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『M3GAN/ミーガン』

【作品情報】

原題:M3GAN/ミーガン

製作:2022年/102分/アメリカ

監督:ジェラルド・ジョンストン

出演:アリソン・ウィリアムズ/ヴァイオレット・マッグロウ/エイミー・ドナルド

ジャンル:社交性が死んでるメンツだらけのホラー

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

オモチャメーカーで、歯が妙にキモいおしゃべりペット人形の開発をしているジェマ。


ある日あまり仲がよさそうでない姉 (だいぶ性格キツそう)が、スキー旅行の途中で粗忽そこつな旦那と口喧嘩の末に揃って事故死。運転中に喧嘩すな。


ジェマは一人遺された傷心の姪ケイディを、行きがかり上引き取ることになった。

どうやら義兄のご両親は、だいぶ性格がアレみたい。

作中では全く出てこないんだけど、どんな人たちだったのか。


しかしジェマは仕事一筋の研究者であるため、子供との接し方なんてまるで分からない。

おまけにケイディとの交流も乏しかった模様。


困ったジェマであったが、自分が学生時代に作った人型ロボにケイディが興味を持ったことに気付く。


「せや、勝手に開発してCEOにバチクソ叱られた少女型ロボットを、やっぱり勝手に完成させてケイディの遊び相手にしたれ!」

思い立ったが吉日なジェマ、開発費1,000万を無断課金して少女型ロボットことミーガンを完成させた。


そして見事にケイディと、CEOのハートをぶち抜くことに大成功。クビにならなくてよかったね。


順風満帆に思われた、ミーガンも含めた女三人での共同生活であったが。

ケイディと触れ合う中で自己成長を遂げていくミーガンは、やがてケイディ強火勢の過激派へと進化していった。


気付いた時には後の祭り。

死者二人+ワンちゃんが犠牲になっていたぞ。

どうするジェマ!



【登場人物】

ジェマ:

大手おもちゃメーカーで、湯銭のごとく開発費を勝手に使った挙句、無断で身長120センチサイズのロボットを作り上げるごうの研究者。やべぇ。

今までロボ一筋かつ子供とは縁遠い生活だったようで、自宅に子供のお楽しみ要素がないのは無論、「そういう言い方はしちゃダメだろ!」な発言のオンパレードだったり。

それでもケイディを大事に思っているのは真実で、ミーガンの完成まで無理を通したのも、当初は彼女への愛ゆえだった。


ケイディ:

ロボット大好き、戦闘ごっこ大好きな、割と武闘派思想っぽい美少女。

思うに、気質は叔母に似ている気がする。

彼女も彼女で社交性が低そうであるため、多忙なジェマとの関係がほんっっっとに進まない。

だから終盤の、精神と時の部屋みたいなカウンセリングルームでの一幕に、むちゃくちゃ救われました。


ミーガン:

心に傷を負った少女に寄り添う、心優しき少女型ロボット……そう思っていた時期が、一応一瞬だけありました。一応ね。

でも割と早い段階で「あかん」となりました。あれはあかん。

マンガ『からくりサーカス』のフランシーヌ人形じゃないけど、腕力とかに制限かけれんかったん?


デヴィッド:

高圧的なおもちゃメーカーのCEO、つまりジェマの雇い主。

初登場時から「ああ、こいつ殺されそう」オーラを、全身からほとばしらせている。

もちろんその期待は裏切らない。

でもジェマに1,000万ドルを使い込まれてもクビにしなかった、超広い度量の持ち主でもある。


セリア:

100均じゃないよ!

ジェマのお隣に住んでるおばちゃん。自分の隣人には欲しくないタイプであり、「ああ、こいつ殺されそう」オーラ発散者その2でもある。



【感想など】

CVがルーク・スカイウォーカーな『チャイルド・プレイ』かと思ったら、最後は『リアル・スティール』でござった。

ラストのケイディがマジ雄々しかったです。

子供って、いつの間にか成長するもんだねぇ……いやぁ、将来有望。


ホラー部分については「あ、コイツ死ぬな」と思った登場人物が分かりやすくSATSUGAIされる、割とシンプルなホラーでした。


でも予告編やCMで感じるほど、案外ホラー成分は高くなくて。

むしろ映画の半分がホラーという印象。


あとの半分は、両親を亡くした女の子と、今まで仕事一筋で生きてきた叔母の二人が、現状から目をそらすことを止めて、出来る範囲で折り合いをつけるまでの経緯という。

そこだけフィーチャーすれば、かなり真っ当なヒューマンドラマ。

全部まるっと解決でなく、お互いにギリギリ納得できる範囲の着地点を見つける辺りが好みです。


それでもってこれは、あくまでも個人の感想ではあるのですが。

作中での登場人物の会話を拾い上げて、ケイディの両親――特に母の人物像を察すると。


妹のジェマに対してあまりいい感情を持っておらず、それを娘のケイディの前でも隠さずぶっちゃけており。

ついでに娘に学校は不向きと判断して自宅学習をさせている割に躾は不十分 という、色々と歪みのある保護者な印象がありました。なにせケイディ、そこそこ大きいはずなのにトイレすら流さないからね!


今回、ケイディとジェマの二人の関係性がこじれた要因の一つに、ケイディの社交性をガン無視した教育方針もあったのでは、とか思っちゃったり。


もちろん、フリースクール=絶対悪というワケではなく。

学校に通わないなら、別口で対人スキルも学ぶ必要あるよなぁ……とか思っちゃった次第です。

そういう意味では学校って、問題点は今もたくさんあるものの、とても効率のいいシステムなんだろうな。知識と社交性と体力と、ついでに大人の事情へのお察し能力なんかを同時に学べてさ。


なお、そんなこんなで不器用な叔母と姪の交流にハラハラしつつ。

最後はなぜか、叔母ジェマが大学時代に作った試作機ロボが大活躍するという、予想外に熱いロボットアニメ調展開も挟まれます。

どうしてこんなことに。でも好き。

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