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キズモノオメガの幸せの見つけ方
つきよの
BLオメガバース
2024年07月24日
公開日
20,647文字
連載中
少し苦しそうに眉間に皺を寄せた東谷に見下ろされ、胸の奥から沸き立った愛おしいという気持ち。
東谷の汗が俺の顔に滴り落ち、頬を伝う感触。頬に手を添えると、重ねるようにしながら握られた手のひらの温度。

あの日から三年ぶりに会うアイツは……
後輩α × 首筋に噛み跡が残るΩ  現代(社会人)オメガバースです。

第1話 再会

「勇利先輩……?」


真冬に照明も暖房も消されたオフィスで、コートを着たままノートパソコンに向かっていた俺、勇利渉は、背後から突然名前を呼ばれて後ろを振り向くと、見覚えのある姿に思わず驚き、心臓が跳ね上がった。


(どうして……)


声が出ないほど驚いたのは、今日はまだ、そこにいるはずのない人物が立っていたからだった。


「東谷……」


俺の目に映し出されたのは、俺が初めて新人研修を担当した後輩、東谷晧だった。


背が高く、ネイビーより少し明るい色の細身スーツに身を包み、落ち着いた色のブラウンカラーの髪が目鼻立ちの整った顔を引き立たせて、誰もが目を惹くルックスは最後に会った三年前となんら変わっていなかった。


そう、最後に過ごしたあの夜から空白の三年間なんて、まるでなかったかのように。

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