関越自動車道 長岡JCT手前
赤城高原SAを出て数時間、車は長岡JCT付近まで来た。
外はすっかり真っ暗になった。
今日は新潟に泊まりたい気分なので、新潟まで行って泊まる。
「すぅ…すぅ…んーぅ…」
彩華はぐっすり寝ている。
寝顔は正に天使、こんな生物が存在して良いのだろうか。
いや、存在すると言う事は、これは認められた可愛さと言う事。
つまり彩華の存在は天から認められた存在であろう。
………私は何を考えているんだ?
「ホテル空いてるかな」
車は長岡JCTを通過して、北陸自動車道に入る。
JCTを通過したと言っても、本線をそのまま走り続けるだけなのだが。
「新潟まであと少しだ」
新潟駅前 21:42
新潟中央ICを降りて、一般道を経由して取りあえず新潟駅前へ。
彩華は目が覚めた様で、外の景色を見回している。
「新潟だよ、彩華」
「もう新潟なんだ」
「ホテル探さないと」
そう思い、周辺の看板を少し確認してみたところ、国鉄ホテルがあった。
国鉄ホテルはいわゆる高級ホテルの部類に入るホテルで、食事も設備も良い。
「空いてるかな、国鉄ホテル」
車を新潟駅の地下駐車場に止めて、ホテルに向かう。
地下駐車場には空きがある様だ。
駐車場からホテルが直結なのは有難い。
国鉄ホテル新潟駅 エントランス 22:11
「今日、2人空いてますか?」
「少々お待ちください」
普段は予約するのだが、今回は予約しなかった。
そもそも長岡で泊まる予定だったしね。
「…はい、スイートが1部屋、空いています」
「じゃぁ、スイートでお願いします」
奇跡的にスイートが1部屋空いていた。
寄りにもよってスイートとは…。
「分かりました。朝食は如何為されますか?」
「お願いします」
「えー、では1泊2名朝食付きで、12万3200円となります」
「カードで」
「こちらにカードをお願いします」
カードを機械に入れる。
最近は現金決済を全くしなくなった。
「はい、ありがとうございます」
決済が無事に終了した。
使えないとか言われたらどうしようかと思った。
「こちらが部屋の鍵となります」
3301号室と書かれた鍵を渡された。
良くあるルームキーだ。
「お荷物をお運びします」
鍵を受け取ると、ボーイさんが近づいて来た。
荷物を運んでくれるらしい。
「お願いします」
リュックを運んで貰う事にした。
彩華の物も運んで貰う。
「凄いね…紫雲ちゃん」
「ねっ」
エントランスから高級ホテルの雰囲気が溢れ出ている。
部屋はどんな部屋なのだろうか。
若干の期待を抱きながら、エレベーターで上へ向かう。
33階 3301号室
「「おぉ~」」
部屋の扉を開けると、靴を脱ぐスペースがあった。
ここの部屋ではスリッパを履く様だ。
靴を脱いで、リビングに入る。
リビングは広く、新潟の夜景が良く見えた。
テレビも大きいのがあり、ソファーが1つ、小さい椅子が4つあった。
2人で泊まるには過剰な設備である。
「紫雲ちゃん、寝室も凄いよ!」
「おぉ!流石は国鉄ホテル」
寝室も広く、ベッドのサイズは伊820の物とは比べ物にならない程広い。
寝室の隣にはお風呂があった。
お風呂にも窓があり、夜景を見ながらお風呂に入れる。
「お風呂、彩華から入っていいよ」
「良いの?」
「うん、勿論!」
「じゃぁ、お言葉に甘えて、先に入るね」
「うん、着替えを用意しておくよ」
「ありがと!」
礼を言って、彩華はお風呂に入って行った。
私は彩華のリュックを漁って着替えを探す。
「あ、パジャマあった」
パジャマを見つけた。
これだ、これ。
私は彩華のパジャマを窓側のベッドに置く。
彩華のパジャマを用意し終えたら、今度は私の分を出す。
「…あぁ、晩御飯どうしよう」
良く考えたら晩御飯を食べていない。
しかし、レストランは既に終了している。
「…あ、ルームサービスだ」
そう言えば、ルームサービスでご飯を頼めた気がする。
そう思い、私はルームサービス案内のパンフレットを見る。
「あった!フードデリバリー!」
午前0時までご飯を配達してくれる。
今日の晩御飯はこれにしよう。
「何しよっかな…」
メニューが沢山ある。
肉系に海鮮系、麺類も完備している様だ。
あ、飲み物もある。
「日本酒飲んじゃお」
日本酒があったので、それを飲む事にした。
酔いが抜け無かったら、もう1泊すれば良いだけだ。
「ん~…このお刺身盛り合わせにしよ」
お刺身盛り合わせにする事にした。
