【作品情報】
原題:Paddington 2
製作:2017年/103分/イギリス・フランス
監督: ポール・キング
出演:ベン・ウィショー/ヒュー・ボネヴィル/サリー・ホーキンス
ジャンル:子熊ちゃん総受け・ロンドンムービー
(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)
【ざっくりあらすじ】
ロンドンのブラウン家にご厄介になり、そのまま数年――パディントンはすっかり近所の人たちとも打ち解け、みんなに愛されて楽しいロンドン生活を送っていた。
そんなある日、アンティークショップで素敵な飛び出す絵本を見つけたパディントン。
老グマホームで暮らすルーシー叔母さんへのプレゼントにぴったり!と、絵本を買うためにせっせと窓拭きでお金を貯めることに。
だがある夜、アンティークショップに忍び込むヒゲモジャの泥棒を目撃。
慌てて泥棒を追いかけるパディントンだったが、泥棒に逃げられたうえに自分が犯人に仕立て上げられて逮捕されてしまった。
裁判では、真犯人のブキャナンがパディントンに不利な証言をしたうえ、判事は理髪店で以前パディントンに毛を刈られてしまったオッサンという (主に向こうにとって)因縁の相手だったため、パディントンはあっけなく刑務所行きに。
しかし愛され属性なパディントンは、荒くれ者揃いの囚人たちともすぐに打ち解け、メシマズ刑務所を甘いお菓子がいっぱいのパラダイスに生まれ変わらせた。
それでも家族が恋しく、ブラウン家を思っては涙を流すパディントン。
一方のブラウン家もパディントンの無実を信じて、彼が目撃したヒゲモジャ男を探していた。しかしなかなか、その尻尾を掴めない。
家族を思って落ち込むパディントンの姿に、囚人仲間のナックルズたちが脱獄を提案した。
パディントンは「脱獄なんて悪いことは出来ない!」と一度は拒否するも――
一方のブキャナンは、盗んだ絵本を片手にロンドンの名所を荒らしまくっていた。
どうやら絵本には、暗号が隠されているようで?
果たしてパディントンの無実は証明されるのだろうか。
まあ証明されるんだろうけど、彼が出所後の刑務所はどうなるのだろうか。
いつまでもピンクのプリティ・プリズンであれ。
【登場人物】
パディントン:
すっかりロンドンでの暮らしに馴染み、ブラウン家のご近所さんとも仲良しこよしな紳士チビグマちゃん。
ルーシー叔母さんに素敵な絵本をプレゼントしようと頑張ったばかりに、冤罪で由緒正しい刑務所にぶち込まれる。ファーック!
ヘンリー:
ブラウン家のお父さん。中年の危機に直面しており、美顔マッサージやヨガに精を出す意識高い系心配性おじさん。ココナッツ投げという謎特技の持ち主。
なお、最終的にチャクラも開く。3ではスタンド能力も発現しているかもしれない。
メアリー:
相変わらずお洋服がオシャレな、夢見る可愛いお母さん。
別の世界線では半魚人と恋に落ちているだけあり、水泳がむちゃ得意。この華奢な体に、どれだけの
ジュディ:
ブラウン家のお姉さん。
1で付き合っていた彼氏と別れたことで、フェミニスト道とジャーナリズムに目覚めた。前作でクマ語を習得してた時も思ったけど、極端やなぁ!
ジョナサン:
ブラウン家の弟。前作では爆弾魔のロケット坊やだったけど、今作ではSLにドハマりしている。どのみち、なんかデカい熱機関を積み込んだ乗り物が好きなんだね。
しかし中学校ではSL趣味を封印し、謎の「Jドッグ」というニックネームでストリート系路線を装っているらしい。
バード:
ブラウン家の親戚のお掃除係。相変わらずクールでクレバーで有能。
なんで手錠を、ヘアピン一本で外せるんですかね……刃物を向けられ、躊躇ゼロでライフル銃へ手を伸ばす辺り、かつては傭兵とかだったのかもしれない。
グルーバー:
前作でもアンティークショップの店主として出て来ていた、お店も可愛ければ本人も超可愛いおじいちゃん。パディントンと仲良し。この二人のほのぼのティータイムを覗きたい。
ルーシー叔母さんへのプレゼントとして、隙あらばしょうもねぇサルのオモチャを渡そうとしている。
ブキャナン:
昔はウエストエンドの人気舞台俳優だったけど、今は落ちぶれてドッグフードのCMしかない見栄っ張りおじさん。
ヒュー・グラントさんは『ダンジョン&ドラゴンズ』といい、主人公をハメて投獄した末に自分が投獄される役がよく似合うね。ニッチ過ぎてたぶん、唯一無二。
ナックルズ:
刑務所でのご飯担当の、一番おっかない囚人。
なのに料理の知識は皆無。でもナイフ捌きだけはプロ級。ナニで学んだんですかね……
パディントンのマーマレードサンドを食べて何かに目覚め、最終的にパディントンにめっちゃ世話を焼いてくれる。
【感想など】
これは刺さる……大人に刺さる……そりゃニコラス・ケイジ氏も号泣するわいな……私も泣いた。
子供もターゲットにしているだろう映画なのに、このシリーズ、子どものキャストが極端に少ないよね。
ブラウン家の姉弟もティーンになっちゃって、もはや子ども感は薄いし。
声で誤魔化されがちだけど、パディントンが恐らく最年少。少なくとも精神年齢は超キッズ。
だから大人が観ちゃうと、パディントンを見守る周囲の大人目線になっちゃうのよ!
大人目線で、冤罪で投獄されるパディントンをただ見つめることしか出来ないのよ!辛い!
しかしそこはパディントンなので。
秒で刑務所を、パステルカラーの素敵キャッスルに生まれ変わらせます。めっちゃ居心地いいやん。なんということでしょう。
ただ今回、ブラウン家の面々とパディントンが別行動をしているパートが多いので。
改めて思い知る、ブラウン家一同のヤバさ。
パディントンを受け入れてくれるぐらいに風変わりな人々なのは、1の頃から分かっていたけれど。
実は風変わりとか、そういうレベルじゃなかった。
むしろパディントンという、ドジっ子兼ストッパーを近くに置くことで、どうにか社会からはみ出さずにいられるのかもしれない。
真犯人とはいえブキャナンの家に不法侵入するわ、勝手に汽車を乗り回すわ――パディントンがおっ被せられた冤罪よりも、作中でブラウン家が息をするように重ねている罪の方が普通にアウトですもの。
なんやかんやでお咎めなしになったっぽくて、本当によかったね。
そして裏主人公であろう、刑務所の愉快な仲間たち。
コワモテ揃いなのに二足歩行でマーマレード作りが得意なチビグマちゃんを受け入れる、なんだか憎めない悪党なんて――みんな好きなヤツやん。
『天空の城ラピュタ』とか『塔の上のラプンツェル』でも人気の連中と、同じ棚にいるヤツらやん。
そんな彼らにもエンドロールで素敵な結末が用意されていて、ほっこりです。
ただ一つだけ、不満点があるとすれば――
「2で再登場して欲しいなぁ」と思っていた近衛兵のお兄さんの代わりに、1でヘンリーパッパの女装姿にときめいていた警備員のお兄さんが何故か再登場していたこと。
お前かよ!!