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『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

【作品情報】

製作:2023年/119分/日本

監督:渡辺一貴

出演:高橋一生/飯豊まりえ/長尾謙杜

ジャンル:ミステリー……いや、ホラーだな、ホラー!

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

故買屋へガサ入れ――いえ、取材に訪れた岸辺露伴きしべろはんは、そこで見かけた冊子に載っていた、モリス・ルグランなる画家の真っ黒な絵に興味を惹かれる。


その絵が出品されるというオークションに参加し、露伴は150万の札束パワーで無事に落札。

しかし絵の競売相手だった胡散臭い二人組が、往生際も悪く岸辺邸へ侵入。あやうく絵を奪われかけるも、盗み出した男が謎の幻に襲われて絵を手放したため、どうにか盗難は未遂で終了。もちろん警察は呼ばないよ。だって面倒だから。


なお、盗難騒動のゴタゴタ時に絵の裏側が破られており、そこには「これはルーヴルで見た黒 後悔」というフランス語でのメッセージが書かれていた。


黒い絵と謎メッセージを見て、露伴は過去のとある出会いを思い出す。

漫画家としてデビューまもない頃、祖母の下宿で一時期暮らしていた露伴は、そこで奈々瀬ななせという女性と出会っていた。


奈々瀬は和風な美人だけど、彼女をモデルにしたキャラクターを漫画に出すと大激怒して枝切りばさみで原稿をザクザクしたり、割とエキセントリックな人だった。

この作品、情緒不安定な女性が多いぜ。


ある夜露伴は彼女から、山村仁左右衛門やまむらにざえもんという人物が描いた「この世で最も黒く邪悪な絵」の存在と、絵がルーヴルに保管されていることを聞かされた。


その後奈々瀬は忽然こつぜんと姿を消したため、露伴自身も彼女は自分が見た白昼夢だったのかなぁ、と長年疑っていたのだが。

今回のモリスの絵を巡る騒動も含め、何か因縁めいたものを覚えた彼はルーヴル行きを決意。


露伴は作中唯一の清涼剤あるいは光属性のいずみを連れ、ルーヴル美術館を訪れた。

美術スタッフのエマ女史によって館内の案内を受けている際に、東洋美術のキュレーターである辰巳たつみとも出会う。


しかしその最中、エマに代わって仁左右衛門について調べていた別のスタッフが、奇声を上げて吹き抜けから飛び降りるという事件が発生。

幸いスタッフは一命を取り止める。

そして彼のPCの閲覧データから、仁左右衛門の絵が既に封鎖されたはずのZ-13倉庫にあると判明。


エマと辰巳と、あとムキムキマッチョマンな消防士×2を伴った露伴と泉は、夜のZ-13倉庫へ。

そこで、黒い絵の作者であるモリスがフェルメールらの贋作を描かされていた、という予想外の事実まで発見しちゃった。

モリスの描いた贋作と真作をすり替えて保管し、本物はモリス本人の絵の裏に潜ませて館内に持ち出す。その後、闇ルートで売りさばく――という手口での犯行が行われていた模様。


どうやら露伴のお家に侵入した二人組も、モリスの絵の裏にあるはずの真作目当てだったらしい。

そして贋作チームの残りのメンバーが、キュレーター辰巳とマッチョマン消防士コンビであった。だと思ったよ!


急に刑事ドラマっぽいトラブルまで発生し、肉弾戦にまで発展したものの――そこは岸辺露伴シリーズなので。

なんか奥の壁にかかってる……あれって、何か黒い絵?と何人かが気付いた瞬間。

それぞれ阿鼻叫喚地獄に陥った。


そう、奥に潜んでいた絵こそが、仁左右衛門作の「この世で最も黒く邪悪な絵」だったのだ。

某御神木の樹液という、罰当たりな材料を使ったらしいその絵には、見た者の(ご先祖様にまで遡って)罪悪感や後悔を具現化させ、それに触れられると死ぬという激ヤバな作用があった。もはやリーサルウェポンじゃん……


例によって絵をガン見した露伴も、黒塗りで斧を持ったヤベぇお侍さん?の幻に襲われる。

あわや、という時にその幻のお侍を止めてくれたのは――奈々瀬だった。

彼女は「全て忘れて」と、露伴に告げる。



【登場人物】

岸辺露伴:

毎回びっくりするぐらい懲りずに、余計なことに首を突っ込んでは痛い目に遭っている、学習力ゼロなイケメン漫画家。相変わらず腕がセクシー。

なお我が家では「露伴ちゃん」と呼ばれています。

もちろん今回も懲りずに火中に飛び込むし、そしてまだ懲りていない模様。

若かりし頃の露伴ちゃんは白基調の服なのに、四十路の現在は黒基調なのは、やっぱ年齢を重ねて腹黒になったことの象徴なのだろうか。


泉京香:

毎回ぶっ飛んだ服装+頭にどデカいリボンという、常人なら到底似合わないファッションを華麗&軽やかに着こなす、作中一番のピュア社会人。相変わらず腰の位置高っ!足キレイ!

なお泉くんは、我が家でも普通に「泉くん」と呼んでいます。

泉くんはどんだけ塩対応をされても、無邪気に露伴ちゃんのことを褒め褒めするし、出会って間もないエマさんにも自然に寄り添えるし、どんだけいい子なんだ。

私にも泉くん、ください。露伴ちゃん、マジずるい。


奈々瀬:

全身白ファッションだった、駆け出し漫画家少年の露伴ちゃんの心をかき乱した、謎の情緒不安定女性。

まあ、身近にこんな陰のある美人が住んでたら、思春期ボーイは一発で落ちますわな。

彼女と露伴ちゃんの思いがけないつながりが、ちょっぴり切ない。


山村仁左右衛門:

激ヤバ・リーサルウェポン級日本画の生みの親。

彼の、絵を描き上げるまでのエピソードは不憫すぎて『るろうに剣心』の人誅編の趣すらある。

っていうか、仁左右衛門の弟がムカつく……!



【感想など】

この作品、パリの街並みも似合うなぁ。

ドラマ版もいちいち映像がオシャレだったけど、今回は更に映えるシーンばっかりで目がキラキラしちゃった。なんか、いい栄養も貰った気がする。


モナ・リザ前に佇む露伴ちゃんたちのシーンなんて、素敵すぎる。


あと泉くんが善性の塊すぎて、天使かな……と思いました。

なんであの絵を見て無事なのよ。ピンピンしてんのよ。先祖代々、無垢の塊なの?

実は人ではないナニかなの? あ、やっぱり天使かね?


それでもいいです、可愛いから。好きぃ!


今回は泉くんの「もー!」が聞けないのかしら、とかなり残念に思っていたら、最後に聞けたのでよかったです。あー可愛い。やっぱ好き。


お話自体が面白いのはもちろん、余計なことする露伴ちゃんを彩るホラー演出の玉手箱なところも、変わらず素晴らしかったです。

仁左右衛門の絵が、後ろに薄らぼんやり映って「あ……」と気付くシーンの気味悪さったら、もう。たまらんです。


オシャレな映像でごまかしてますけど、結構ホラー要素あるよねぇ。

これからも、露伴ちゃんと泉くんの陰陽コンビのトラブルを、気合の入ったホラー要素で何卒彩ってくださいまし。


ちなみに『ルーヴルへ行く』の原作は未読なのですが、露伴ちゃんのおばあちゃんはあのエリナばあちゃん仕様のグラサンを着用しているのでしょうか?

それとも、スタッフさんの遊び心?

だとしたらグッジョブです。

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