彼女の住むマンションに今日、お隣さんが引越して来た。
「よお、今日からよろしく頼むぜ」
亜矢の部屋に挨拶に来たお隣さんの第一声が、それだった。
「は、はぁ……春野です。こちらこそ、よろしく」
初対面なのにその馴れ馴れしくて乱暴な口調に亜矢は唖然としたが、その相手の容姿を見て一瞬、思考を止めた。
銀色の髪に、紫の瞳。整った綺麗な顔、亜矢と同じくらいの歳の少年だった。
たいていの女子なら一目惚れでもしそうな、いわゆる美少年。
目つきは鋭く、どこか相手を見下しているかのような。いわゆる、立場が上の目線である。
不思議なのは、春なのに、黒いコートを着ていたのだ。
「今日は挨拶までだ。じゃあまたな」
それだけ言うと、その少年はドアから離れ、自分の部屋の方へと向きを変えた。
亜矢は玄関で立ち尽くしていたが、ふと何か思い出したかのように少年が振り返った。
「それとあんた、もうすぐ死ぬぜ」
「はッ!?」
亜矢は訳も分からず、ついそんな声を出した。
(な、何、何なのかしらあの人は!?)
それに、挨拶に来たはずなのに、あのお隣さんは自分の名前すら名乗っていない。
亜矢は相手が部屋に入ったのを確認すると、自分もその人の部屋の前に立つ。
ドアの前に立ち、お隣さんの表札を見て名前を確認する。
表札には、『死神』と書かれていた。
「………コレ、本名なのかしら………」
冗談にしか思えないその名字に、亜矢はさらに疑問を膨らませた。
それが、亜矢と死神との出会いだった。
「それでね、その人ってどこかおかしいのよ」
下校途中、亜矢は親友の
「引越して来たと言っても、荷物が運ばれて来た様子もないし…」
思い出しては不審に思う亜矢に対し、美保はキョトンとしている。
「亜矢、何言ってるの?亜矢の隣の部屋にグリアくんが引越してきたのは随分前の事じゃない」
「え?」
亜矢は美保の顔を凝視した。
純粋な視線を向ける彼女の表情からは、嘘や冗談を言っている様子は伺えなかった。
「み、美保こそ何言って……。それに『グリア』って誰…………」
そう言った時、道路を挟んだ向こう側の道に歩く一人の少年の姿が目に入った。
銀の髪、その身長。忘れるはずもない、『彼』だった。
「あーーーっ!!あの人ッ!!」
指さして叫ぶ亜矢だったが、美保の方は相変わらず落ち着いている。
「噂をすればグリアくん、ね」
そんな美保を見て、亜矢が増々訳が分からなくなってきた。
『グリア』なんて人は、知らない。
ただ、あのは人は自分の隣に引越して来た人。それだけ。
なのに、何で———
「何で、ウチの高校の制服着てるのよッ!?」
「あ、亜矢ッ!?」
もはや美保の声も耳に届かず。
亜矢は我を忘れ、道路に飛び出した。
そんな事などに気付きもせず、どんどん歩いて行く彼に向かって亜矢は走り出した。
別に、彼を追いかける理由も、必要も今はない。彼は隣に住んでいるのだから。
でも———何故かその時は、身体が動いた。
「亜矢!!」
美保の叫び声が聞こえた。
「亜矢、危ないッ……!!」
—————え?
『彼』の方にしか視線を向けてなかった亜矢には、自分に迫り来るものすら見えなくて。
鳴り響く、ブレーキの音。
状況を頭で把握しても、すでに身体を動かすには遅い。
その瞬間、目に映っていた『彼』が、ふとこちらを向き、
…………微かに笑っていた。
それからの亜矢の意識は…………ない。
人の命は、こうも簡単に消えるものなの?
何の前触れもなく、突然こんな形で。
何でこんな事になったの?
