【作品情報】
原題:The Mummy
製作:1999年/124分/アメリカ
監督:スティーヴン・ソマーズ
出演:ブレンダン・フレイザー/レイチェル・ワイズ/アーノルド・ヴォスルー
ジャンル:冒険活劇なアクション
(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)
【ざっくりあらすじ】
古代エジプト、セティ1世治世の時代――当時の大神官だったイムホテップは、王の愛妾であるアナクスナムンと恋仲だった。
しかしそのことが、セティ1世にバレちゃった。
焦ったのか開き直ったのか、二人は王をめった刺しにして亡き者に。それ最悪手では?
案の定、すぐに兵士が駆け付ける。
アナクスナムンは「必ず私を蘇らせて」とイムホテップに告げて、彼を逃がす。
そして自分は囮となり、自害。
愛する人との約束を守るため、イムホテップはアナクスナムンの遺体を盗み出し、死者の都であるハムナプトラへ。
そこで蘇生の儀式を行うも、彼を追って来た兵たちが寸前で突入。
イムホテップと、彼の部下である神官たちは捕らえられた。
神官たちは生きたままミイラにされ、首謀者であるイムホテップには「ホムダイ」という呪いがかけられた。
そこから時は下って3,000年後。
フランス外国人部隊に所属していたリックは、現地民とハムナプトラで交戦中。
部隊の指揮官と、おまけに部下の一人であるベニーは敵前逃亡し、他の味方もどんどん死亡。
多勢に無勢で絶体絶命となった時、地下に眠る邪悪な何かの介入によって、運よく逃走に成功。
そのまま砂漠をさ迷うことに。
更に3年後、カイロの博物館で図書館司書として働くエヴリンは、考古学会から認められない日々に鬱屈していた。
そんなある日、兄ジョナサンがある男性からくすねた、ハムナプトラへの地図と不思議な小箱を見せられる。これでハムナプトラを発見出来たら、考古学会入りも夢じゃないぜ。
元の持ち主であるリック(何故か刑務所暮らし)を訪ねて話を聞き、刑務所所長と交渉することで彼を釈放。ハムナプトラへの道案内を頼む。
一方、リックを見捨てて逃げたベニーも、アメリカ人探検家とエジプト人学者に雇われ、ハムナプトラへ再び舞い戻ることに。
船でばったり出会う、リックとベニーたち。そして彼らを付け狙う謎の覆面集団により、船は大炎上。
命からがら脱出した一行は、なんとかハムナプトラへと到着。
そこでも覆面たちの妨害を受けつつも、リックたちは妙に鮮度のいい(リックとジョナサンいわく「生っぽい」)ミイラを、アメリカ人一行は死者の書を発見する。
リックの持っていた小箱が、どうやら死者の書の鍵らしいと気付いたエヴリン。
アメリカ人たちからこっそりと、死者の書を拝借して開錠。
中に書かれている呪文を読むと、生っぽいミイラが突然蘇生。
そう、フレッシュなミイラは、呪いの副作用で不死のモンスターと化したイムホテップだったのだ。古代エジプト人め……
みずみずしいミイラはやがて、エジプト全土を巻き込んで大暴れ。
おまけにエヴリンを、「アナクスナムン」と呼んで付け狙う始末。
果たしてリックたちは、イムホテップに引導を渡すことが出来るのか。
【登場人物】
リック・オコーネル:
銃を持っても剣を持っても、もちろん素手でも超強いアメリカ人。
イケメンかつ、腕まくりしたシャツから見える筋肉質な腕が超セクシー。
ただ、思考回路は割と脳筋。
ベニーから「頭は悪い」と言われた際、笑いながら怒ったものの否定はしていなかったので、本人にも自覚はあるのかも。
刑務所での初対面時、エブリンへキスした理由を「気まぐれ」と言い切ったりと、当初は彼女に雑な態度を取っていた。
が、どんどん面白いぐらいに、ほだされていく。チョロい、だがそこがいい。
また自分を二度も裏切ったベニーの身を案じたりと、かなりお人好し。
エヴリン:
高名な冒険家だったイギリス人の父と、同じく冒険好きだったエジプト人の母を持つ、才色兼備でちょっとドジな司書さん。可愛い。
巻き髪かつ姫カットっぽい髪型で、これまた可愛い。
男性慣れはしていないようで、刑務所でいきなりリックにキスされた時の、ポーッとした顔もめちゃくちゃ可愛い。
とにかく可愛いけれど、敵の目を的確に狙って攻撃したり(しかも2回)、イムホテップにフルボッコにされているリックへ「そのまま頑張って」と冷静に告げたり、案外無慈悲。
ジョナサン:
たぶん両親の、自由奔放さだけが遺伝したと思われる、自他ともに認める風来坊なエヴリンの兄。
