

 ほんとに野球観戦かって思わずツッコミたくなるぐらいにその光景がシュールすぎた。

 ご丁寧に弟たちの隣を開けてもらって見ておいで。と誘われたので私もそれを見ることにした。そもそも弟たち帰りたくないって言いそうだし。

「ボソ......お姉さんたち北東高校ですか」

「ボソ......そうだよ。今日は合唱コンだったからね、打ち上げにここに来たのだよ。ホールが駅の近くだと打ち上げが楽だね」

 なんとお姉様方はこの街で一番頭が良いとされている北東高校の3年生らしい。まじか。

「がんばれー全国3位のにいちゃーん」

「頑張れー文芸部1新体力テストの結果が悪くて、テスト1位の優」

 対極の二人やんけ。というか頭いい高校のテスト1位ってどんだけ頭良いの?。そんなお姉さんは、結構痛そうなボールを叫びながら避け適当にボールを投げていく。結構見ているの楽しい。

「あっ待って優。もう4時だよ行かなきゃじゃん」

 そんな和気藹々《わきあいあい》とした時間も終わってしまうようだ。

「そうか。楽しかったぞ、少年。記念にみんなで写真でも撮ろうじゃないか」

「とるどー。よしみんなあつまれ」

 優さんはなにかが全国3位らしい小学生と握手をしそう呼びかけた。

「ほらお姉さんも来てよ」

 優さんに手を引っ張られ私もみんなの輪の中に。

「せーの」

パシャ

 頭のいいお姉さん達は行動力もあるようだ。


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