いや。嫌———。
あたしには、夢があるのよ?実現させたい夢が。
それに第一、まだ『アイツ』の正体を突き止めていない。
人が死ぬかもしれない間際だというのに、笑っていたアイツ。
よく考えれば、あたしがこんな事になったのはアイツのせいじゃない?
もしかしたら本当に『死神』なのかもしれない、アイツ———。
「責任転嫁かよ?いい性格してやがる」
その声に、亜矢は意識を取り戻した。
亜矢は床に倒れていたらしい。
ゆっくりと上半身を起き上がらせると、その声の主の足が見える。
「え…………?ここ、どこ??」
亜矢は辺りを見回した。
自分が倒れていたこの場所は何もない、真白な空間。
ただ、目の前に『アイツ』の存在だけが見える。
「さあ、どこだろうな?」
少年は亜矢の反応を楽しむかのように、微笑を浮かべながら言う。
「あたし、車にひかれて…それで…………」
混乱する頭を必死に整理しようとする亜矢。
(そうよ、これはきっと夢なんだわ)
そう心で結論づけたが、その心を読んだかのように少年は言う。
「いや、あんたは確かに死んだ。今、あんたは魂のみの状態でオレ様と向き合っているんだぜ」
「あんたねえ…!!」
亜矢は立ち上がり、手を腰にあてて堂々たる態度で立ち向かう。
「死神さん…だっけ?本名かどうか知らないけど。何であんたがあたしの夢に出て来るわけ?あんた一体何者!?」
どうせこれが夢なら、何も戸惑う事はない。何でも言ってやろうと亜矢は思った。
だが、少年の方も少しも怯まない。見下すようにして亜矢を見る。
「オレ様の名は『グリア』。死神グリアだ。オレの名を覚えていてくれて嬉しいぜ?」
「全然嬉しくないわ、何せさっき死にかけたばかりですから」
「『死にかけた』じゃねえ、あんたは死んだって言ってるんだよ」
グリアがスっと腕を水平に伸ばした。
すると、その手に巨大な鎌が出現した。
普通の鎌よりも刃の部分が大きく柄が長い。異様な形をしている。
グリアはそれを握り、素早く振ると——
「っ!?」
次の瞬間、亜矢の喉元に刃の先が突き付けられていた。
初めてその強気な表情に恐怖の色を見せ始めた亜矢に、グリアは少し満足したように笑った。
「早速だがあんたの魂、狩らせてもらうぜ」
「………………」
一歩も動かず、ただ無言で呆然とグリアを見つめる。
グリアにすればその亜矢の姿は、意外な反応であったらしい。
鎌を握る手にこもる力を少しだけ緩めた。
「………何か言えよ、面白くねえ」
一点を見つめていた亜矢の瞳が、潤みはじめる。
「……あたし、本当に死んだの…………?」
さっきまでの態度からは考えられない、小さくて弱々しい声。
恐怖ではない、何か悲しみを含んだ表情。
「おっと、オレ様が殺した訳じゃないぜ?あんたは元々、この時間に死ぬはずだった。その魂を狙っていたのがオレだっただけの話で……」
気付かないうちに多弁になっている自分自身に対して、グリアは不思議に思った。
(何をオレは動揺している!?)
