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「あら? またしてるの?」



 息子と孫が並んでテレビに釘付けになっている。テレビを見れば悲劇的な音楽と共に映像が流れていた。視線を下げれば機械が作動している、招待されて家まで赴くと時々孫がこのゲームをしている。余程良かったらしく以前息子が感慨深そうにあらすじと感想を語っていた。恐らくそれよね

 テレビから二人に視線を向けると孫の目が潤んでいた。びっくりして息子に尋ねようとすると息子は孫を見てうんうん何度も頷いていた。どことなく満足そう



「おばーちゃん!」



 困惑する私に可愛い孫が抱きついて来た。孫は瞳にいっぱい涙をためて、それを次から次に零していく。私の服に涙が染み込んでいっていて、濡れている柔らかいほほを撫でた



「……アレキサンドリアの……が……」

「どうしたの? おばあちゃんに言ってごらん?」

「アリーシャ姫が死んじゃった……!」







◇◆◇








「っ……!!」



 ――唇が震える。押さえようとした手も震えていた。両手で口を押さえる。声を出してもいないのに喉が渇いた

 今のは夢

 だけど思い出



「アリーシャ姫が……死んだ……」



 アリーシャなんてありふれた名前。アレキサンドリアだって同上。それにあれはゲームのお話

 ──なのにどうしてこんなにも、嫌な予感がするの?





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