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流星

 時は少し遡る。


 チョンカと別れたラブ公は竹馬に乗り湖の畔を抜け、山道に入っていた。

 今までのラブ公が走るときに見ていた流れる景色の速度とは明らかに違う。自分がここまで早く移動できるのかと思うほどに急いで走っていた。

 しかしそれでもラブ公には遅く感じられていた。自分もテレポーテーションを使えたらと思わずにいられない。それにチョンカが西京のもとへ行く前に、どうしてテレポーテーションで山頂に連れてきてもらわなかったのか、焦りが自責の念を加速させた。



「ミーティアちゃーーーんっ!!」



 先程からずっと走りながらミーティアの名を呼び続けているが、答えてくれるものは誰もいない。



「はぁ、はぁ、ミ、ミーティアちゃん……はぁ、はぁ」



 ラブ公は山頂が近くなるにつれ息苦しさを覚えていた。ラブ公は走り続けているせいかと思っていたのだが、それは火口か漏れ出る火山ガスのせいでもあった。乱れきった呼吸に耐えかねてとうとうラブ公は山頂を目前にして竹馬から転げ落ちてしまった。



「はぁっ! はぁっ! ぅ……ゲホッゲホッッ……はぁ……はぁ……ミー……ティア……ちゃ」



 ラブ公は匍匐姿勢で、それでもなお前進を止めなかった。見上げていた山頂はもうあと一歩なのだ。そこにミーティアがいるはずなのだ。



「だめ……だ、こんなことしてたら……ミーティアちゃんっっ!!」



 ラブ公は再び立ち上がった。

 もう自分の荒い呼吸音も聞こえないし、視界もどこか霧がかかったように白みがかってきている。

 それでもラブ公は足を踏み出し、歩き始めた。

 いよいよ山の斜面も走ることすら出来ないほどに急勾配となってきていた。


 それでもラブ公は自身の体を前に倒し、倒れる前に足を踏み出す。

 それを繰り返しながらもはや歩くような速度であったが走った。





 ラブ公は走った。


 斜面の砂利に足を取られ戻されながらも走った。


 もうミーティアを呼ぶことすら出来なくなっていた。


 それでも走った。


 きっといるはずなのだ。


 一人で泣いているはずなのだ。


 笑顔のとても可愛いミーティアが。


 色々なことを誰に相談することも出来ずに悩み苦しんでいるはずなのだ。




 ラブ公は走った。


 ミーティアに寂しい思いをさせないために。


 ラブ公は初めて出来た愛おしい人を想って走った──










 気が付いたとき、ラブ公は暖かい光に包まれていた。


 いつからかは分からない。しかしどうやら走りながら気を失っていたようだ。

 そして今自分は仰向けになって空へ舞い上がる黒煙を眺めている。


 そこまで考えてラブ公は青ざめた。

 まだ走らなくてはならない、ミーティアを見つけなければ──



「ラブ公……ちゃん……」



 起き上がったラブ公の後ろに、申し訳なさそうに俯いてしまっているミーティアがいた。



「ミ、ミーティアちゃん!!」



 ラブ公は山頂に辿りついていたのだ。

 今ラブ公とミーティアがいる場所は熱と火山ガスが支配する火口の縁であった。

 ラブ公はミーティアの展開するアニマガードに守られていた。



「ミーティアちゃん! よ、よかった……よかった!! 僕、僕心配で心配で……」


「…………」


「ミーティアちゃん、一人で何とかしようと思ってここまで来たんだよね? 僕も手伝うよ!!」




「ラブ公ちゃん……どうちて来ちゃったの……」




「……え? ミーティアちゃん、なんて?」


「……帰って」


「……え……」




「帰って!!!」




 濛々と黒煙が吐き出される火口は底の方から何かが蠢く音がずっと鳴り止まないでいた。

 そんな音を掻き消す、ミーティアの悲鳴のような叫びが響いた。



「ミーティアちゃん……」



 ミーティアはラブ公に背を向けた。その背中は少し震えているようにラブ公には見えた。



「あ、あたち、あたちは……ラブ公ちゃんのこと……き、き、き……嫌いっ……なのっ!! だから、だからもう帰って!!」








 嫌いと言われたラブ公は、とても優しい顔をしていた。


 ミーティアがいつも何かに苦しんでいることを知っていた。


 ミーティアが誰かに嫌われることを怖がっていることを知っていた。


 それ以上に、ミーティアは自分の過去を知られることを極端に怖がっていることを知っていた。







 出来るなら、その苦しみや恐怖を優しく包み込んであげたい。

 その為にラブ公はここまで走ってきたのだから。



「ミーティアちゃん」



 ラブ公の手が、ミーティアの頭を撫でようとする。



「ちゃ、ちゃわらないでっ!!!」