「あたしは、まだ死にたくはないわ」
弱々しい口調ながらも、亜矢は自分の喉元の刃に手をかけた。
グリアは思わず、一歩引いた。
「……触るんじゃねえ!この鎌は、魂を狩るんだぜ……!!」
今からこの少女の魂を狩ろうとしている者が言う台詞ではない。
だが、少しも恐れる事なく、亜矢は鎌の刃を素手で握りしめる。
血こそ出ないが、その刃は亜矢の手の中を切り刻む。
「あたしには、夢があるのよ」
「………ああ、知ってるぜ。ずっと見てたからな」
グリアは押されながらも、相槌をうつ。
「叶えたい夢があるの」
「実現するとは限らないぜ?」
グリアが鎌を自分の方に引くと、亜矢の手からその刃が引き抜かれる。
「そんな事は分かってる。でも……私は先に進みたい。ここで終わりたくないの、止まりたくないのよ」
命乞いとも違う、亜矢の強い意志が込められたその言葉に、死神の心が動き始めた。いや、死神に心があるのかは分からないが。
「変よね、何であたしは夢の中の人に真剣に話してるんだろう…」
少し舌を出して笑った。
怒ったり、沈んだり、かと思えば無理して笑ったり。
先程からこの少女は、いくつもの表情をグリアに見せた。
もっと、この少女の近くで観察してみるのも面白いかもしれない—。
それが、死神の出した答えだった。
「死神は、人の魂を喰う事で自分の命の源としている。使命で人の魂を狩っている訳じゃねえ。全て自分の勝手だ。人を選び、その魂を狩るのも、それを喰うも生かすも—」
「何が言いたいの?」
亜矢は不思議そうにグリアの顔を見上げた。
「あんたを生かしてやる」
意外な言葉に、亜矢は驚いた。
何がこの死神の心を動かしたのか、亜矢自身は気付かない。
「本当!?そんな事が……」
と、言いかけた亜矢の唇に、グリアはそっと人さし指を当てた。
思わず一瞬、言葉だけでなく呼吸も止めてしまう亜矢。
「出来るぜ。だが、あんたが死んだのは事実だ。これだけはオレ様でもどうも出来ねえ。だから…」
その人さし指で、亜矢の胸元を指した。
「オレ様が『仮』の心臓を与えてやる」
亜矢は自分の胸元に両手を添えた。
「どうして、死神のあなたがそこまでしてくれるの?」
そんな亜矢の疑問に答える事なく。
その答えは、グリア自身にも分からないから。
「まあ、あんたの命をこれからも保つには他にも色々必要だけどな」
「だから、何で…!!」
するとグリアは、亜矢の目の前に顔を近付けた。
驚き、亜矢の動きが止まる。
「あんたの事は、前々から興味があってな。少し楽しませてもらうぜ?その為に多少の下準備は済ませてあるしな」
下準備、という言葉を聞いて亜矢には思い当たる節がある。
グリアが、亜矢の隣の部屋に引越して来た事。
亜矢と同じ高校の生徒として亜矢の日常生活に、そして周りの人達の記憶の中にいつの間にか溶け込んでいた事。
全ては、グリアが仕組んだものだった。
気まぐれで勝手な死神に亜矢は怒りを覚えるが、それでも自分の事を生かしてくれるらしいグリアに、少しだけ有り難さも感じる。
そう、今までの話が本当の事であれば。
「それにしても、これって長い夢だわ」
突然の亜矢のとぼけた発言に、グリアはガクっとなった。
夢だと思い込んでいる相手に向かって動揺し、真剣になっていた死神。
グリアは一回息をつくと、再び鎌を大きく振りかざした。
「もう夢の時間は終わりだぜ?目ぇ覚ましな、亜矢。あと、少しだけ時間を戻しておいてやる。親切なオレ様に感謝しな!!」
「ちょっと、呼び捨てにしないでよ!!」
感謝する所か、別の所に反応し怒りを込めて叫ぶ亜矢。
構わずグリアは自分と亜矢の間の空間を切り裂くようにして一気に鎌を振り落とした。
それは、この空間全てを切り裂き、消滅させるような光を放って——。
亜矢が次に意識を取り戻した時に立っていたのは、先程まで歩いていた下校途中の路上。
「亜矢、何言ってるの?亜矢の隣の部屋にグリアくんが引越してきたのは随分前の事じゃない」
