特別なハンバーガーを食べた後の夜。ヴァネッサはリルが眠りについたのを見届けた後、暗い部屋の中でランプを灯し、一通の手紙をしたためた。
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親愛なるオーレリアン様
この素晴らしき時代に、貴方様とこうして文通できることを嬉しく存じます。
今までに交わした何通もの手紙を読んで、貴方様とその一族に興味を持ちました。以前上がった側室の話はいささか急ではありましたが、ジラード家での生活は悪くはないと感じています。しかし生涯における大きな決断となりますので、もう少しの間、個人的なお付き合いを続けることをお許しください。
ジラード家にまつわる良い話を聞きました。私の無知を晒すようで恥ずかしいですが、二年前の黒魔女の時、貴方様は国を取り戻すために先陣を切ってくださったのですね。私は魔女を好く考えておらず、今も城下町のどこかに潜んでいるのではないかと不安すら覚えていますが、勇敢で高潔な心を持つ御方の傍であれば安心できるかもしれません。
都合がよろしければ、貴方様とジラード家の栄光を聞かせていただけませんか。次の半月の夜が空いています。今度は二人で一緒の食事を楽しみましょう。お気に入りのワインを二本持っていきます。
女神ラファーラの風が届きますように。
ヴァネッサより