 そしてそのとき、轟音と共に大きな横揺れが二人を襲った。

 黒煙がそれまでの定量の放出ではなく、勢いよく噴き上がり、巻き上げられた小石が土砂となり雨のように降りそそいだ。

 ラブ公はミーティアのアニマガードのおかげで物理的干渉は全て弾いていたのだが、横揺れによりその場に尻餅をついてしまう。


 そしてラブ公は目の前のミーティアが、揺れに体を振られて、まさに火口へ滑り落ちる瞬間を見た。





「ミーティアちゃん!!」





 ラブ公は寸前のところでミーティアの小さな手を掴み、自分の方へ引き寄せ抱きしめた。



「あっ…………」


「大丈夫!? ミーティアちゃん!!」



 地震は治まったはずなのに、小さな揺れが止まらない。

 小石や灰や火の粉が舞っている。

 しかしそんな世界の終わりのような風景は、ラブ公の目には映っていない。


 映っているのは今自分の胸の中で震えている、小さくて可愛い女の子だけなのだから。



「やっぱりミーティアちゃんは優しいね……ここが危険だから、僕のことを無理にでも帰らせたかったんでしょ?」


「…………」



 ミーティアがしがみつく力が強くなった気がした。体の震えも更に強くなっている。

 ラブ公はそれ以上何も言わず、優しくミーティアを撫でてやった。



「ラブ公ちゃん……あたちね……」



 抱き寄せてくっついたまま、ミーティアはポツリと言葉を紡ぎはじめる。ラブ公は自身の体に冷たい感触を感じた。ミーティアの涙がラブ公を濡らしていたのだ。ラブ公は撫でる手を止めることはせず黙っていた。



「あたち、本当はね、にちぇものなの……あたちの体はあたちのじゃないち、あたちの心も『実験』で作ったんだって……」


「…………」


「そう言われて、実験が終わったら処分ちゅるって言われて……あたち、怖くてひっちに逃げたの……でも……殺ちゃれるのも怖いけど……でもあたち、本当は……あたちがあたちじゃないって分かって、ちょれが怖かった……ほんとはあたち、なんとなく分かってた……あたちの体、他の人と違うから……それでやっぱり、今考えてることも、感じてることも、全部、全部、全部にちぇものだって分かって……何から逃げたのか分からないけど……あたちひっちになって逃げたの……」


「…………」


「でも……逃げても……! 逃げても変わらなかった!! ううん、もっと怖くなった!! あ、あたちがラブ公ちゃんのこと……ちゅ、ちゅきって思ってるの……あたちじゃなくて、ちょれも全部作り物だからっ!! こんな作り物のあたちなんて……ちょんなの!! ラブ公ちゃんにちられたら……嫌われちゃうって……だってあたち、本当はミーティアじゃないからっ!! あたちが本当は誰なのかも分からない!! ううん、本当はあたちなんてどこにもいないの!! 逃げたってあたちは見つからない!! 最初からどこにもない!! ……あたち、あたちぃ……いぃ……ぁぁああーーーーーんっっ!!」



 ポタリポタリと、ミーティアの頭に雨が降ってきた。

 いや、それはおかしい。アニマガードを張っているのだ。

 ミーティアは分かっていた。それはラブ公の大粒の涙なのだ。




 どうしようもない恐怖と、癒えることなどないかもしれない悲しみを、その雨が流してくれるような気がした。


 ミーティアはラブ公の鼓動を聞きながら目を閉じる。




「あたち、どうちてここに逃げてきたんだろう……ひっちで逃げてる間、道が分かってるみたいにまっちゅぐ下の湖に来たの……」


「…………」



 ずっとずっとこのままこうしていたかった。

 ずっとこうしてくっついて、撫でていて欲しかった。



「あたち、村をちゅくいたい……どうちてか分からないけど、あたち、この村をとっても大切に思うの……初めて来たのに、そうじゃないような、全部見たことある風景に見えて……あたち、作り物なのに……そんなわけないのに……でもこの村だけはどうしても壊れてほちくないの!!」



 ミーティアを優しく撫でる手が止まった。

 やっぱり嫌われてしまったのかと、ミーティアは全てが壊れてしまったような感覚に襲われた。

 しかしそんなミーティアの体を、優しい両手が包み込み、いつもの定位置へ運んでくれた。



「ラブ公ちゃん……?」


「僕、ミーティアちゃんがここにいる理由、何となく分かったよ」


「え…………」


「行こう、ミーティアちゃん。僕も一緒に行くよ!」



 ミーティアは、火口の底を覗き込むラブ公の言葉を聴いて、驚きのあまり一瞬言葉を失ってしまった。火口を覗いたということはミーティアの考えを分かっているからだ。


 プリンプリンマンボの仕掛けた最後の爆薬が火口の底にアニマシールドを張られた状態で設置してあり、それが噴火を促している。そのシールドの上から、被せるようにアニマガードを反転させて張ることが出来れば爆発を抑えることができるはずだ。

