目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

最終話 二度目の人生、今度こそスローライフを



 ……たくさんの国を巡り、そこで新しい出会いがあれば、このように再会もある。

 苦しいこと、悲しいこと、厳しいことはあるが、そればかりではない。旅の中には、嬉しいこともちゃんとあるのだ。


 リーズレッタさんとの出会いは、それを思い出させてくれた。

 きっとこれからも、数々の出会いや別れ、再会など、たくさんの出来事があるだろう。


 これまでは、俺一人だけだった。これまでは、未来が不安だった。だが、これからはそうではない。

 アピラが……俺の大切な人が、俺と一緒にいてくれる。


 それだけで、俺の未来は、これまでにないほど、明るく照らされている。

 この先も、ずっと彼女と一緒ならば、なにがあったって乗り越えていける……俺の望んでいた人生が、そこにある。


「えへへ、レイさんだーい好き!」


「あぁ、俺もだよアピラ」


 アピラの存在が、確かな光となって、きっとこれからの未来を、明るく照らしていく。





 ――――――





「ねえねえ、こんな噂を知ってる?」


「噂って、なぁに?」


「ここから少し離れた、丘の上に薬屋があるんだって。そこに、不思議な夫婦がいるっていう噂」


「不思議な夫婦、って?」


「なんでも、旦那の方は成人したばかりの男の人らしいよ。それで、奥さんは、おばあちゃんだっていうんだ」


「それが、夫婦なの? 孫とおばあちゃんじゃなくて?」


「聞いた人がいるんだって! で、実際に夫婦だって答えたらしいよ!」


「じゃあもうそれ噂じゃなくない?」


「聞いてるだけじゃ真実はわからないし、噂だよ! だからさ、俺たちもそれを確かめに行ってみようよ!」


「おー、いいじゃん! 行こう!」



 …………これは、遠い未来の話。


 ある国の、少し離れた丘里に、一軒の家が建っている。

 そこに、まったく歳を取らない少年と、死ぬことのない老婆が、いた。


 彼らは、互いに愛し合い……永遠の時を、仲睦まじく、今も過ごしているという。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?