作中一番のコメディリリーフ。
イムホテップに操られたカイロ市民と出くわした時の、グッジョブ過ぎる機転は何度見ても笑える。
一方で射撃がかなり上手だったり、スリのテクニックで2度も一行の窮地を救ったり、妹大好きだったり、愛すべき三枚目お兄ちゃんである。
この人のおかげで、コウノトリのヒエログリフは「アメノファス」と読むことを覚えました。
イムホテップ:
フレッシュでミイラな大神官かつ、愛に生きる情熱家。
「ホムダイ」というヤバヤバな呪いを受けたせいで、不死身の肉体になって蘇った。古代エジプト人、ほんま何してくれてんの。
自分の肉体を完全復活させつつ、エヴリンを依り代にアナクスナムンも蘇らせようと、早々にハムナプトラを飛び出して、やりたい放題の限りを尽くす。
なお、猫ちゃんが大の苦手。
アーデス・ベイ:
リックたちを狙う、覆面集団のリーダー。ちょっと平井堅さんに似ている。
正体は、かつてのエジプト王の近衛兵の子孫であり、ハムナプトラの番人。
イムホテップ復活後は、リック一行 (とアメリカ人たち)と共闘。
終盤は飛行機にハッスルしたりと、お茶目な一面も見せたり。
あと、多くの人間が憧れるであろう、「俺に構わず先に行け!」を実践して見事に生還。かっけぇ。
ベニー:
リックの元部下で、土壇場で彼を裏切ることに定評のある男。
とにかく長いものに巻かれる主義らしく、イムホテップが蘇った後は生者のプライドなどかなぐり捨てて、彼に絶対服従。また、古代エジプト語も分かるらしい。意外にインテリだ。
そんなこんなで自分本位に周りを裏切りまくった結果、ザ・因果応報な最期を迎える。あれは怖い。
アメリカ人たちとエジプト人学者:
眼鏡のアメリカ人がバーンズ氏というのは作中で分かるけど、他の人は全然名前が出てこない。
ぶっちゃけると、イムホテップが不死身のミイラから、不死身の人間になるための生贄枠なので、細かなディティールは必要ないってことなんだろうなぁ。うーん、どんまい!
【感想など】
高校時代に初めて観て以来、大好きな映画。
好きすぎて、高校の英会話の授業であった「自分の好きなものをスピーチする」課題にて、本作への熱弁を振るいました。先生が若干引いていたのを覚えています。
……そんなわけで、今回もなんか超長文になってしまい、面目ないです。
それはそれとして。
いやぁ、頭空っぽで観れてハッピーエンドで、素晴らしい。
めっちゃ人、死んでるんですけどね。終わりよければ全てよし、なんです。
ザ・王道な冒険活劇展開も好きですが、キャラクターも大変好みです。
リックが高校時代のヒーローでした。
いいよね、脳筋だけど勇敢かつお人好しで、なんやかんやでヒロインによわよわな漢!
そんなヒーローをよわよわにする、エヴリンも大変いい。
たださらわれて、助けを待つだけのお姫様ポジションではなく、一行の頭脳担当という立ち位置なんですよ。きちんと戦力になっている。
彼女の知的好奇心のせいでイムホテップは復活しちゃったのですが、再封印にも貢献したので、こちらも結果オーライということで。
二人の恋愛模様が、年齢 (エヴリンは20代前半~半ば、リックは後半~30代ぐらいですかね)の割に初々しい感じなのも、個人的にツボ。
それでいて甘ったるすぎず、ミイラや人食いスカラベ相手にギャーギャー慌てている合間に、ほんの少し挟まれるさじ加減も好みなんです。
ゴリゴリの恋愛ものは苦手だけど、ちょっと甘いのは観たいという、ワガママ野郎の要望をよく叶えてくれている。
メイン二人のそばでウロチョロする、ジョナサン兄さんもいい味出していらっしゃるんですよ。
「普段はポンコツだけど、いざという時”だけ”は役に立つ」なので、馬鹿やってても愛せる。というか、珍プレーと好プレーを同時にこなす、高等テクニシャン過ぎる。
登場人物欄でも書いた、カイロ市民を回避するシーンと、終盤で生者の書を頑張って読むシーンが個人的に大好き。
……改めて思い返すと、割とジョナサンに一行――ひいては世界の命運が握られがち。
とんでもねぇジョナサンだ。
もちろんメイン3人以外の、腰巻き一丁で暴れまくるイムホテップや、飛行機とマシンガン大好きなアーデス・ベイも、ついでにヤンキーどももいいキャラしてます。
ちょうどいい頭の悪さの作風かつ、キャラがバリバリ立ってて、観終わって爽やかな気持ちになれる――これぞエンタメ。
今後もお気に入りの映画として愛でながら、創作の目標にしたいです。