 そして西京が見せたあの能力が使えれば、村も救われるはずだとミーティアは考えていた。


 しかしそれはミーティアのアニマガードが、流れる溶岩に耐えることが出来て初めて可能なことである。ミーティアの見立てでは恐らくは耐えられない。爆薬に辿り着くまでアニマガードがもってくれるか、それすらも怪しいのだ。全ての作業を終え帰ってくることなど、到底出来るはずもない。




 ミーティアは死を覚悟していた。

 どうしてそこまで村を守りたいと思うのか、それは自分にも分からなかったが命に代えても守りたかった。作り物の自分だけど、それで村が救われるならと、そう思っていた。


 救いに行くことは死ぬことでもある。

 だからこそラブ公の『行こう』という言葉だけは、到底頷けるものではないのだ。




「だ、だめっ!!! ラブ公ちゃんはもう帰って!! ここからはあたち一人で──」



 再び体を持ち上げられ、両手はラブ公と向き合う位置で停止した。

 わきが痛くならないように、左手でおしりを、右手で背中を支えてくれている。



「ミーティアちゃん」


「ラブ公ちゃん、絶対だめよっ!! し、し、死んじゃうかもちれないち、多分そうなると思うの!!」


「うん……分かってるよ……」


「わ、分かってない!! あたちは作り物だからいいのっ!! でもラブ公ちゃんは──」



 背中を支えていた右手が、溢れて止まらない涙をすくった。ラブ公の手のひらに、涙の雫たちが乗せられていく。








「ミーティアちゃんは作り物なんかじゃないよ。それに僕がずっとミーティアちゃんの傍にいるから……もう何も怖がらなくていいんだよ?」



「ラ……ラブ公ちゃん……」



「見て、ミーティアちゃん。ミーティアちゃんの涙って宝石みたいに綺麗だよ? もう泣かないで。綺麗な涙が勿体無いよ?」



「……うん……」




 溢れて止まらなかった。

 こんなに誰かを好きになったことなどない。

 止めることなんて出来るわけがない。



「ミーティアちゃん、大好きだよ。ずっと一緒にいよう? だからもしも死ぬときは一緒だよ」


「……うん……うん……」


「大好きだよ……ミーティアちゃん」


「……うん……」






 それまで小さく地面を揺らしていた振動が少しだけ大きくなってきた。地鳴りの音も発生源が深くなったかのように質の違ったものになっていた。



「ミーティアちゃん、行こう! もう時間がないみたいだよ」


「…………」



 ミーティアはラブ公の両手から浮かび上がった。隠していたが以前シャルロットに教わって、サイコキネシスも使えたのだ。

 ミーティアの体はそのまま火口の上空へと浮かんでいった。



「ミ、ミーティアちゃんっっっ!!!」


「ラブ公ちゃん……ごめんね……」


「ミーティアちゃん、だめだ! 僕も、僕も行く!!」



 ラブ公に張られていたアニマガードが、いつの間にか両足の部分だけが反転させられていた。まるで地面に張り付いてしまったかのように、ラブ公は足を動かすことが出来ずにいた。


 黒煙が立ち登り、火の粉が舞い、灰だらけの中で、ミーティアはにっこりと笑っていた。

 ラブ公が今まで見た中で一番の笑顔だった。

 頬を染め、はにかんだ様に笑うミーティアは、もう泣いてなどいなかった。





「あたちもね、ラブ公ちゃんのこと、だいだい……だーーーーいちゅきっ!! あ、あ、愛ちてるからねっ!!」


「ミーティアちゃん……」


「ラブ公ちゃん、生まれ変わったらあたちのこと、お嫁ちゃんにちてねっ!! 絶対、絶対約束よ!!」



 ミーティアはそれだけ言うと、煙よりも早く上空へ昇っていった。流れる涙が振り切れる速度で空を目指した。そして火口が一望できる高さまで昇って大きく深呼吸をした。



「ラブ公ちゃん……ありがとう……だいちゅき」





 ミーティアは張ってあるアニマガードを更に強化する。薄緑色の防壁が更にその色を深めていく。

 ラブ公はミーティアのアニマガードで動きを止められているが、同時に火口の環境から守られている。ミーティアが死ぬことはラブ公の死でもある。だから命が尽きる前に、噴火を止める必要がある。命が尽きてもそれだけは──


