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トップシークレット桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~
日暮ミミ♪
恋愛オフィスラブ
2024年07月26日
公開日
112,127文字
連載中
大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉本社・篠沢商事に勤める25歳の桐島貢(きりしまみつぐ)。

彼は秋のある夜、上司の代理で出席した会社のパーティーで、会長令嬢で高校2年生の篠沢絢乃(しのざわあやの)に一目惚れ。実は所属する部署でパワハラに悩まされていた彼は、会社を辞めようと考えていたのだが、絢乃との出会いを機に会社に残ることを決める。

その三ヶ月後、会長・篠沢源一が末期ガンでこの世を去る。
葬儀の日、未亡人の加奈子と絢乃を車で火葬場まで送迎する仕事を任された彼は、火葬場の待合室で、父の遺言により会長の後継者となった絢乃を支えるべく、秘書室へ転属する旨を彼女に伝える。

絢乃は無事、会長に就任。会長付秘書として働くことになった貢はある日、会社帰りの愛車の中で絢乃に衝動的にキスをしてしまい――!?

草食系男子の年上秘書×キュートな10代の大企業総帥による、年の差オフィスラブストーリーのヒーローサイド。

プロローグ

 ――もしも「運命の出会い」というものが本当にあるのだとしたら、それは僕と彼女との出会いのことを言うのかもしれない。

 僕と彼女は八つも年齢が離れているし、生まれ育った家柄も違う。それでも出会い、恋に落ちたのだ。


 僕の名前は桐島きりしまみつぐ。銀行マンの父と、元保育士の母との間に次男として生まれた。四歳年上の兄は飲食関係で働いていて、僕自身は大手総合商社・篠沢しのざわ商事に勤めているごく一般的なサラリーマンだった。


 一方、彼女の名前は篠沢絢乃あやのさん。僕が勤める会社の大元・〈篠沢グループ〉の会長を父親に、元教師で篠沢家の現当主を母親に持つ(お父さまは婿養子だったらしい)大財閥のご令嬢で、出会った当時はまだ私立の女子校に通う高校二年生だった。

 こんな一見何の接点もなさそうな僕たちが出会い、恋に落ちたのは、運命といわなければ一体何だったというのだろう? ちなみにこれだけは言っておくが、断じて逆玉を狙っていたわけではない。念のため。


 ――人間万事塞翁さいおうが馬。人生というのは、どう転ぶのかまったくもって予測がつかないものだ。僕自身も雲の上の人である彼女と出会い、恋愛関係にまでなるとは想像もしていなかった。までは――。

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