[世界観説明が不要と言う方は、第零話までお飛ばし下さい]
歴史が変われば、未来も変わる、これは当然の事である。
この世界の日本は史実とは全く異なる歴史を歩んでいた。
1945年、大日本帝国は連合国無条件降伏し、武装解除をした。
日本は武器や兵器の製造を禁じれられた。
1950年、朝鮮戦争が勃発。
日本に駐留する米軍は皆朝鮮半島へ向かった。
マッカーサーはこれを受け、警察予備隊………では無く、米国の指導の下、日本軍を再建する事とした。
憲法も1度発布された日本国憲法を改憲し、憲法の矛盾となる項目を取り除き、武器・兵器の製造を認可した。
こうして、日本軍は再建された。
新設された日本陸海空軍は、かつての帝国陸海軍の面影を強く残しつつも、米国式の新たな制度や兵器、手法を採用し、他国の軍隊とは違う異様な雰囲気を放っていた。
その後、米国製の機械を導入し、武器や兵器の製造が再開された。
と言っても、初期はライセンス生産品を生産するだけに留まった。
その後、徐々に国産の兵器を製造するようになり、独立から10年後の1961年には高度経済成長期と共に国産兵器の製造はますます活発になり、遂には輸出を行った。
日本製の武器は世界各地の軍隊や武装組織で広く使用される様になった。
世界には日本製の小銃や短機関銃、手榴弾が溢れていた。
しかし、輸出したのは小火器のみで、榴弾砲や艦艇、航空機等は輸出せず、日本軍だけの使用に留まった。
時は流れ2028年、日本は遂に原子力潜水艦を就役させるに至った。
その名は伊820潜水艦。
伊820は第一潜水艦隊の旗艦として運用されている。
そんな、日本初の原潜を持つ艦隊を指揮するのは
七条家は代々海軍軍人であり、橘花もまた同様である。
橘花は中将であるから、当然副官も居る。
この物語は史実とは異なる世界で生きる2人と、その部下達の物語である。