 意を決してミーティアは、火口へとその身を投げた。

 溶岩に接する時間を少しでも短くするために、速度を増し、煙を巻きながら落ちていった。



「ミーティアちゃん!!ミーティアちゃーーーーんっっ!!!」



 緑色の流れ星が火口の底へ落ちていくのをラブ公はその場に跪き、ただ見ているだけしか出来なかった。




















『ティア……ティア……』






 溶岩の中は真っ白に輝く世界だった。そしてミーティアは確かに聞いた。

 優しい誰かの声を。

 気がつけば自分の両隣に、男性と女性の気配がした。






『ティア、今日も湖へ行きたいのね? ふふ、あきれた子ね。昨日散々遊んだのにまだ足りないのかしら?』


『ははは、いいじゃないか。よし、今日は湖で遊んだ後は森で木の実を拾って帰ろう』



 ミーティアは差し出された二人の手をそっと掴んでみた。



『行きましょう、ティア』


『そら、肩車をしてやろう!』



 ミーティアは定位置から見える湖の風景が輝く世界に映っていたのを確かに見た。




 だがその反対側に、黒く、脈動する丸い物体があることに気が付いた。






 ミーティアは男性の肩から降り、女性の手を離した。






『……ティア……行くのかい……?』


「ぁ…………うん……」


『まぁ、本当にあきれた子……誰に似たのかしら?』


『間違いなくお前だろう』





『ふふ、そうね。そうだわ。私の可愛いティア……』


『行ってきなさい、ティア。しっかりな』









「…………お、おとぅちゃ……おかぁちゃ……」









 男性と女性の影は揺らぎ、そのまま輝きの中へ溶けていってしまう。


『ずっと先でいいからラブ公君を紹介しなさい』


『それまで見守っているわ。愛しいティア……』





















「ミーーーーティアちゃーーーーんっっっっ!!! うわああぁぁぁああああ!!!」



 ラブ公は泣き叫んだ。

 何も出来ない自分が悔しくてたまらなかった。

 愛しいミーティアだけを死なせることになってしまったことが許せなかった。

 自分には何の力もない。

 チョンカ達がいなければ何も出来ない。



「…………っ!! 力……そうだ、僕の力……!!」



 ラブ公の体を薄い赤の光が包んでいく。その赤はミーティアの緑のように、どんどん深さを増していった。



「うううううぅぅぅぅぅううぅうぅ!! ミーティアちゃん、届いて……届いてぇぇぇぇぇ!!!」



















 何もない、真っ白な空間にミーティアは浮かんでいた。

 黒い物体の大爆発もなんとかガードができた。

 しかし、ミーティアのアニマガードは限界を超え既に剥がれてしまっていた。

 体は燃え尽き、アニマが消失するのは時間の問題であった。


 しかしミーティアは満たされていた。

 何かを思い出したようで思い出せない。しかし心は静かで温かい気持ちで溢れていたのだ。


 もういいじゃないか。

 あとはラブ公達がなんとかしてくれる。


 そんな風に考えていた時だった。



(…………ぁ、これは……ラブ公ちゃん? ラブ公ちゃんなの??)



 赤く光る温かい光にミーティアは包まれていた。もう使い切ってしまったと思った力が溢れてくる。ラブ公らしい、とても優しい力。



(ラブ公ちゃん……ありがとう……これで最後まで……)









 地面が、山が、縦に揺れた。地震のときのように一度ではない。何度も縦に揺れた。

 ラブ公はミーティアのアニマガードのおかげで転がるようなことはなかったが、噴火が起こる可能性が頭を掠める。



「ミ、ミーティアちゃん……ま、間に合わなかった……」



 地中から何かが這い出してくる音が響く。揺れと共に自分のところへ急激な速度で近づいてくる。火口の壁を割りながら、とてつもない何かが昇ってくる────



「─────っっぅ!!!」



 それは全てを押しのけ山を割き、轟音を立てて火口から突き立った。

 隆起する地面に、ラブ公は後方へ弾き飛ばされ気を失ってしまった。












 どれ程の時間が経ったかはラブ公には分からなかった。

 それまでの異変が嘘のように、辺りが静まり返っていたのだ。



 最初に感じたのは冷気だった。


 ラブ公は恐る恐る目を開いた。



 目の前にあったのはとてつもなく大きな氷の柱であった。

 黒煙も、火の粉も、どこかへ行ってしまった。





 『サイコフリーズ』


 それがミーティアの思いついた、村を救う方法であった。


 一番深いところから、全てを凍らせ、火口を飛び出し天高くそびえる氷の柱は、ミーティアの最後の力。ラブ公の力を借りて作り出した氷の柱が山の噴火を鎮めたのだ。


 アニマガードが解けていた。

 それが一体何を意味するのか、ラブ公は分かっている。分かっているが信じられるはずがない。ラブ公はふらつく足取りで氷の柱に触れる。



 とても冷たい氷はどこか優しい温かさを持っていて、大粒の涙を流しながらラブ公は氷にもたれかかる。



 静かになった火口で、大きな泣き声がいつまでも、いつまでも、響いていた。

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