彩華がお風呂から上がってきたら、彩華が何食べたいか聞こう。
数十分後
「ふぅ~気持ち良かった」
彩華がお風呂から上がって来た。
晩御飯の希望を聞こう。
「彩華~、晩御飯何にする?」
「うぇ?」
「これ」
私はフードデリバリーのメニューを見せる。
彩華は身体にタオルを巻きながら見ている。
「ん~、海鮮丼!」
「了解、海鮮丼ね」
ベッドに設置されいる客室電話を手に取り、内線21番に掛ける。
本当に繋がるのだろうか。
『…はい、フードデリバリーサービスでございます』
「料理の配達を頼みたいんですけど…」
『ご希望の料理をどうぞ』
「10番の刺身盛り合わせと、9番の海鮮丼、それと、27番の真野鶴をお願いします」
『分かりました。刺身盛り合わせと、海鮮丼、真野鶴ですね』
「はい」
『部屋番号をお願いします』
「3301号室です」
『3301号室ですね、分かりました。15分程度でお届けいたしますので、お待ちください』
「はーい」
無事に頼むことが出来た。
15分程度で届けてくれるらしい。
便利なサービス。
「15分位で届くってー」
「はーい」
彩華は髪を乾かしている。
銀髪がドライヤーの温風でなびいている。
思わず見とれてしまう。
「…やっぱり綺麗」
彩華の銀髪はいつ見ても美しい。
彩華の髪は、誰が見ても美しいと感じるだろう。
「?どうしたの、紫雲ちゃん」
「あ、いや、何でもないよ」
彩華をガン見している事がバレてしまった。
まぁ、バレた所で問題は無いのだけれど。
髪を乾かし終えた彩華はパジャマに着替えて、リビングの椅子に座ってご飯を待っている。
「紫雲ちゃん、お風呂入らないの?」
「ご飯食べてから入るよ、15分じゃお風呂時間足りないし」
「それもそうだね」
18分後
「来た来た」
18分の後、ご飯が運ばれて来た。
容器は食べ終わったらそのままゴミ箱に捨てるタイプ。
中には注文通り海鮮丼とお刺身盛り合わせが入っていた。
そして、しっかり真野鶴も1升瓶で届いた。
「「いただきます」」
遅めの晩御飯。
いや、ほぼ夜食かな。
「ん!美味しい!」
「ねっ、流石国鉄ホテル」
お酒も美味しい。
良い休暇になりそうだ。
「彩華、飲む?」
「うん、飲む!」
彩華も日本酒を飲みたい様だ。
私は彩華のコップにお酒を注ぐ。
彩華は注がれたお酒を一気に飲み干す。
顔が一気に赤くなる。
「もう一杯!」
「はいはい」
上司と部下の関係で言えば、本来は彩華が注ぐべき所を私が注いでいる。
しかし、この場は上司と部下の関係ではなく幼馴染だ。
この真野鶴のアルコール度数は18度。
日本酒に良くある度数だ。
私が自分のコップに酒を注ごうとすると、彩華が瓶を強奪して来た。
彩華はコップギリギリに注ぐと、一気に飲み干した。
「うへぇ~」
酔った彩華を見れるのは私だけの特権。
彩華は酔うと更に甘えてくる。
暴力的にならなくて良かった。
「紫雲ちゃーん」
「ん?」
「好き~」
「んふふ、私も」
「うへへ~」
可愛い。
私は抱き着いて来た彩華の頭を撫でる。
彩華は満足そうに顔を胸に擦り付けてくる。
パジャマはボタンがされておらず、はだけている。
そろそろ潮時だろう。
彩華をお姫様抱っこして、ベッドに寝かせる。
気持ちよさそうな顔をしている。
「紫雲ちゃんっ!」
彩華をベッドに寝かせた途端、彩華が私の腕を掴んでベッドに引きずり込んだ。
私は彩華の上にのしかかる体制となった。
私を引きずり込んだ彩華は、私を抱いている。
「さ、彩華?」
「んふ~…ん~っ!」
彩華が口付けをして来た。
私の抵抗虚しく、彩華の舌が私の口内を蹂躙する。
舌を絡め合ったり、舌先を突き合ったり、内頬を舐め回されたり等々…。
私も彩華の口内を蹂躙すべく舌を伸ばした物の、見事侵入は阻まれてしまい、私が蹂躙されるばかりである。
彩華は口内を舐めまわすばかりでは飽き足らず、唾液を流して来た。
私も対抗して彩華に唾液を流し込む。
彩華は驚きつつもそれを受け入れる。
「「んはっ…はぁ…はぁ…」」
数分の接吻の後、お互い息が続かなくなってようやく口を離す。
「しゅき…!」
完全に酔いが回った様だ。
今日は私が酔って介抱される予定だったが、私が彩華を介抱する事となった。
「うへへ…」
彩華が私のパンツに手を伸ばそうとする。
しかし、途中で力尽きて寝てしまった。
「すぅ…んにゃ…んぅ…」
「…おやすみ」
私は彩華を抱きしめながら寝る事とした。
お風呂は朝入れば良いや。