【作品情報】
原題:The Sixth Sense
製作:1999年/107分/アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス/ハーレイ・ジョエル・オスメント/オリヴィア・ウィリアムズ
ジャンル:エモエモなヒューマンドラマ……と思いきやのホラーミステリー
(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)
【ざっくりあらすじ】
小児精神科医のマルコムは市長から表彰された日の夜に、10年前の患者であるヴィンセントに家宅侵入される。
バッキバキの筋肉+乳首ピアスで武装したヴィンセントは
「先生は自分を救ってくれなかった、約束を守ってくれなかった」
とマルコムを責めると隠し持っていた銃を発砲。銃弾がマルコムの土手っ腹にジャストミートした直後、ヴィンセントは自身のこめかみも撃ち抜いて自殺した。
そして1年後の秋、マルコムはコールという少年を受け持つことに。
彼は自分を撃った因縁の患者・ヴィンセントを彷彿とさせる症状を示していた。
事件以来、妻のアンナからフルシカトをかまされているマルコムはせっせとコール宅に通い詰め、あちこちに同伴し、少しずつ彼の信頼を勝ち取るように。
学校でも浮きがちなコールは、クラスメイトの嫌がらせによって病院送りとなった際、自分に付き添ってくれるマルコムにこう打ち明けた。
「僕は、死んだ人が見えるんだ」
精神科医のマルコムは
「この子だいぶヤバい……要入院やで」
と当初はドン引きしていたものの、自宅の地下室でヴィンセントを診察していた際のカセットテープを見つける。
そのテープをよくよく聴き直すと、自分ともヴィンセントとも違う男性の声が収録されていた。
声はスペイン語で、何度も救いを求めていた。
これを機に幽霊をちょっぴり信じるようになったマルコムは、コールに
「幽霊が何を求めているか、一回本人に訊いてみては?」
と提案をする。
10歳かそこらのガキんちょに、なんという無理難題を……相手は首にドライバーぶっ刺さってたり、頭エグれてたりすんねんぞ……
その直後、コールは自宅でゲロをぶちかます女の子の霊と遭遇。
当初は全力逃走を決めるコールだったが、マルコムの言葉を思い返してきびすを返す。
初めて幽霊と向き合ったコールは、女の子ことキラの心残りを教えてもらうことに。
彼のこの頑張りが、やがてはマルコムの救いにもつながるのであった。
【登場人物】
マルコム:
大学時代のものと思われる、ボロッボロのトレーナーを今も愛用している精神科医。
親指が取れちゃう手品よりもショボい、カスみたいな手品が持ちネタ。
ここ1年ほど、奥さんに無視されがち。カス手品が原因でないといいけれど。
コール:
いっつも弱々しい顔でぽつねんと立っている、視えちゃう系男児。顔がちょっとおじいちゃん犬っぽい。
そして何故かマルコムや母のリンなど、年長者のメンタルケアに回りがち。顔が老犬風だからか。
基本は弱々しいけれど、意外と手癖が悪い。教会にて、ノールックで人形をくすねていた。伝説のスリかよ。
リン:
コールのママ。爪とシャツの柄が強そう。
というか肝も据わってそうで、コールを思って就寝中にうなされている時も
「友達にいじめられたの? 仕返ししてやらぁ!」
といった具合の寝言を発して、すかさず報復しようとしていた。ステイ、ステイ!
アンナ:
マルコムの奥さん。アンティークショップを営んでいる様子。
最近は旦那を無視しているけれど、結婚記念日には思い出のレストランに行くし、毎晩結婚式のビデオを観ては寝落ちしているようで?
キラ:
コールの部屋に現れた、ゲロ吐いてる女の子の霊。我が家での通称は「ゲロ子ちゃん」。
コールにどうしても伝えたいことがあるらしいけれど、それにしては現れ方が毎回ショッキング。
ベッドの下から急に手伸ばして、足首掴むなや!
コールの飼いイッヌ:
『動物のお医者さん』のチョビっぽい子犬。むちゃ可愛い。
ちなみにこのチョビちゃんは、最後まで無事です。よかった。
【感想など】
ウン年ぶりに観ました。今はムッチムチのおじさんになっちゃった、ハーレイ君がちっちゃい!
結末まで把握した状態で観返すと、ナイトシャマラン監督が徹底的に観客をだまそうとしてるなぁということに気付いた次第。
だってこの映画、オバケが出て来る一応ホラー映画にもかかわらず、画面がずっと明るいんすよ。暗闇シーンがほぼない。
それにコール少年が「ワイ、幽霊見えまんねん」とマルコムに打ち明けるまで、BGMも割とこざっぱりした淡白な代物で。
……まあ、それ以降はホラー度がっつりな、BGM・SEも流れまくるのですが。
ただ前半までは、ぱっと見・ぱっと聞きだとフィラデルフィア南部のオシャレな街並みも合わさって
「なるほど。孤独なブルース・ウィリスが孤独な子供と出会って支え合う感じの、しっとり系ヒューマンドラマかな」
とも思えそうな作りでした。
そりゃ当時、ブルース・ウィリス氏が
「映画のオチ、絶対ネタバレすんじゃねぇぞ」
と念押ししてただけあるわ。だます気満々じゃーん!
あとオチを知った状態だと、色々気付ける小ネタもあるので周回が楽しい点もいいよね。
上記の打ち明けシーンにて、マルコムを見上げるコールの表情が初回だと悪霊に追いつめられて疲弊しているように見えるけれど、2回目以降は「頼む、気付け!」と懇願してるようにも見えたり。
またオチに絡むマルコムのフットワークの激軽さのおかげで、話の進行も早い!
神出鬼没、ありがてぇ……
そんな具合に細部までよく考えられた映画だなぁ、としみじみ再認識しました。
ただ唯一腑に落ちないのが、コールのおばあちゃん (もちろん死んでる)の挙動。
娘であるリンが持ってる、自分の形見のネックレスを娘の部屋から持ち出した後、何故コールの机に戻したのか。
おかげで娘と孫、しなくてもいい不和を奏でちゃったじゃない……出したものは、元あった場所に返したれや!