さっきも聞いた事がある台詞を言う、親友の美保。
亜矢は歩みを止めた。
「あ、あれ、あたし———」
夢から急に現実に戻された気がして、亜矢は呆然と立ち尽くした。
「どうしたの、亜矢?」
心配そうに見つめる美保の姿も目に入らず。
亜矢はふと、道路を挟んだ向こう側の道に視線を動かす。
グリアの姿は、ない。
さっきは確かに、グリアの姿を追って道路に出て、車に—……。
(白昼夢でも見てたのかしら…)
心の晴れないまま、その後亜矢は何事もなく帰宅した。
その日の夜だった。
亜矢は今日の事を思い出しながら、自分の部屋のベッドの上で転がっていた。
「あたし、疲れているのかしら…」
こういう時は寝るに限る!と思った時、来客を知らせるインターホンが鳴った。
亜矢はベッドから降りると、玄関の方へと向かう。
玄関のドアを開けて、固まった。
相手を見てからドアを開けるべきだった。
一人暮らしの基本を忘れていた。
「よお、来たぜ。コンバンワ」
何くわぬ顔で挨拶をしてくる、お隣さん。
「あーー!!あんた、死神!!」
思わず叫んだ亜矢に構わず、グリアは意地の悪そうな笑いを浮かべる。
「そう、死神グリアだ。おっと、お邪魔するぜ」
グリアは何といきなり、乱暴に靴を脱ぐと亜矢の部屋にズカズカと上がりこんで来た。
「ちょ、ちょっと何してんのよ!?警察呼ぶわよ!」
「何だよ、せっかく来てやったのに」
グリアは亜矢の部屋の中心に偉そうにあぐらをかいて座った。
「あんたの命はオレ様が握っているという事、忘れるな」
その脅迫じみた一言に、亜矢は衝撃を受けた。
「何で、あんたがあたしの夢の内容を知って……いるの?」
亜矢は力が抜けるようにしてグリアの前に座り込んだ。
「夢じゃねえよ。何なら、ここで鎌出してやろうか?」
夢だと思いたかったのだ。
信じたくなかっただけ。
亜矢は諦めたというか、心を決めた。
「いい、分かった………わ」
「お、物わかりいいな?その前にとりあえず、茶出せよ。オレ様は客なんだぜ?」
いきなり何様!?というか死神って茶飲むの!?と思いつつ、亜矢は仕方なくグリアに湯のみを出してやった。
コイツには、自分にとって重要なものを握られているからだ。
他でもない、自分の『命』。
「で、何しに来たのよ、死神」
「下の名前で呼びな。そのくらい許可してやる」
本当にコイツ何様ッ!?と腹を立てる亜矢の前で、グリアはズズーっとわざとらしく音を立ててお茶をすすると、意外にも真面目な表情をして亜矢に言う。
「あんたの心臓は仮のものだって言ったよな?その機能を維持させる為に必要なものがあるんだよ」
切り出された内容も、思ったよりも真面目で深刻なようだ。
「それって…何?」
不安げに聞く亜矢。
自分の心臓部分に手を当ててみる。
まだ信じられない、自分の中にある心臓が死神に与えられた物だって事が。
「それは、オレ様が定期的にあんたの心臓に『命の力』を注ぎ込む事だ」
亜矢はその時点で嫌な予感がした。
「機械があっても、電池が切れると動かなくなるだろ?まあ、命の充電…みたいなものか」
亜矢は少し身を引いた。今さらだが、自分の身にとてつもない危険を感じる。
「オレ様自身の力をあんたに分けてやるんだ、ありがたく思えよ」
「ちょ、ちょっと待って。その充電の方法って……」
恐る恐る聞く亜矢。だが、グリアはあっさりとしている。
「ああ?そんなの口移しに決まってんだろ」
「い、いやぁぁ!!何でそうなるのよッ!?」
亜矢は思わず反射的にグリアから離れ、ベッドの上に乗り避難した。
グリアは立ち上がり、自分もベッドの上へと乗り出す。
「心臓に力を送り込むには口移しが一番なんだよ」
「い、いやっ!何であたしがあんたなんかとッ…!!」
「生き延びたくねえのか?」
「あんたなんかとするくらいなら、死んだ方がマシ…!!」
そう言った瞬間だった。
ズキン……!!
