【作品情報】
原題:Red One
製作:2024年/125分/アメリカ
監督:ジェイク・カスダン
出演:ドウェイン・ジョンソン/クリス・エヴァンス/ルーシー・リュー
ジャンル:童心たぎるアクションコメディ
(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)
【ざっくりあらすじ】
金さえもらえればどんな仕事でも請け負う、“追跡者”と呼ばれるダークウェブ界の有名人ジャック。
ある日彼は、顔も名前も分からぬ人物から北極圏での地震データが欲しいと依頼される。
手癖の悪さと小賢しさを活かしてちょちょいとデータを盗み取り、依頼人へ提供したジャック。
その頃北極圏では、クリスマスを控えたサンタクロースと彼を支える妖精たちが大忙しだった。
しかしジャックが提供した地震データ=トナカイたちの離発着データから、サンタクロースの住居の位置が割り出されてしまった。
不意を突かれ、サンタは何者かに誘拐される羽目に。
サンタの護衛であるカルは、ジャックが地震データを盗み出したことを突き止めて彼を捕獲。
そして彼を雇い直すことで、地震データを依頼した人物を探らせることに。
データの依頼人を見つけた二人は、彼のバックにいるのが魔女グリラだと聞かされる。
悪い子へのお仕置きに執念を燃やすグリラは、サンタを誘拐して彼の力を利用し、世にはびこるクソガキどもへ一斉お仕置きを行おうとしていた。
正直、「お仕置きぐらいなら……まあ、ええんちゃう?」とは思っちゃったものの、全てのキッズ (と、かつてキッズだった中高年たち)の未来を信じるサンタ
カルとジャックの即席コンビは魔女を追うことに。
クリスマス・イブまであとわずかだが、無事にサンタを救出してプレゼントを配れるのだろうか。
【登場人物】
カル:
サンタの護衛を務めるチームの長官。
どう見ても元レスラーな屈強マッチョマンだが、人間ではなく妖精の類らしい。
ハリポタの座敷妖精が、こんなビジュアルでなくて本当によかった……ヴォルデモート卿、勝ち目ないです。
見た目通り脳筋気味ではあるものの、それ以上に規律にうるさい風紀委員タイプ。
生真面目さから、年々民度が下がっている人類へ落胆&失望中。
ジャック:
FBIにスカウトされたこともある、何でも追跡できる凄腕ハッカー。トロールにも名前知られてるとか、かっけー。
冒頭での幼少期のやり取りを見る限り、お父さんに何かあった末に捻くれてしまい、そのままアウトローになった様子。
なおカルから「人間は脆いから」と言われているけれど、作中で誰よりも体を張っている。半神ばりに頑丈なので、本当に人間なのかが疑わしい。
サンタクロース:
子供たちの年末の希望。
本作では日々のトレーニングを欠かさぬフィジカル派。脱ぐと結構凄いよ。
クッキーと牛乳とチーズステーキは大好きだけど、マカロンは嫌いらしい。
クランプス:
サンタクロースの義弟とされる半神の怖い顔。子供を罰する存在で、「悪い子リスト」の作成者でもある。
早い話が、ドイツに伝わるなまはげ。なお、顔は怖いが作中で一番カッコいい見せ場がある。クランプスニキ、素敵。
グリラ:
今作の黒幕。
ぱっと見は可愛い女の子であるものの、実態は5メートル越えのモンスター。なんか触手も生えとるやんけ、クソが!
ディック:
ジャックの息子。バンド活動に精を出している思春期ボーイ。
父に似たのかちょっと素行不良であるものの、根は寂しがり屋で年相応にいい子っぽい。
個人的には悪さした彼へ「やるならバレないようにやれ」というジャックのお小言、割と好きです。
頭ごなしに「やるな」言われても、反発したくなりますからね。
【感想など】
誘拐されたサンタクロースを救え!というとびきりファミリー向けのテーマながらその実、人生に絶望した大人にこそぶっ刺さる、夢と希望がてんこ盛りのクリスマス映画でした。
主人公コンビであるカルとジャックは、それぞれ人間という存在に全く信頼を置いていなくて。
で、出会い方もクソなのでお互いへの信頼度も、もちろんマイナス値からのスタート。
そんな二人がワチャワチャしつつ、最終的には足並みそろえて敵をぶん殴る。ついでに世界への希望も見出す――それみんな好きなヤツじゃーん!
もちろんファミリー層もターゲットに据えているようで、主人公コンビの絶望っぷり以外は優しさで出来ております。
巨漢ハゲマッチョの妖精が暴れるという、ファンタジー度ゼロのビジュアルではあるものの、黒幕の狙いも世界征服や粛清などではなく、「悪い子へのお仕置き」だけなんですよね。
しかも、そこに救済策も設けられているので、やはり優しい世界です。
あと巨漢マッチョも暮らすサンタの街、めちゃメルヘン。
そこだけ昔のディズニー作品に出て来た、オモチャ工場っぽいの。
可愛い街でたそがれるロック様……一周回って可愛いやん。
オタクの悪い癖である、クソデカ主語を使って恐縮なのですが――
そもそも、クソ真面目脳筋役なドウェイン・ジョンソンさんを嫌う人類、この世におるんか? おらんやろ! みんな好きやろ! 私も大好きやしー!
なので人生や人間関係に疲れた大人、観よう!
そして予想の斜め上にアグレッシブなサンタのプレゼント配り風景に、みんなで唖然としよう!