心臓に何か大きな衝撃が走り、亜矢はガクっと体勢を崩した。
「………な、なに…………?」
胸を押さえる亜矢。息苦しく、呼吸も荒くなる。
グリアは冷静に、冷たくも見えるその瞳で亜矢を見下した。
「ホラ、電池切れだ」
「う…………」
苦しさのあまり、声が出ない。
自然と、目の端に涙が浮かぶ。
「そのままだとあんた、本当に死ぬぜ」
それでもグリアを見上げ、抵抗の意志を示す。
もちろん、死にたくはない。
でも、コイツの言いなりにもなりたくない。
亜矢のそんな意地と、生きる事への執着心が葛藤している。
どうする事もできない。苦しい。
「たす………けて」
「!」
グリアは目を見開いた。
「助…け………て……」
それは、グリアに向けて言われた言葉ではないだろうし、命乞いでもない。
ただ、苦しさのあまりに漏れた言葉。
亜矢が苦しむ姿を見ていられなくなったのか。
亜矢の言葉が、再び死神を動かした。
グリアは亜矢の身体を抱きかかえると、亜矢に向かって言い聞かせる。
「オレ様が生かしてやるって言ってるんだ、悪いようにはしねえ」
それは、今までにない、優しさを含んだような…。
片手で亜矢の身体を支え、もう一つの片手を亜矢の頭の後ろに回し固定する。
「少しぐらい我慢しな」
そのグリアの言葉を聞き、亜矢は細めていた瞳を完全に閉じた。
このまま目を閉じてしまえば、待っているものは死か、それとも——?
唇に触れた、何かの感触。
それと同時に、暖かい何かの力が注ぎ込まれていくのが感じられた。
その力は体内を巡り、ちょうど胸の辺で集結されていく。
何か、とても心地よい暖かさに思えた。
気が付けば、苦しさも全くなくなっていた。
心地よい眠りから覚めるようにそっと目を開ける亜矢。
だが、目の前にあったものは———
綺麗すぎる、『アイツ』の顔だった。
「きゃあぁああ〜〜ッ!!」
ドガッ!!
「でっ!!」
亜矢は片足で思いっきりグリアを蹴り飛ばし、ベッドがら落とした。
「て、テメエ!!人がせっかく力を注いで…!!」
「何するのよっ!!この変態ーー!!」
「24時間に1回の事くらい我慢しろよな!」
「何よそれっ!?何であたしが好きでもない男と毎日キスしなきゃなんないのよ!冗談じゃない!」
「キスとは言ってねえよ、口移しだ」
「同じ事よ、バカッッ!!」
はぁ、はぁと息を切らして、ひとまず息継ぎをする。
でも確かに、亜矢はこの死神に生かしてもらっているのだ。
「一生、ずっとこのままなんてごめんだわ。他に方法はないわけ?」
グリアはニヤっと笑った。
「ない訳でもねえが……その為には最大級の力を注ぎ込まなきゃな。その方法、知りてえか?」
亜矢の全身を舐めるようにして見るグリアに、亜矢はゾっとした。
「いい、知りたくないわ……」
これから先の事を思うと、気が重くなる。
グリアは再び、偉そうにあぐらをかいて床に座り直した。
「とりあえず、メシ作れ」
「な、何であたしが…!!早く帰ってよ!」
「いいから作れよ。命の代償に思えば安いものだろ」
もはやこれは完全に脅迫。
こうしてこの死神は、亜矢の部屋でしっかりと夕飯を食べていった。
死神に生かされた少女。
そして、これから再び始まる日常には、今までにいなかったはずの人が存在する。
死神グリア。
断ち切れない、命の絆。
それは、一人の人間の少女を手に入れる為の、
死神の最終手段なのかもしれない。